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資料1-3 指摘事項に対する回答 (5 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40411.html |
出典情報 | 先進医療会議 先進医療技術審査部会(第162回 6/19)《厚生労働省》 |
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【回答】
貴重なご意見を頂き誠にありがとうございます。
ご質問頂きました「伝播のリスクがほぼゼロと考えられる根拠データ(特に HPV)」につきまして、HPV の
現況とともに洗浄消毒法ごとに根拠となる文献情報を以下の通りお示しします。
HPV が引き起こすのは女性の子宮頸がん、外陰がん、膣がん、男性の陰茎がん、そして男女共通の中
咽頭がん、肛門がんなどです。HPVの多くいる場所は生殖器(特に子宮頸部)です。しかし、肛門、口腔
内からも検出されることがあります。接触により感染するため(性行為感染症)、理論的に内視鏡の消毒
が不十分なら伝播原因になります。しかし、現時点では内視鏡でのHPV感染の報告はありません。粘
膜に触れるものとして軟性内視鏡は semi-critical に分類され,芽胞以外の病原体の殺滅を目的として,
滅菌または高水準消毒が推奨されています cleaning201802.pdf (jges.net)。
消化器内視鏡消毒では、一般的に「標準的消毒法(高レベル消毒)」として過酢酸またはフタラールが用
いられております(★endoscope-disinfection-english-2011.pdf)。
近年の動向として HPV 感染伝播予防の消毒法に関する vitro 含めた研究が進められ“現在の標準的消
毒法を用いれば HPV 不活化に有効である”との エビデンスが以下のような論文で報告されております。
① 過酢酸(PAA)の確認データ
タイトル:ヒトパピローマウイルス 16 の消毒剤に対する感受性
Susceptibility of human papillomavirus 16 to disinfectants
Cary A. Moody and for the CDC Prevention Epicenters Program
Infection Control & Hospital Epidemiology , Volume 43 , Issue 3 , March 2022 , pp. 397 - 399
DOI: https://doi.org/10.1017/ice.2021.411
内容:以前の研究では、FDA 承認のグルタルアルデヒドやオルトフタルアルデヒド(OPA)を含む高水準
消毒剤(HLD)ではウイルスを不活化できないため、腔内プローブを用いた医療処置を受ける患者が
HPV に曝露する可能性があると報告された 1。酸化剤(次亜塩素酸塩や過酢酸[PAA]など)は効果的で
あった。
A previous study reported that patients undergoing medical procedures with endocavitary probes may
be exposed to HPV because high-level disinfectants (HLDs), including FDA-approved glutaraldehyde and
ortho-phthalaldehyde (OPA), do not inactivate the virus.1 Although oxidizing agents, (eg, hypochlorite
and peracetic acid [PAA]) were effective,1 many oxidizing agents (eg, hypochlorite) are not currently
approved by the US Food and Drug Administration (FDA) for use as HLDs.
②
OPA(オルトフタルアルデヒド:フタラール)などの確認データ
タイトル:パピローマウイルスの生体内病変形成の動態と高水準消毒に対する感受性-臨床現場におけ
る伝播への示唆-.
Dynamics of papillomavirus in vivo disease formation and susceptibility to high-level disinfection—
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貴重なご意見を頂き誠にありがとうございます。
ご質問頂きました「伝播のリスクがほぼゼロと考えられる根拠データ(特に HPV)」につきまして、HPV の
現況とともに洗浄消毒法ごとに根拠となる文献情報を以下の通りお示しします。
HPV が引き起こすのは女性の子宮頸がん、外陰がん、膣がん、男性の陰茎がん、そして男女共通の中
咽頭がん、肛門がんなどです。HPVの多くいる場所は生殖器(特に子宮頸部)です。しかし、肛門、口腔
内からも検出されることがあります。接触により感染するため(性行為感染症)、理論的に内視鏡の消毒
が不十分なら伝播原因になります。しかし、現時点では内視鏡でのHPV感染の報告はありません。粘
膜に触れるものとして軟性内視鏡は semi-critical に分類され,芽胞以外の病原体の殺滅を目的として,
滅菌または高水準消毒が推奨されています cleaning201802.pdf (jges.net)。
消化器内視鏡消毒では、一般的に「標準的消毒法(高レベル消毒)」として過酢酸またはフタラールが用
いられております(★endoscope-disinfection-english-2011.pdf)。
近年の動向として HPV 感染伝播予防の消毒法に関する vitro 含めた研究が進められ“現在の標準的消
毒法を用いれば HPV 不活化に有効である”との エビデンスが以下のような論文で報告されております。
① 過酢酸(PAA)の確認データ
タイトル:ヒトパピローマウイルス 16 の消毒剤に対する感受性
Susceptibility of human papillomavirus 16 to disinfectants
Cary A. Moody and for the CDC Prevention Epicenters Program
Infection Control & Hospital Epidemiology , Volume 43 , Issue 3 , March 2022 , pp. 397 - 399
DOI: https://doi.org/10.1017/ice.2021.411
内容:以前の研究では、FDA 承認のグルタルアルデヒドやオルトフタルアルデヒド(OPA)を含む高水準
消毒剤(HLD)ではウイルスを不活化できないため、腔内プローブを用いた医療処置を受ける患者が
HPV に曝露する可能性があると報告された 1。酸化剤(次亜塩素酸塩や過酢酸[PAA]など)は効果的で
あった。
A previous study reported that patients undergoing medical procedures with endocavitary probes may
be exposed to HPV because high-level disinfectants (HLDs), including FDA-approved glutaraldehyde and
ortho-phthalaldehyde (OPA), do not inactivate the virus.1 Although oxidizing agents, (eg, hypochlorite
and peracetic acid [PAA]) were effective,1 many oxidizing agents (eg, hypochlorite) are not currently
approved by the US Food and Drug Administration (FDA) for use as HLDs.
②
OPA(オルトフタルアルデヒド:フタラール)などの確認データ
タイトル:パピローマウイルスの生体内病変形成の動態と高水準消毒に対する感受性-臨床現場におけ
る伝播への示唆-.
Dynamics of papillomavirus in vivo disease formation and susceptibility to high-level disinfection—
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