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１．３

医薬品流通における課題

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１．３．１

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○

薬価基準制度と医薬品流通の変遷

医薬品は、薬価基準に基づき、国によって価格（薬価）が決められ、主に製薬企業か

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ら医薬 品 卸 売 販 売 業 者 を介 し て 医 療 機 関 や 薬 局 に 販 売 さ れ て い る 。 医 療 保 険 か ら 医療

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機関等 に 対 し て 償 還 す る価 格 （ 薬 価 ） は 統 一 的 に 定 め ら れ て い る 中 で 、 製 薬 企 業 、医

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薬品卸 売 販 売 業 者 及 び 医療 機 関 等 と の 取 引 は 、 自 由 取 引 に 委 ね ら れ て い る こ と か ら、

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医薬品 卸 売 販 売 業 者 と 医療 機 関 等 と の 間 で 取 引 さ れ る 価 格 （ 実 勢 価 格 ） と 薬 価 の 間に

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は差額（薬価差）が発生している。

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〇

その上で、医薬品が適正な薬価により流通されることを目的に、薬価を実勢価格に近

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づける た め 、 こ れ ま で 実勢 価 格 の 調 査 （ 薬 価 調 査 ） を 行 っ た 上 で 、 薬 価 改 定 が 行 われ

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てきた。

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その際、薬価改定のルールは、薬価基準制度の下、時代とともに変更され、それによ

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り流通 の在 り 方も 変遷 して き ている 。以 下、 薬価基 準制度 と医 薬品 流通の 変遷に つい

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て記載する。

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①バルクライン方式

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○

医療用医薬品の薬価改定方式として、最初に導入されたのは、昭和 26 年（1951 年）

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から実 施 さ れ た バ ル ク ライ ン 方 式 で あ る 。 こ れ は 医 薬 品 全 体 の 取 引 量 を 安 い 方 か ら並

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べて一定の数量をカバーする１点の取引価格を基準価格とするという方式であった 4 8 。

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○

昭和 36 年（1961 年）の国民皆保険制度の導入後、医薬品卸売販売業者と医療機関等

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の取引 （ 川 下 取 引 ） で は、 医 薬 品 卸 売 販 売 業 者 の 主 力 取 引 先 は 医 療 機 関 が 中 心 と なっ

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ていた。

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○

当時の製薬企業と医薬品卸売販売業者の取引（川上取引）では、製薬企業が値引きの

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範囲をコントロールして医療機関への販売価 格を決める「値引補償制度」 4 9 であったが、

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平成３年（1991 年）には再販売価格維持が疑われる行為として廃止され、製薬企業が

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医薬品 卸 売 販 売 業 者 に 販売 す る 価 格 （ 仕 切 価 ） を 提 示 し 、 医 薬 品 卸 売 販 売 業 者 が 医療

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機関等と交渉して納入価を決定する「仕切価制」へと移行した。

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○

医療機関と医薬品卸売販売業者の取引では、当初、製薬企業ごとに取引をしていたが、

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市場で は 市 場 規 模 が 大 きく 汎 用 性 の 高 い 生 活 習 慣 病 治 療 薬 な ど の 新 薬 が 多 数 登 場 し、

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個別の 価 格 交 渉 が 煩 雑 にな っ た た め 、 医 療 機 関 は 複 数 の 製 薬 企 業 の 医 薬 品 を 一 括 して

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購入することを要望し、医薬 品卸売販売業者が販路拡大のためにこれを受け 入れ、「総

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実勢価格の集計方法の変更に伴い、昭和 28 年（1953 年）に 90％方式に変更され、その後、薬価 と
実勢 価 格のば ら つ きの 差が 大き く なったこ と から 、こ れを 解 消するた め 、昭 和 5 8 年 （1 98 3 年） に
81％方式が導入 された。
値 引 補償 制 度 ： 卸 が製 薬 企 業 か ら購 入 し た 仕 入価 格 以 下 の 価格 で 、 医 薬 品を 医 療 機 関 に販 売 し た 場
合、卸は製薬企業と 再度仕 入価格の交渉を行い 、製薬企業がこれを下 げる ことで 卸の利益を補償した 。
平 成元年（ 1989 年 ）か ら始 ま った 日米 構 造協議に お いて 、医 薬 品取 引 にお ける 透 明性と公 平性 の 確
保 が求めら れ 、平 成３ 年 （ 1991 年 ）に は 公正 取 引委 員会 が「 流 通・ 取 引慣 行に 関 する独占 禁止 法 上
の指針」を公表し、再販売価格維持が疑われる行為として廃止された。

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