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【資料No.1】2.4_非臨床試験の概括資料 (9 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29325.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会(令和4年度第5回 11/22)、医薬品第二部会(令和4年度第13回 11/22)(合同開催)《厚生労働省》 |
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S-217622
2.4 非臨床の概括評価
度 (EC50) は VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.22~0.52 µmol/L,HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細胞では
0.026~0.064 µmol/L であった.マウス馴化株に対する S-217622 フマル酸共結晶の EC50 は,
VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.12 µmol/L であった.VeroE6/TMPRSS2 細胞及び HEK293T/ACE2TMPRSS2 細胞に対する 50%細胞障害濃度 (CC50) は > 100 µmol/L 及び 55 µmol/L であり,
S-217622 フマル酸共結晶はスパイクタンパク質に変異が認められている複数の臨床分離株及び
マウス馴化株に対して抗 SARS-CoV-2 活性を有し,臨床分離株及びマウス馴化株に対する感受
性の違いは株間で小さいこと,並びに細胞障害を起こす濃度より極めて低い濃度で抗
SARS-CoV-2 活性を有することが示された.
ヒト鼻腔由来細胞の MucilAir™においても S-217622
フマル酸共結晶の EC50,EC90,EC99 及び EC99.9 は感染 2 日後ではそれぞれ 0.0177,0.0514,0.121
及び 0.266 µmol/L,感染 3 日後ではそれぞれ 0.0570,0.117,0.207,0.329 µmol/L を示し,ヒト
プライマリー気道上皮細胞 (hAEC) においても抗 SARS-CoV-2 活性を有することが示された
(2.6.2.2.1.2 項参照).また S-217622 フマル酸共結晶はレムデシビル,EIDD-1931 (モルヌピラビ
ルの親化合物) 並びに PF-07321332 と併用することにより相加的な,また REGN-COV2 と併用
することにより相加から相乗的なウイルス増殖抑制効果を示した (2.6.2.2.1.7 項参照).S-217622
フマル酸共結晶の抗 SARS-CoV-2 活性に対するヒト血清及びマウス血清の影響を検討した結果,
血清添加による抗 SARS-CoV-2 活性の potency shift がみられ,100%ヒト血清及び 100%マウス血
清存在下での S-217622 フマル酸共結晶の推定の protein-adjusted EC50 (PA-EC50) はそれぞれ
3.02 µmol/L 及び 3.93 µmol/L であり,
血清非存在下のときの抗 SARS-CoV-2 活性と比較すると,
potency shift はどちらも 6 倍であった.以上の結果より,S-217622 フマル酸共結晶では血清によ
る抗 SARS-CoV-2 活性への影響はヒト,マウス血清で同程度であることが示された (2.6.2.2.1.3
項参照).
2.4.2.1.3
In vivo 活性
In vivo 評価では,SARS-CoV-2 ガンマ株 (Pango lineage P1: hCoV-19/Japan/TY7-501/2021 株) を
経鼻接種したマウス感染モデルを用いて,感染直後又は感染 24 時間後に S-217622 フマル酸共
結晶を投与開始した際の抗ウイルス効果について,肺内ウイルス力価を指標に検討した.その
結果,感染直後及び 24 時間後に投与開始したいずれの場合でも,用量依存的に肺内ウイルス力
価の低下が認められ,S-217622 フマル酸共結晶はマウスにおいて,ウイルス複製を阻害すると
考えられた (2.6.2.2.2.1 項及び 2.6.2.2.2.2 項参照).また,重篤な新型コロナウイルス感染症では
死に至る場合もあることから,マウスに馴化した SARS-CoV-2 株を感染させたマウス致死モデ
ルを用いて,感染から 14 日間の体重変化率,生存率及び生存期間を確認した.感染 24 時間後
から S-217622 フマル酸共結晶を 4,8,16 及び 32 mg/kg の用量で 12 時間ごとに 1 日 2 回の 5日
間経口投与を実施した結果,感染 14 日後における生存率は,媒体対照群では 37.5%,4 mg/kg 投
与群では 91.7%,8,16 及び 32 mg/kg 投与群では 100%であり,S-217622 フマル酸共結晶投与に
より生存期間が有意に延長し,感染に伴う体重減少が用量依存的に抑制された (2.6.2.2.2.3 項参
照).以上の結果から,S-217622 フマル酸共結晶はマウスにおける SARS-CoV-2 感染に伴う病態
進展を抑制するものと考えられた.
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2.4 非臨床の概括評価
度 (EC50) は VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.22~0.52 µmol/L,HEK293T/ACE2-TMPRSS2 細胞では
0.026~0.064 µmol/L であった.マウス馴化株に対する S-217622 フマル酸共結晶の EC50 は,
VeroE6/TMPRSS2 細胞では 0.12 µmol/L であった.VeroE6/TMPRSS2 細胞及び HEK293T/ACE2TMPRSS2 細胞に対する 50%細胞障害濃度 (CC50) は > 100 µmol/L 及び 55 µmol/L であり,
S-217622 フマル酸共結晶はスパイクタンパク質に変異が認められている複数の臨床分離株及び
マウス馴化株に対して抗 SARS-CoV-2 活性を有し,臨床分離株及びマウス馴化株に対する感受
性の違いは株間で小さいこと,並びに細胞障害を起こす濃度より極めて低い濃度で抗
SARS-CoV-2 活性を有することが示された.
ヒト鼻腔由来細胞の MucilAir™においても S-217622
フマル酸共結晶の EC50,EC90,EC99 及び EC99.9 は感染 2 日後ではそれぞれ 0.0177,0.0514,0.121
及び 0.266 µmol/L,感染 3 日後ではそれぞれ 0.0570,0.117,0.207,0.329 µmol/L を示し,ヒト
プライマリー気道上皮細胞 (hAEC) においても抗 SARS-CoV-2 活性を有することが示された
(2.6.2.2.1.2 項参照).また S-217622 フマル酸共結晶はレムデシビル,EIDD-1931 (モルヌピラビ
ルの親化合物) 並びに PF-07321332 と併用することにより相加的な,また REGN-COV2 と併用
することにより相加から相乗的なウイルス増殖抑制効果を示した (2.6.2.2.1.7 項参照).S-217622
フマル酸共結晶の抗 SARS-CoV-2 活性に対するヒト血清及びマウス血清の影響を検討した結果,
血清添加による抗 SARS-CoV-2 活性の potency shift がみられ,100%ヒト血清及び 100%マウス血
清存在下での S-217622 フマル酸共結晶の推定の protein-adjusted EC50 (PA-EC50) はそれぞれ
3.02 µmol/L 及び 3.93 µmol/L であり,
血清非存在下のときの抗 SARS-CoV-2 活性と比較すると,
potency shift はどちらも 6 倍であった.以上の結果より,S-217622 フマル酸共結晶では血清によ
る抗 SARS-CoV-2 活性への影響はヒト,マウス血清で同程度であることが示された (2.6.2.2.1.3
項参照).
2.4.2.1.3
In vivo 活性
In vivo 評価では,SARS-CoV-2 ガンマ株 (Pango lineage P1: hCoV-19/Japan/TY7-501/2021 株) を
経鼻接種したマウス感染モデルを用いて,感染直後又は感染 24 時間後に S-217622 フマル酸共
結晶を投与開始した際の抗ウイルス効果について,肺内ウイルス力価を指標に検討した.その
結果,感染直後及び 24 時間後に投与開始したいずれの場合でも,用量依存的に肺内ウイルス力
価の低下が認められ,S-217622 フマル酸共結晶はマウスにおいて,ウイルス複製を阻害すると
考えられた (2.6.2.2.2.1 項及び 2.6.2.2.2.2 項参照).また,重篤な新型コロナウイルス感染症では
死に至る場合もあることから,マウスに馴化した SARS-CoV-2 株を感染させたマウス致死モデ
ルを用いて,感染から 14 日間の体重変化率,生存率及び生存期間を確認した.感染 24 時間後
から S-217622 フマル酸共結晶を 4,8,16 及び 32 mg/kg の用量で 12 時間ごとに 1 日 2 回の 5日
間経口投与を実施した結果,感染 14 日後における生存率は,媒体対照群では 37.5%,4 mg/kg 投
与群では 91.7%,8,16 及び 32 mg/kg 投与群では 100%であり,S-217622 フマル酸共結晶投与に
より生存期間が有意に延長し,感染に伴う体重減少が用量依存的に抑制された (2.6.2.2.2.3 項参
照).以上の結果から,S-217622 フマル酸共結晶はマウスにおける SARS-CoV-2 感染に伴う病態
進展を抑制するものと考えられた.
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