よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


07【参考資料2】肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)作業チーム報告書 (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40343.html
出典情報 厚生科学審議会 予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会 ワクチン評価に関する小委員会(第25回 5/23)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

与や、時間外救急受診に関しても、7 価コンジュゲートワクチンと Hib ワクチン
が広く普及することにより、抗菌剤使用の削減、耐性菌の減尐、時間外救急受
診の減尐が期待されるなど、罹患者が減尐する以上の多くの効果が期待できる
ワクチンである。
(3)結論
本ワクチンは有効性、安全性にすぐれており、その効果も接種者のみならず
社会全体に渡り、効果的な医療および医療体制の維持にも有効に機能すると考
えられる。すでに導入した国においては、侵襲性肺炎球菌感染症の減尐により
不幸な転帰をとるこどもたちは激減している一方、我が国では依然として本疾
患とその後遺症に苦しむこどもは累積している。我が国の医療体制を治療から
予防へと転換させるためにも、速やかに定期接種として導入すべきである。
(4)導入に際しての課題
①侵襲性肺炎球菌感染症は 24 ヶ月未満の小児において最大となるが、実際には
5 歳まで、あるいはそれ以上の年齢児でも罹患は見られている。世界保健機関
(WHO)は、
「7 価コンジュゲートワクチンをはじめて導入する際には、最大限の
効果を迅速に発揮できるように、12-24 ヶ月児全員と肺炎球菌感染症のハイリス
クと考えられる 5 歳までの小児にキャッチアップ接種を考慮する」ことを勧奨
している。これまでワクチン歴の無い 2-5 歳児は依然として侵襲性肺炎球菌感
染症のリスクを等しく持つことから、我が国においても 5 歳までの全例キャッ
チアップを行うことが必要である。また実際の罹患年齢を勘案すれば、過去ワ
クチン歴のないこれ以上の年齢児あるいは機能的無脾症など肺炎球菌感染症の
ハイリスク・グループについてのキャッチアップについても検討が必要である。
②特に 12 ヶ月までの乳児は多くの感染症に関して脆弱であり、これらの感染症
から守るためには他種類のワクチン接種が求められる。すべての対象児が接種
機会を逃すことのないように、Hib、DTP などとの同時接種はきわめて重要であ
る。
③我が国におけるワクチン導入の効果を評価するためにも、侵襲性肺炎球菌感
染症のサーベイランスを継続的に行うことは必要不可欠である。
④海外では、7 価コンジュゲートワクチン導入により、このワクチンに含まれな
い血清型肺炎球菌による侵襲性感染の罹患率が増大している。わが国でも同様
の事態が懸念されるため、早急な 13 価コンジュゲートワクチンの開始が重要で
ある。

26