よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1 社会保障 (48 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20220411.html
出典情報 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/13)《財務省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

令和4年度診療報酬改定と効率的で質の高い医療提供体制の整備
(リフィル処方箋の導入)②

〇 我が国外来医療の実態として、世界有数の受診回数の一方で、長期にわたり処方内容に変更がない処方(「長期Do処方」)が多く行われており、薬をもらうためだけに医療機
関に出向き受診する、いわゆる「お薬受診」ないしそれに近い実態の受診の存在が指摘されている。
(注)Do処方の「Do」とは、繰り返しやコピーを意味する「ditto」に由来し、処方箋やカルテに記入する際に、「同じ」を意味する略語として使われる記号。

〇 「長期Do処方」に代表される、診療密度が薄く頻繁な外来受診こそが、待合室の混雑、待ち時間の長さ、その割に短い診療時間といった国民が日頃体験する我が国外来医療の
実態につながっており、頻回の受診による身体的・経済的負担と相俟って、患者の通院負担を重いものとし、利便性も損なわせてきた。
〇 これに対し、リフィル処方箋の導入により、患者は、医療機関に行かずとも、医師及び薬剤師の適切な連携のもと、一定期間内に処方箋を反復利用できるようになる。患者の通
院負担が軽減され、利便性が向上する効果は明らかであり、もとより国民の導入への期待は高いものがあった。感染防止の観点から不要不急の通院を避けたい事情が患者側に生
じている新型コロナ禍において、導入のニーズは高まっており、時宜を得た導入となった。
〇 リフィル処方箋の導入は、医師に時間的余裕が生まれることで医師の業務負担軽減・働き方改革に資するとともに、診療時間を相対的に長く確保できることで医療の質の向上も
期待できる。このように患者がメリットを享受する一方で、処方箋料や再診料の効率化を通じて国民負担(患者負担、保険料負担、公費負担)も軽減されるのであれば、効率的
で質の高い医療提供体制の整備の一環をなす取組として、大いに歓迎すべきことである。
〇 リフィル処方箋については、患者・国民目線からその積極的活用が図られるべきである。令和4年度診療報酬改定において見込まれた再診の効率化による医療費適正化効果を
着実に達成すべきことは当然である。患者の希望やニーズの充足を阻害する動きがないかといった運用面を含めたフォローアップ(注)を徹底するとともに、制度の普及促進に向
けて周知・広報を図るべきである。あわせて、積極的な取組を行う保険者を各種インセンティブ措置により評価していくべきである。
(注)患者の症状によってではなく医療機関としてリフィル処方に対応しない方針を掲げている事例や処方箋のリフィル可欄に患者への特段の説明や患者の同意がなく打消し線が入っている事
例等について、精査する必要がある。

◆長期Do処方患者の割合(延べ患者数ベース)

◆長期Do処方患者の年間受診回数の分布

◆リフィル処方せんに関するアンケート
あなたは、リフィル処方せんを導
入することに対してどのように思いま
すか。

(健保組合レセプトから各年10月~翌年9月の状況を集計)

n: 1,008,217
月に1回以上受診した延べ患者数の割合:37.5%

(n=1000)

反対

所 どちらかといえば 4.2%

賛成

反対

15.4%

◆長期Do処方患者の疾患の傾向
(健保組合レセプトの2016年10月~2018年9月データから分析)

41.4%

n: 455,390



月に1回以上受診した延べ患者数の割合:約7.2%

32.2%

48.2%
どちらかといえば
賛成
(出所)日本医療政策機構
「2017年日本の医療に関する世論調査」

「長期Do処方」…同じ処方内容が180日間以上継続するケース

出典:健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査分析Ⅳ、Ⅴ」

47