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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (13 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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れる場合が多い。
交感神経症状:頻脈、発汗、顔面蒼白、低体温、皮膚湿潤
中枢神経症状:嗜眠、意識障害、異常行動、認知機能低下、痙攣、昏睡、四
肢反射の亢進、Babinski 徴候陽性、瞳孔反応正常
(3)検査所見
低血糖を思わせる症状がみられたときにはまず血糖値を測定し、低血糖の
有無を確認することが重要である。健常人の血糖値は空腹時でも 70 mg/dL
より低下することはほとんどない。通常、60‐70 mg/dL 未満になると交感
神経症状が出現し、50 mg/dL 未満になると中枢神経症状が出現する。急激
に血糖値が下降しているときは 70 mg/dL 以上の血糖値でも低血糖症状が出
現することがある。また、無自覚性低血糖では 60‐70 mg/dL 未満でも交感
神経症状が出現しない。症状があろうとなかろうと、血糖値が 70 mg/dL 未
満である場合は低血糖と診断して対応すべきである。
(4)発症機序
血液中のブドウ糖濃度(血糖値)は、健常人では 1 日中狭い範囲に保た
れている。これは血液中へのブドウ糖の供給と各組織におけるブドウ糖の
利用のバランスが精密に調節されているからである。血糖の調節には血糖
を低下させる唯一のホルモンであるインスリンと、血糖を上昇させる働き
のあるグルカゴン、カテコールアミン、成長ホルモン、副腎皮質ステロイ
ドなどのインスリン拮抗ホルモンが重要なはたらきをしている。
血糖が低下すると、インスリンの分泌は低下し、ブドウ糖の利用が抑え
られる。また、インスリン拮抗ホルモンの働きにより、肝臓や骨格筋での
グリコーゲン分解あるいは乳酸、ピルビン酸、アラニン、グリセロールを
原料とした肝臓や腎臓での糖新生が亢進するために、ブドウ糖の供給が増
大する。
血糖値が正常範囲を超えて低下する低血糖が起こる機序としては、イン
スリン過剰分泌によるブドウ糖利用促進と、インスリン拮抗ホルモンの作
用の低下や肝臓や腎臓の機能障害によるブドウ糖供給低下が考えられる。

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