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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (21 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》 |
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[症例4]クロピドグレルとレパグリニド併用による低血糖 3)
症 例:80 歳代、男性
既往歴:左下肢蜂窩織炎(1 年前)
現病歴:35 年前から 2 型糖尿病と診断され、網膜症及び腎不全(eGFR 15
mL/min/1.73m2)を合併していた。ADL は自立し、心血管疾患の合併はなし。
糖尿病治療はテネリグリプチン 40 ㎎/日、ボグリボース 0.6 ㎎/日、レパ
グリニド 1.5 ㎎/日であった。
末梢動脈疾患に対してクロピドグレル 75 ㎎
/日を開始した翌日、低血糖昏睡のため救急搬送された。経口薬中止にも
かかわらず、3 日間低血糖が遷延した。低血糖の原因と考えられたレパグ
リニドを中止して外来での経過観察となった。しかし、退院 1 か月後に血
糖コントロールが悪化したため、クロピドグレル内服下にテネリグリプチ
ンを 20 ㎎に減量したうえでレパグリニド 1.5 ㎎/日を再開した。その翌
日再び重症低血糖をきたし、救急搬送となった。インスリン抗体陰性でそ
の他に低血糖に関連する基礎疾患は認められなかった。高齢腎不全 2 型糖
尿病症例において、レパグリニド代謝に関与する CYP2C8 を強力に阻害す
るクロピドグレルの併用が、レパグリニドの血中濃度を高め遷延性低血糖
をきたしたことが示唆された。
20
症 例:80 歳代、男性
既往歴:左下肢蜂窩織炎(1 年前)
現病歴:35 年前から 2 型糖尿病と診断され、網膜症及び腎不全(eGFR 15
mL/min/1.73m2)を合併していた。ADL は自立し、心血管疾患の合併はなし。
糖尿病治療はテネリグリプチン 40 ㎎/日、ボグリボース 0.6 ㎎/日、レパ
グリニド 1.5 ㎎/日であった。
末梢動脈疾患に対してクロピドグレル 75 ㎎
/日を開始した翌日、低血糖昏睡のため救急搬送された。経口薬中止にも
かかわらず、3 日間低血糖が遷延した。低血糖の原因と考えられたレパグ
リニドを中止して外来での経過観察となった。しかし、退院 1 か月後に血
糖コントロールが悪化したため、クロピドグレル内服下にテネリグリプチ
ンを 20 ㎎に減量したうえでレパグリニド 1.5 ㎎/日を再開した。その翌
日再び重症低血糖をきたし、救急搬送となった。インスリン抗体陰性でそ
の他に低血糖に関連する基礎疾患は認められなかった。高齢腎不全 2 型糖
尿病症例において、レパグリニド代謝に関与する CYP2C8 を強力に阻害す
るクロピドグレルの併用が、レパグリニドの血中濃度を高め遷延性低血糖
をきたしたことが示唆された。
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