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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (19 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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6.典型的な症例
[症例1]

インスリンによる低血糖

症例:60 歳代、男性
既往歴:高血圧症、脂質異常症にて下記薬剤が投与されている。
テルミサルタン(40 mg)1 日 1 錠 朝食後
アムロジピン(5 mg)1 日 1 錠 朝食後
ピタバスタチンカルシウム(1 mg)1 日 1 錠

朝食後

現病歴:約 10 年前に健診で高血糖を指摘されていたが病院を受診していな
かった。4 年前に急速な体重減少を契機に糖尿病と診断され、入院し強
化インスリン療法を導入された。一旦血糖コントロールは改善したが、
多忙になり再びコントロールが悪化、インスリンアスパルト毎食直前
10 単位、インスリングラルギン就寝前 16 単位に増量された。いつも
より夕食の時間が遅くなり、外で主食をほとんど取らずに深酒した。
帰宅して入浴し、浴室から出てきた後に意識を失い、救急搬送された。
来院時血糖値 20 mg/dL。
[症例2]

スルホニル尿素薬使用による重症低血糖

症例:70 歳代、男性
既往歴:高血圧、大腸がん末期(余命 1 年程度)
現病歴:15 年前から糖尿病があり、近医でスルホニル尿素(SU)薬により
治療されていた。4 年前にグリメピリド 2 mg + アログリプチン 25
mg/日に変更され、HbA1c 7%程度で経過していた。1 年前に大腸がん
と診断され、手術施行し半年前より化学療法が開始されていた。この
1 年間で血清クレアチニン 1.0 mg/dL から 1.4 mg/dL に上昇していた。
HbA1c は 6.3~6.9%で経過していた。糖尿病治療は上記内服薬でこの
4 年間変更されていなかった。11 月 6 日、食欲なく夕食を摂取せずに
20 時就寝。翌朝 7 時に妻の呼びかけに反応せず、救急要請した。救急
隊到着時の意識レベルが昏睡状態であることが確認され、当院に救急
搬送された。搬送時血糖値 19 mg/dL、血中インスリン値 16.4 U/mL、
血中 C ペプチド値 6.5 ng/mL、意識レベル:昏睡(JCS300)、SU 薬によ
る薬剤性低血糖昏睡と診断した。ブドウ糖静脈投与後すみやかに血糖
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