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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (10 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》 |
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B.医療関係者の皆様へ
1.早期発見と早期対応のポイント
インスリン製剤や経口糖尿病治療薬、特にスルホニル尿素薬を使って治療し
ている場合は常に低血糖の可能性を念頭において、血糖値を速やかに測定して
対応する必要がある。通常、血糖値が 60‐70 mg/dL 未満になると交感神経症
状を自覚するが、低血糖を繰り返している場合や乳幼児・高齢者では自覚症状
があらわれない場合も多い。血糖値が 50 mg/dL 未満になると中枢神経症状が
あらわれる。このような状況が数時間以上続くと脳の重大な後遺症や生命の危
険が生じることがある。
低血糖が疑われる場合は迅速検査機器や簡易血糖測定器を用いて速やかに
血糖値を測定して診断し、治療を開始することが重要である。
(1)インスリンによる低血糖
インスリン治療を行っているほとんどの症例は低血糖を経験している。特
に、インスリンの血中濃度がピークとなる時間帯、各食前の空腹時、深夜か
ら早朝、運動をしている最中あるいはその後、入浴後などに起こりやすい。
内因性のインスリン分泌能が枯渇しているか著しく欠乏している症例、血糖
自己測定などによる自己管理が十分にできていない症例、厳格な血糖コント
ロールを達成している症例などで低血糖の頻度は高い。しかし、軽症低血糖
の範囲内、つまり低血糖を自覚し正しく対処できるならばほとんど危険はな
い。また、重症低血糖は可能な限り起こらないようにすべきである。
医療関係者やインスリン治療を行っている患者の家族などで、稀に隠れて
インスリンを注射して低血糖を起こす例があり、詐病性低血糖(factitious
hypoglycemia)と呼ばれる。
(2)糖尿病治療薬(GLP-1 受容体作動薬を含む)による低血糖
経口糖尿病治療薬による低血糖はインスリン治療に比べれば頻度が少な
いものの、常に危険性があることを念頭に置きながら診療を行う必要がある。
経口糖尿病治療薬の中では、スルホニル尿素薬が低血糖を起こしやすい。ま
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1.早期発見と早期対応のポイント
インスリン製剤や経口糖尿病治療薬、特にスルホニル尿素薬を使って治療し
ている場合は常に低血糖の可能性を念頭において、血糖値を速やかに測定して
対応する必要がある。通常、血糖値が 60‐70 mg/dL 未満になると交感神経症
状を自覚するが、低血糖を繰り返している場合や乳幼児・高齢者では自覚症状
があらわれない場合も多い。血糖値が 50 mg/dL 未満になると中枢神経症状が
あらわれる。このような状況が数時間以上続くと脳の重大な後遺症や生命の危
険が生じることがある。
低血糖が疑われる場合は迅速検査機器や簡易血糖測定器を用いて速やかに
血糖値を測定して診断し、治療を開始することが重要である。
(1)インスリンによる低血糖
インスリン治療を行っているほとんどの症例は低血糖を経験している。特
に、インスリンの血中濃度がピークとなる時間帯、各食前の空腹時、深夜か
ら早朝、運動をしている最中あるいはその後、入浴後などに起こりやすい。
内因性のインスリン分泌能が枯渇しているか著しく欠乏している症例、血糖
自己測定などによる自己管理が十分にできていない症例、厳格な血糖コント
ロールを達成している症例などで低血糖の頻度は高い。しかし、軽症低血糖
の範囲内、つまり低血糖を自覚し正しく対処できるならばほとんど危険はな
い。また、重症低血糖は可能な限り起こらないようにすべきである。
医療関係者やインスリン治療を行っている患者の家族などで、稀に隠れて
インスリンを注射して低血糖を起こす例があり、詐病性低血糖(factitious
hypoglycemia)と呼ばれる。
(2)糖尿病治療薬(GLP-1 受容体作動薬を含む)による低血糖
経口糖尿病治療薬による低血糖はインスリン治療に比べれば頻度が少な
いものの、常に危険性があることを念頭に置きながら診療を行う必要がある。
経口糖尿病治療薬の中では、スルホニル尿素薬が低血糖を起こしやすい。ま
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