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資料 1 - 2 前回の議論を受けて修正した個票(疾病名及び疾病の対象範囲の変更に ついて研究班から情報提供のあった疾病) (17 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31825.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第51回 3/22)《厚生労働省》 |
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<DYT12 ジストニア、急性発症ジストニア・パーキンソニズム(rapid onset dystonia-parkinsonism:RDP)/小児
交互性片麻痺(alternating hemiplegia of childhood:AHC)/小脳失調症深部腱反射消失凹足視神経萎縮感
覚神経障害性聴覚障害(cerebellar ataxia、areflexia、pes cavus、optic、atrophy、and sensorineural hearing
loss:CAPOS)>
1. 病因遺伝子と概要
当初、RDP のみが知られていたが、下記の3病型があることが確認された。3病型は臨床症状がオーバーラ
ップしていることもある。
【RDP】急性に発症するジストニアとパーキンソニズムを示す。2~3分から1か月で症状は完成し以後ほとん
ど進行しない。ジストニアは顔面口部に強い。パーキンソニズムは無動、姿勢保持障害を示す。精神症状を
伴うことが多い。
【AHC】発作性反復性片麻痺または四肢麻痺の乳児期発症を特徴とする。ほとんどの場合、ジストニアの姿
勢、舞踏アテトーシス、異常眼球運動、発達遅滞、進行性の認知障害を伴う。家系内に軽症の AHC を認め
る事もある。小児慢性特定疾患の一つである。
【CAPOS】発作性反復性に CAPOS が発熱とともに見られる。
(1) 遺伝様式:常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(遺伝子座 19q13、遺伝子 ATP1A3、遺伝子産物 ATP1A3:
Na+/K+ transporting ATPase alpha-3chain、遺伝子座:19q13、MIM #128235)不完全浸透である
(2) 発症年齢: 【RDP】思春期~成人期(平均 22 歳)、【AHC】乳児期~幼児期(18 か月以前)【CAPOS】乳
児期~小児期
(3) 頻度:不明
2. 臨床症状
【RDP】急激な発症前には手と腕の軽いジストニアを見ることもある。発症は常に急激で、2~3分から 30 日
で完成し、肉体的なあるいは心理的なストレスの後に起こることが多い。多くは進行も回復もしないが、2回
目の増悪を経験することもある。球症状は特徴的で構語障害と小声になり、嚥下障害を伴う。ジストニアは
全身性や分節性にみられ、分節性の場合は顔面に多く、次いで上肢、下肢の順となる。パーキンソニズムは
無動と姿勢保持障害で、振戦は報告されていない。抗パーキンソン病薬には反応しない。精神症状としては
うつ状態、統合失調症的性格、軽度の精神発達遅滞、社会恐怖症、てんかん発作がある。
【AHC】発作性反復性の片麻痺発作で(弛緩性、痙性、ジストニア姿勢を含む。)発症する。四肢麻痺発作の
場合もある。麻痺側は一定せず交互性(日によって発作の出現する側が異なる)である。麻痺の程度は様々
で発作は通常数分又は数時間であるが、数日持続する症例も見られる。ジストニア姿位やコレオアテトーシ
ス、眼球運動異常(眼振、非対称性眼転位、斜視など)、自律神経症状(発汗、皮膚紅潮又は蒼白、呼吸不
全など)を認める。発達障害、進行性の認知症状を随伴することが多い。睡眠で症状は消失する。てんかん
発作を伴う症例も報告されている。家系内に軽症の AHC を認める事もある。
【CAPOS】発熱と共に小脳性運動失調、反射低下、凹足、視神経萎縮、および感音難聴(CAPOS)が再発性
に生じる。発作は数日持続し、経過とともに症状は軽快・消失する。発作回数は時間とともに減少する傾向
があるが、神経学的後遺症は永続的で進行性で、歩行障害、運動失調および視力障害、難聴、深部腱反射
低下を来す。嚥下困難も認められる。認知機能は保たれる。
3. 特記すべき検査所見
特になし。
4. 遺伝子診断
ATP1A3 遺伝子の病的変異を認める。
5. 鑑別診断
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交互性片麻痺(alternating hemiplegia of childhood:AHC)/小脳失調症深部腱反射消失凹足視神経萎縮感
覚神経障害性聴覚障害(cerebellar ataxia、areflexia、pes cavus、optic、atrophy、and sensorineural hearing
loss:CAPOS)>
1. 病因遺伝子と概要
当初、RDP のみが知られていたが、下記の3病型があることが確認された。3病型は臨床症状がオーバーラ
ップしていることもある。
【RDP】急性に発症するジストニアとパーキンソニズムを示す。2~3分から1か月で症状は完成し以後ほとん
ど進行しない。ジストニアは顔面口部に強い。パーキンソニズムは無動、姿勢保持障害を示す。精神症状を
伴うことが多い。
【AHC】発作性反復性片麻痺または四肢麻痺の乳児期発症を特徴とする。ほとんどの場合、ジストニアの姿
勢、舞踏アテトーシス、異常眼球運動、発達遅滞、進行性の認知障害を伴う。家系内に軽症の AHC を認め
る事もある。小児慢性特定疾患の一つである。
【CAPOS】発作性反復性に CAPOS が発熱とともに見られる。
(1) 遺伝様式:常染色体顕性遺伝(優性遺伝)(遺伝子座 19q13、遺伝子 ATP1A3、遺伝子産物 ATP1A3:
Na+/K+ transporting ATPase alpha-3chain、遺伝子座:19q13、MIM #128235)不完全浸透である
(2) 発症年齢: 【RDP】思春期~成人期(平均 22 歳)、【AHC】乳児期~幼児期(18 か月以前)【CAPOS】乳
児期~小児期
(3) 頻度:不明
2. 臨床症状
【RDP】急激な発症前には手と腕の軽いジストニアを見ることもある。発症は常に急激で、2~3分から 30 日
で完成し、肉体的なあるいは心理的なストレスの後に起こることが多い。多くは進行も回復もしないが、2回
目の増悪を経験することもある。球症状は特徴的で構語障害と小声になり、嚥下障害を伴う。ジストニアは
全身性や分節性にみられ、分節性の場合は顔面に多く、次いで上肢、下肢の順となる。パーキンソニズムは
無動と姿勢保持障害で、振戦は報告されていない。抗パーキンソン病薬には反応しない。精神症状としては
うつ状態、統合失調症的性格、軽度の精神発達遅滞、社会恐怖症、てんかん発作がある。
【AHC】発作性反復性の片麻痺発作で(弛緩性、痙性、ジストニア姿勢を含む。)発症する。四肢麻痺発作の
場合もある。麻痺側は一定せず交互性(日によって発作の出現する側が異なる)である。麻痺の程度は様々
で発作は通常数分又は数時間であるが、数日持続する症例も見られる。ジストニア姿位やコレオアテトーシ
ス、眼球運動異常(眼振、非対称性眼転位、斜視など)、自律神経症状(発汗、皮膚紅潮又は蒼白、呼吸不
全など)を認める。発達障害、進行性の認知症状を随伴することが多い。睡眠で症状は消失する。てんかん
発作を伴う症例も報告されている。家系内に軽症の AHC を認める事もある。
【CAPOS】発熱と共に小脳性運動失調、反射低下、凹足、視神経萎縮、および感音難聴(CAPOS)が再発性
に生じる。発作は数日持続し、経過とともに症状は軽快・消失する。発作回数は時間とともに減少する傾向
があるが、神経学的後遺症は永続的で進行性で、歩行障害、運動失調および視力障害、難聴、深部腱反射
低下を来す。嚥下困難も認められる。認知機能は保たれる。
3. 特記すべき検査所見
特になし。
4. 遺伝子診断
ATP1A3 遺伝子の病的変異を認める。
5. 鑑別診断
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