よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1 新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画 (4 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/agenda.html
出典情報 経済財政諮問会議(令和4年第8回 6/7)《内閣府》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

はじめに
本「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」は、新しい資本主義実現
会議及び与党における検討を踏まえ取りまとめを行い、閣議決定を行うものである。

Ⅰ.資本主義のバージョンアップに向けて
1.市場の失敗の是正と普遍的価値の擁護
1980年代から2000年代にかけて、市場や競争に任せればうまくいくという「新自
由主義」と呼ばれる考え方が台頭し、グローバル化が進展することで経済は活力を
取り戻し、世界経済が大きく成長した。新自由主義は、成長の原動力の役割を果た
したと言える。
一方で、経済的格差の拡大、気候変動問題の深刻化、過度な海外依存による経済
安全保障リスクの増大、人口集中による都市問題の顕在化、市場の失敗等による多
くの弊害も生んだ。
特に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、特定国・地域に依存するサプラ
イチェーンでは、国民の健康や国家の経済安全保障が確保できないことを明らかに
する等、各国において危機管理リスクが増大している。
さらに、今般のロシアによるウクライナ侵攻は、国際経済における地政学的リス
クの存在や権威主義的国家による挑戦も顕在化させている。
実際、権威主義的国家資本主義とも呼べる体制を採用する国は、自由経済のルー
ルを無視した、不公正な経済活動等を進めることで、急速な経済成長をなしとげ、
国際政治における影響力を拡大してきた。自由と民主主義は、権威主義的国家資本
主義からの挑戦にさらされている。
また、各国では、デジタル化、最先端技術の開発、グローバルサプライチェーン
の再構築等、コロナ後の経済・社会システムの再構築を見据えて、大規模投資を官
民一体となって、推進している。
我々日本も、変革を迫られている。
2.「市場も国家も」による課題解決と新たな市場・成長、国民の持続的な幸福実現
資本主義は過去に2回、大きな転換を遂げた。自由放任主義は、2つの世界大戦
を経験する中で、政府による社会保障を重視する福祉国家の考え方に取って代わら
れた。その後、冷戦構造の中で、競争力を失いつつあった経済を立て直すため、新
自由主義の考え方が台頭した。今回は、資本主義の歴史上、3回目の大きな転換の
契機であり、新しい資本主義すなわち資本主義の第4ステージに向けた改革を進め
なければならない。
資本主義を超える制度は資本主義でしかあり得ない。新しい資本主義は、もちろ
ん資本主義である。
しかし、これまでの転換が、「市場か国か」、「官か民か」の間で振り子の如く
大きく揺れ動いてきたのに対し、新しい資本主義においては、市場だけでは解決で
きない、いわゆる外部性の大きい社会的課題について、「市場も国家も」、すなわ
ち新たな官民連携によって、その解決を目指していく。

1