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経済財政運営と改革の基本方針2023 加速する新しい資本主義~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~(令和5年6月16日閣議決定) (44 ページ)

公開元URL https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/cabinet/honebuto/2023/decision0616.html
出典情報 経済財政運営と改革の基本方針2023(6/16)《内閣府》
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進するため、政府全体の司令塔機能の下で、総合的な戦略を作成する。医療保険財政の中
で、こうしたイノベーションを推進するため260、長期収載品261等の自己負担の在り方の見
直し、検討を進める。大麻に関する制度を見直し、大麻由来医薬品の利用等に向けた必要
な環境整備を行うほか、OTC医薬品・OTC検査薬の拡大に向けた検討等によるセルフ
メディケーションの推進、バイオシミラーの使用促進等、医療上の必要性を踏まえた後発
医薬品を始めとする医薬品の安定供給確保、後発医薬品の産業構造の見直し、プログラム
医療機器の実用化促進に向けた承認審査体制の強化を図る。また、総合的な認知症施策を
進める中で、認知症治療の研究開発を推進する。献血への理解を深める262とともに、血液
製剤263の国内自給、安定的な確保及び適正な使用の推進を図る。
急速な高齢化が見込まれる中で、医療機関の連携、介護サービス事業者の介護ロボット・
ICT機器導入や協働化・大規模化、保有資産の状況なども踏まえた経営状況の見える化
を推進した上で、賃上げや業務負担軽減が適切に図られるよう取り組む264。介護保険料の
上昇を抑えるため、利用者負担の一定以上所得の範囲の取扱いなどについて検討を行い、
年末までに結論を得る265。介護保険外サービスの利用促進に係る環境整備を図る。
医療介護分野における職業紹介について、関係機関が連携して、公的な職業紹介の機能
の強化に取り組むとともに、有料職業紹介事業の適正化に向けた指導監督や事例の周知を
行う。
次期診療報酬・介護報酬・障害福祉サービス等報酬の同時改定においては、物価高騰・
賃金上昇、経営の状況、支え手が減少する中での人材確保の必要性、患者・利用者負担・
保険料負担への影響を踏まえ、患者・利用者が必要なサービスが受けられるよう、必要な
対応を行う。その際、第5章2における「令和6年度予算編成に向けた考え方」266を踏ま
えつつ、持続可能な社会保障制度の構築に向けて、当面直面する地域包括ケアシステムの
更なる推進のための医療・介護・障害サービスの連携等の課題とともに、以上に掲げた医
療・介護分野の課題について効果的・効率的に対応する観点から検討を行う。
勤労者皆保険の実現、年齢や性別にかかわらず働き方に中立的な社会保障制度の構築に
向け、企業規模要件の撤廃など短時間労働者への被用者保険の適用拡大、常時5人以上を
使用する個人事業所の非適用業種の解消等について次期年金制度改正に向けて検討するほ
か、いわゆる「年収の壁」について、当面の対応として被用者が新たに106万円の壁を超え
ても手取りの逆転を生じさせない取組の支援などを本年中に決定した上で実行し、
さらに、
260

GDPに占める日本の医薬品等の支出は他の先進国よりも高い一方、世界の医療用医薬品の販売額における日本国内の販
売額のシェアは低下しており、こうした状況の中で国民負担の軽減とイノベーションの推進を両立する観点から、中長期的
な薬剤費の在り方の議論も含めて、取組を進める必要がある。
261
後発医薬品への置換えは数量ベースで約8割に達しようとしているが、金額ベースでは約4割と諸外国と比較しても低い
水準。
262
小中学校現場での献血推進活動を含む。
263
輸血用血液製剤及びグロブリン製剤、フィブリノゲン製剤等血漿分画製剤。
264
「介護職員の働く環境改善に向けた取組について」(令和4年12月23日全世代型社会保障構築本部決定)では、現場で働
く職員の残業の縮減や給与改善などを行うため、介護ロボット・ICT機器の導入や経営の見える化、事務手続や添付書類
の簡素化、行政手続の原則デジタル化等による経営改善や生産性の向上が必要であるとされており、取組を推進する。
265
「介護保険制度の見直しに関する意見」(令和4年12月20日社会保障審議会介護保険部会)では、利用者負担の一定以上
所得の判断基準のほか、1号保険料の在り方や多床室の室料負担について、2024年度から始まる次期介護保険事業計画に向
けて結論を得ることとされた。
266
第5章2②で引用されている骨太方針2021においては、社会保障関係費について、基盤強化期間における方針、経済・物
価動向等を踏まえ、その方針を継続することとされている。

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