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(資料5-2)「精神医療審査会について」(田村構成員提出資料) (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24234.html
出典情報 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(第6回 3/3)《厚生労働省》
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組みを本協会としても検討していくべきと思われる。加えて、医療委員等も含めた委員全
体に向けた質の向上につながる取り組みや研修も必要と思われる。
4.権利擁護機能を果たすために
本調査の分析結果から、1合議体の審査件数が少ない自治体の方が、審査件数の多い自
治体に比べ、審査会に関する研修等を実施している全国精神医療審査会連絡会に加入して
いることも明らかになった。書類審査の課題を認識し、積極的に全国精神医療審査会連絡
会に加入することによって改善がされている可能性があることがうかがえる。また、当該
自治体には問題意識があり、合議体の数を増やすなどして、1 合議体あたりの審査件数が
少ない状況になっていることが推察される。
本調査における入院者の権利擁護のための取り組み・工夫に関する自由記述の中には、
ハード面としての工夫や、審査前~審査後、及び審査以外の場面において、自治体によっ
ては入院者の権利擁護のために積極的な取り組みや体制づくりを行っている状況も多々確
認される。たとえば、電話ができない入院患者や郵送料の支払えない入院患者からの請求
の場合、医療機関を訪問し請求内容を聴取したりするなど、きめ細やかな対応を行ってい
る自治体もあった。また、任意入院者からの電話についても、病院に報告し、その後の経
過を確認するなど、審査会の業務の範疇以外のことについても入院患者の権利擁護の視点
から、何らかの働きかけを行っている自治体もあり、事務局の権利擁護の意識の高さを感
じる回答もあった。制度の見直しとあわせて、こうした他地域での工夫や取り組みを全国
的に共有し、審査会の質の向上をはかっていくことも重要と思われる。

Ⅴ.おわりに
本調査では、全国の精神医療審査会事務局に対してアンケート調査を行い、9割を超える
自治体の審査会事務局より協力を得、全国的な実態を把握することができた。調査を通じて、
自治体ごとでの合議体への負担、事前審査の有無、短期再請求への対応など、運営に大きな
差があることが、先行のプレ調査とあわせて改めて確認された。このことは、自治体間で精
神医療審査会の権利擁護機能にバラつきが起きている可能性が示唆される。また、現在の法
制度上では、審査会の権利擁護機能には限界があり、それが課題として認識されていること
も明らかになった。
一方で、事務局に精神保健福祉士が配置されることにより、審査期間の短縮化や審査マニ
ュアルの整備など、審査会の権利擁護機能が促進される可能性も確認された。各自治体の取
り組みの中には、審査会が権利擁護機能を発揮できるように、退院等請求者の訴えを丁寧に
聞いたり、病院に訪問したりするなどの積極的な工夫や取り組みもみられている。精神医療
審査会が「権利擁護の礎」としての機能を発揮するためには、精神保健福祉士が事務局とし
て配置されることはもちろんのこと、審査会委員の研修などの質の向上につながる取り組

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