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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html |
出典情報 | 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》 |
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物の投与を中止して、低血糖が改善したならば、中止した薬物が原因の低血糖
である可能性が高い。薬物の中止によっても低血糖が改善しない場合は、下記
のような疾患を鑑別する必要がある。
(1)反応性低血糖
食後低血糖を認める場合には 75 g 経口糖負荷試験や食事負荷試験を行
い、負荷後 5~6 時間までの血糖曲線とインスリン反応を調べる。一般に、
血糖上昇とインスリン分泌のタイミングがずれることにより生じる。胃切
除の既往のある症例や高カロリー輸液を中止した後によく認められる。
(2)インスリノーマ
空腹時低血糖があるにも関わらず、血中インスリンや C-ペプチド濃度が
高い検査所見を示す。低血糖の程度が軽い場合は、絶食試験により空腹時
低血糖を誘発させる。慢性的な低血糖によって過食傾向があり、肥満して
いることが多い。CT、MRI、血管造影、経皮経肝門脈採血、選択的カルシウ
ム動脈内注入静脈サンプリング法などにより局在診断を行う必要がある。
(3)詐病性低血糖
治療とは無関係なインスリン注射や経口糖尿病治療薬の服薬によるもの
であり、医療従事者や糖尿病患者の家族などにみられるが、診断は困難な
ことが多い。インスリン注射によるものでは、血中インスリン濃度が高い
にもかかわらず C-ペプチド濃度が低いのが特徴的な検査所見である。
(4)インスリン自己免疫症候群
インスリン注射の既往がないにもかかわらずインスリンに対する自己抗
体が産生され、低血糖症を引き起こす稀な疾患である。血中インスリン値
が非常に高く、インスリンとの親和性が低いインスリン抗体が大量に存在
する。インスリン抗体に結合したインスリンの遊離によって起こる。SH 基
をもつ薬物(チアマゾールなど)の投与および特定の HLA との関連が報告
されている。インスリン自己免疫症候群は自然寛解も少なくないが、対症
的なブドウ糖投与やステロイド薬投与が有効である。
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である可能性が高い。薬物の中止によっても低血糖が改善しない場合は、下記
のような疾患を鑑別する必要がある。
(1)反応性低血糖
食後低血糖を認める場合には 75 g 経口糖負荷試験や食事負荷試験を行
い、負荷後 5~6 時間までの血糖曲線とインスリン反応を調べる。一般に、
血糖上昇とインスリン分泌のタイミングがずれることにより生じる。胃切
除の既往のある症例や高カロリー輸液を中止した後によく認められる。
(2)インスリノーマ
空腹時低血糖があるにも関わらず、血中インスリンや C-ペプチド濃度が
高い検査所見を示す。低血糖の程度が軽い場合は、絶食試験により空腹時
低血糖を誘発させる。慢性的な低血糖によって過食傾向があり、肥満して
いることが多い。CT、MRI、血管造影、経皮経肝門脈採血、選択的カルシウ
ム動脈内注入静脈サンプリング法などにより局在診断を行う必要がある。
(3)詐病性低血糖
治療とは無関係なインスリン注射や経口糖尿病治療薬の服薬によるもの
であり、医療従事者や糖尿病患者の家族などにみられるが、診断は困難な
ことが多い。インスリン注射によるものでは、血中インスリン濃度が高い
にもかかわらず C-ペプチド濃度が低いのが特徴的な検査所見である。
(4)インスリン自己免疫症候群
インスリン注射の既往がないにもかかわらずインスリンに対する自己抗
体が産生され、低血糖症を引き起こす稀な疾患である。血中インスリン値
が非常に高く、インスリンとの親和性が低いインスリン抗体が大量に存在
する。インスリン抗体に結合したインスリンの遊離によって起こる。SH 基
をもつ薬物(チアマゾールなど)の投与および特定の HLA との関連が報告
されている。インスリン自己免疫症候群は自然寛解も少なくないが、対症
的なブドウ糖投与やステロイド薬投与が有効である。
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