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【先進医療会議】議題3 別紙4先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (24 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50847.html
出典情報 先進医療合同会議(第140回先進医療会議、第171回先進医療技術審査部会 2/6)《厚生労働省》
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先進医療技術審査部会からの指摘事項 2
先進医療技術名:脊髄髄膜瘤胎児手術
2025 年1月6日
所属・氏名:大阪大学
遠藤 誠之

※照会に伴い変更が生じた場合は、関係書類も併せて修正して下さい。
1. 審査資料やこれまでのご回答からは、被験者が誰なのかという点についても研究者
側で揺らぎがあるように見えますが、回答6の「胎児に対する治療介入技術の臨床研
究開発であっても、あくまでもその被験者は時に胎児と利益相反関係にある母体であ
る妊婦のみとみなしてきたため、研究対象である被験胎児を適切に保護するための
倫理的、法的、社会的枠組みが欠落しています」という見解に基づくならば、胎児と利
益相反関係にある母親だけに同意を求めるのは被験胎児の保護の観点から適切で
はないのではないですか?また、母親の自己決定権を重視することと、母親とパート
ナー(胎児の父親)が胎児の研究参加に対する合意を得ることは、両立しえないので
しょうか?
なお、胎児のための手術を受ける母親が胎児と“利益相反関係”にあるという前提
が適切なのでしょうか・・・実験的な手術の対象になる胎児のリスク・ベネフィットの難し
い衡量を同じ手術の対象になる母親が担うことの二重の困難性と捉えるべきなので
はないかと考えます。また、「国際的にも、研究対象である被験胎児を適切に保護す
るための倫理的、法的、社会的枠組みが欠落しています。」と書かれておられます
が、これまで少なくとも国内の胎児治療では、複数の研究機関・医療機関において妊
婦と胎児の双方を患者として保護するスタンスで実施されてきており、回答者の想定
している状況を理解できませんでした。さらに、「胎児に対する治療介入技術の臨床
研究開発であっても、あくまでもその被験者が時に胎児と利益相反関係にある母体で
ある妊婦のみとみなしてきたため」という記載も、胎児治療の国際学会で”The Fetus
as a Patient”の宣言を示し(1993 年、2004 年)、胎児と妊婦の双方の保護に懸命に努
めてこられた事実に対する正しい認識でしょうか。一般的な臨床研究において胎児が
研究介入の直接の対象存在となる状況が想定されていないとしても、胎児治療の領
域においてはこのような状況を踏まえて新たな枠組みが構築され、それが実務的慣
行となっていると考えます。これに敢えて別の枠組みを導入し、胎児もしくは出生後の
児が被験者と位置づけられ保護されることをプロトコルに記載しないとすることの合理
性が説明されていないように考えます。
回答 6 の「胎児―妊婦コンプレックス」についての説明もないのですが、ELSI 面で
の理論的・制度的に不確かなものを本研究の実践に持ち込むことは避けるべきで、臨

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