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厚生労働省国際保健ビジョン (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42939.html
出典情報 「厚生労働省国際保健ビジョン」の公表について(8/26)《厚生労働省》
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とも言える国民皆保険制度をはじめ、医療へのアクセスの確保、結核等の感染
症対策、「健康日本21」による健康増進運動、介護保険・認知症対策などの
高齢者対策、これらを踏まえた医療・福祉連携の「地域包括ケア」など、世界
で最も高水準の健康長寿社会を、公平性を担保しつつ、比較的低い費用で達成
維持するための知見や試行錯誤の経験が存在する。
さらに、日本が、世界でも最も高い健康水準を維持し続けてきたことは、日
本の経済発展に寄与してきた。超高齢社会を迎え、介護領域をも含めた保健・
医療・介護政策は、厚生労働省のみならず、関係省庁と連携して経済・産業政
策の一環として取り組むことが肝要である。
我が国は、これらの保健システムや保健財政における知見・経験を国際社会
に還元することが可能であり、また、それは我が国の今後の課題解決にも還元
されるものである。
なお、この国際社会への還元という観点からは、政府として 2022 年 5 月に
「グローバルヘルス戦略」(2022 年5月 24 日健康・医療戦略推進本部決定)を
取りまとめているところである。それ以降も、新たな紛争や災害・異常気象等
も発生し、さらに、グローバル・サウスとも呼ばれる新興国・途上国の存在感
が増していることによる地政学上の変化もある。本ビジョンは、「グローバル
ヘルス戦略」に則りつつ、こうした状況変化を踏まえ、政府全体の戦略の中で
の厚生労働省の役割を明確化するものである。



現状と課題

〔これまでの我が国の考え方〕
我が国は、一人ひとりが尊厳を保ち生存する権利を追求する人間の安全保障
の考え方に立って、国際保健を推進してきた。その上で、UHC の達成を我が国
の保健外交の中心に位置付けてきたことは、国際的にも認知されている。特に
近年は、UHC 達成のための各国の保健システム強化には財務・保健当局の連携
が重要であり、持続可能な保健財政制度の設計を行う必要性を世界に提起して
きた。2019 年の G20 大阪サミットで、初めて財務・保健大臣合同会合を開催し、
それ以降の G20 においてこれが踏襲されていることは、その一例である。
〔COVID-19 を踏まえた課題〕
COVID-19 パンデミックは世界保健機関(WHO)を中心とした現在の国際保健
のガバナンス及びファイナンスの脆弱性を露呈させた。この教訓から、国際社

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