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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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薬物による低血糖の機序についても、インスリン分泌の促進とインスリン
拮抗ホルモン作用の低下が考えられる。
低血糖による交感神経症状はインスリン拮抗ホルモンが活性化している
ことを意味し、生体にとっては低血糖の防御反応である。中枢神経症状は
低血糖により脳機能に障害が起きていることを意味するので、早急の対応
が必要である。

3.副作用の判別基準(判別方法)
低血糖の重要な所見としては Whipple の 3 徴が有名である。すなわち、①
空腹時の低血糖発作、②低血糖の証明、③ブドウ糖投与による症状の改善、
である。これらはインスリノーマの所見として有名であるが、インスリノー
マに特有のものではなく、低血糖症に一般的に認められる所見である。
交感神経症状や中枢神経症状は低血糖を疑う所見として重要であるが、こ
れらの症状だけでは低血糖とは診断できない。低血糖を疑った場合には必ず
血糖値を測定し、60‐70 mg/dL 未満である場合は低血糖と診断する。また、
症状がなくても、血糖値が 60‐70 mg/dL 未満である場合は低血糖と診断して
よい。
インスリンや経口糖尿病治療薬(とくに、スルホニル尿素薬か速効型イン
スリン分泌促進薬)の治療が行われている症例に低血糖が起きた場合は、こ
れらの薬物投与が低血糖の要因である可能性が高い。薬物投与の中止や投与
量の減量により低血糖が消失または軽減したならば、薬物投与量の過剰が原
因であったと考えてまず間違いない。

4.判別が必要な疾患と判別方法
糖尿病に対する薬物療法(インスリンや経口糖尿病治療薬、特にスルホニル
尿素薬)を行っている患者であれば、それらの薬物が低血糖の原因である可能
性が高い(3. 副作用の判別基準の項を参照)

その他の薬物の投与が原因で起きる低血糖の頻度は少なく、
「患者側のリス
ク因子」が存在することがほとんどである。低血糖が起きた場合に疑わしい薬
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