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資料2-3 重篤副作用疾患別対応マニュアル 低血糖(案) (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000209243_00006.html
出典情報 重篤副作用総合対策検討会(第15回 9/20)《厚生労働省》
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5.治療方法
(1)低血糖が起きた場合の緊急対応
低血糖が起きた場合は直ちに対応する必要がある。交感神経症状による低
血糖の症状が起きたが意識が保たれている場合には、
10‐20 g のブドウ糖、
砂糖、ジュース、飴などの糖質を経口摂取する。ただし、α-グルコシダー
ゼ阻害薬を服用中の場合は、ブドウ糖を摂取することが重要である。このよ
うな患者自身での対処により、通常 5 分以内に低血糖症状は消失する。糖質
摂取により血糖値がいったん上昇しても 30 分ほどでふたたび低血糖が生じ
る場合もある。これを遷延性低血糖と呼び、スルホニル尿素薬による低血糖
で起こりやすい。糖質の摂取後早期に食事またはスナックを摂取すべきであ
る。いったん低血糖から改善しても再度低血糖が起きる危険が高いため、低
血糖が生じた場合は主治医に連絡させるようにする。ただし、インスリン治
療による軽症低血糖で、患者自身が低血糖に対して十分な知識を持っている
場合はこの限りではない。
意識障害を伴い経口投与が不可能な重症低血糖の場合には、家族や医療機
関での対処が必要である。糖尿病治療薬による低血糖の危険性が高い患者に
は、あらかじめグルカゴンを処方して、家族による点鼻あるいは筋肉注射を
指導しておく場合もある。このような対応によっても意識レベルが改善しな
い場合は近くの診療所や病院を受診させる必要がある。血糖測定により低血
糖が確認できたならば、50 %グルコースの静注 20mL(20%グルコースなら
ば 40mL)を行う。小児の場合は、l0 %ブドウ糖を 5 mg/kg/分の速度で注入
することで治療を開始し、正常な血糖値まで急速に回復するように注入速度
を調節する。グルカゴンの補充療法も効果的である。
短時間の低血糖であれば、ブドウ糖の静注によって多くは 5 分以内に回
復する。ブドウ糖の静注が行えない場合にはグルカゴンの筋注も応急処置と
しては有効である。ブドウ糖の静注を行っても意識が改善しない場合は、ブ
ドウ糖の点滴静注を行いながら、設備の整った病院に搬送する。そして診察
と脳 CT などの画像診断などを用いて脳神経系の評価を行い、専門的な治療
を行う。ブドウ糖の静注によっていったん意識が改善してもふたたび低下す
るような遷延性低血糖の場合も専門医や施設の整った病院に搬送する。

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