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07【参考資料2】肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)作業チーム報告書 (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40343.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第25回 5/23)《厚生労働省》 |
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髄膜炎以外の侵襲性感染症(主として菌血症)については、血液培養を積極的
に行っている県では罹患率が高いため 1、実数より過尐見積もりされている可能
性がある。発熱で受診した乳幼児の約 0.2%に菌血症がみられたとの報告もある
3。
ii) 予後、後遺症
髄膜炎が治癒した場合でも、難聴、精神発達遅滞、四肢麻痺、てんかんなどの
重度の後遺症が残ることがある。抗菌療法の発達した現代においても肺炎球菌
性髄膜炎の予後に改善はみられず、治癒 88%、後遺症 10%、死亡 2%であった
と報告されている1。
iii) 保菌者の割合
小児では無症状のまま上咽頭に保菌している場合が多い。健診時の調査では、
3-4 ヶ月健診時で 17.3%, 6-7 ヶ月健診時で 27.5%, 9-10 ヶ月健診時で 36.2%, 18
ヶ月検診時で 47.8%が肺炎球菌の保菌者であったとの報告がある 4。この研究で
は、肺炎球菌の上咽頭保菌のリスク因子として兄弟(年長の兄弟 1 人の場合の
オッズ比 3.5 [95% CI:2.6-4.7], p<0.001; 2 人以上の場合のオッズ比 3.9 [95%
CI:2.8-5.3], p<0.001)、集団保育(12 ヶ月未満で保育開始した場合のオッズ比 3.5
[95% CI:2.4-5.1], p<0.001; 12 ヶ月以上で保育開始した場合のオッズ比 1.7 [95%
CI1.3-2.3], p<0.001)が示されている。一方、同居高齢者の存在は小児の上咽頭
保菌のリスク因子とはなっていない(オッズ比 1.1 [95% CI:0.81-1.4], p=0.445)。
上咽頭に存在する菌が何らかのきっかけで血液中に入った場合、菌血症から敗
血症や髄膜炎を起こす。また、直接進展すると肺炎などの下気道感染症や中耳
炎を起こす。
iv) 感染経路
ヒト‐ヒトの飛沫感染である。
③ 治療法
全身管理、抗菌薬投与(実際に臨床現場で投与されている抗菌薬の種類につい
ては文献 5 参照)。近年、β-ラクタム剤非感受性株の増加に伴い、治療困難な
症例が増加している。マクロライドは、耐性菌増加のため肺炎球菌感染症治療
薬としては使用されなくなっている。
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に行っている県では罹患率が高いため 1、実数より過尐見積もりされている可能
性がある。発熱で受診した乳幼児の約 0.2%に菌血症がみられたとの報告もある
3。
ii) 予後、後遺症
髄膜炎が治癒した場合でも、難聴、精神発達遅滞、四肢麻痺、てんかんなどの
重度の後遺症が残ることがある。抗菌療法の発達した現代においても肺炎球菌
性髄膜炎の予後に改善はみられず、治癒 88%、後遺症 10%、死亡 2%であった
と報告されている1。
iii) 保菌者の割合
小児では無症状のまま上咽頭に保菌している場合が多い。健診時の調査では、
3-4 ヶ月健診時で 17.3%, 6-7 ヶ月健診時で 27.5%, 9-10 ヶ月健診時で 36.2%, 18
ヶ月検診時で 47.8%が肺炎球菌の保菌者であったとの報告がある 4。この研究で
は、肺炎球菌の上咽頭保菌のリスク因子として兄弟(年長の兄弟 1 人の場合の
オッズ比 3.5 [95% CI:2.6-4.7], p<0.001; 2 人以上の場合のオッズ比 3.9 [95%
CI:2.8-5.3], p<0.001)、集団保育(12 ヶ月未満で保育開始した場合のオッズ比 3.5
[95% CI:2.4-5.1], p<0.001; 12 ヶ月以上で保育開始した場合のオッズ比 1.7 [95%
CI1.3-2.3], p<0.001)が示されている。一方、同居高齢者の存在は小児の上咽頭
保菌のリスク因子とはなっていない(オッズ比 1.1 [95% CI:0.81-1.4], p=0.445)。
上咽頭に存在する菌が何らかのきっかけで血液中に入った場合、菌血症から敗
血症や髄膜炎を起こす。また、直接進展すると肺炎などの下気道感染症や中耳
炎を起こす。
iv) 感染経路
ヒト‐ヒトの飛沫感染である。
③ 治療法
全身管理、抗菌薬投与(実際に臨床現場で投与されている抗菌薬の種類につい
ては文献 5 参照)。近年、β-ラクタム剤非感受性株の増加に伴い、治療困難な
症例が増加している。マクロライドは、耐性菌増加のため肺炎球菌感染症治療
薬としては使用されなくなっている。
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