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資料1 社会保障 (59 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20220411.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/13)《財務省》 |
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薬剤費の適正化⑤(新規医薬品の薬価算定の透明化・厳格化)
〇 新規医薬品の薬価算定については、真にイノベーションの推進に資するものとなっているか不断の検証が必要である。薬価算定組織の議事録の公開や原価計算方式における製造原価の
開示度向上などの取組が進んでいるが、更なる見直しを進めていかねばならない。
〇 具体的には、新規性に乏しい新薬について類似薬効比較方式を採用する時の薬価算定の厳格化、原価計算方式の更なる適正化、補正加算の在り方の見直しを行うべきである。
〇 新規性に乏しい新薬である類似薬効比較方式(Ⅱ)については、後発品上市後に改めて高値の新薬が収載されることは適切ではなく、「類似薬の薬価」と比較して薬価を定める際に、類
似薬に後発品が上市されている場合はその価格を勘案して定めることとすべきである。
〇 原価計算方式における営業利益については、製造業平均の営業利益が3%台(法人企業統計)にとどまる中、上場製薬企業の平成29年~令和元年(2017年~2019年)の平
均営業利益率である15.5%と高い水準を上乗せする仕組みとなっている。当該営業利益には過去の補正加算により引き上げられた利益も含まれていることを踏まえると、重畳的な加算に
なっているとも言え、薬価に反映する営業利益の水準について適正化すべきである。補正加算について、そもそも新規性が認められる医薬品である以上は満たしているべきと考えられる要件に
ついて、要件を充足すれば加算が認められる仕組みになっている。このことを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)における「製剤における工夫」などによる加算を除外するなど要件の重点化を行うべきで
ある。同時に、類似薬がない場合の原価計算方式において、新規性が認められる要件を充足しない場合は減算するなどの仕組みを導入すべきである。
◆類似薬効比較方式Ⅱの説明(薬価算定の基準について令和3年2月10日中医協)
第1章 定義 21 類似薬効比較方式(Ⅱ)
類似薬効比較方式(Ⅱ)とは、新規性に乏しい新薬の主たる効能及び効果に係る薬理作用類似
薬を比較薬とし、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に規定する額を新薬の薬価とする算定方
式をいう。
※薬理作用類似薬からは後発医薬品は除かれる。
◆類似薬効比較方式Ⅱの適用例
(プロトンポンプ阻害薬の主な医薬品)
◆原価計算方式における営業利益と補正加算の関係
薬価算定時には、過去の平均的な営業利益による上乗せに加え、
5~120%の範囲で補正加算がなされる。概念上、加算された薬価に
よる売上は上昇し、営業利益が過去の水準より上昇することとなる。
1992年収載 A錠 90.8円
薬価
1997年収載 B錠 72.7円
補正加算
後発品が収載
×5~120%
2009年収載 C錠 40.2円 等
(A錠の後発品)
2010年収載 D錠 39.8円
E錠 26.8円 等
(B錠の後発品)
後発品のない先発品として
類似薬効比較方式Ⅱで収載
2011年収載 F錠 108.9円
(B錠を類似薬とする新薬)
2015年収載 G錠 187.5円
※価格は2021年度、胃潰瘍の通常1日あたりの薬価
売上
営業利益
費用
営業利益
(15.5%)
製品
製造原価
研究開発費等
(一般管理販売費)
流通経費
消費税
◆新規医薬品の補正加算の内容
画期性加算(70~120%)
次の要件を全て満たす新規収載品
イ 臨床上有用な新規の作用機序を有すること。
ロ 類似薬又は既存治療に比して、高い有効性又は安全性を有する
ことが、客観的に示されていること。
ハ 当該新規収載品により、当該新規収載品の対象となる疾病又は
負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること。
有用性加算(Ⅰ)(35~60%)
画期性加算の3要件のうち2つの要件を満たす新規収載品
有用性加算(Ⅱ)(5~30%)
次のいずれかの要件を満たす新規収載品
臨床上有用な新規の作用機序を有すること。
類似薬又は既存治療に比して、高い有効性又は安全性を有する
ことが、客観的に示されていること。
ハ 当該新規収載品により、当該新規収載品の対象となる疾病又は
負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること。
ニ 製剤における工夫により、類似薬又は既存治療に比して、高い
医療上の有用性を有することが、客観的に示されていること。
イ
ロ
a 投与時の侵襲性が著しく軽減される
b 投与の簡便性が著しく向上する
c 特に安定した血中薬物濃度が得られる
d 上記のほか、特に高い医療上の有用性があると薬価算定組織が認める
※それぞれ5%の加算
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〇 新規医薬品の薬価算定については、真にイノベーションの推進に資するものとなっているか不断の検証が必要である。薬価算定組織の議事録の公開や原価計算方式における製造原価の
開示度向上などの取組が進んでいるが、更なる見直しを進めていかねばならない。
〇 具体的には、新規性に乏しい新薬について類似薬効比較方式を採用する時の薬価算定の厳格化、原価計算方式の更なる適正化、補正加算の在り方の見直しを行うべきである。
〇 新規性に乏しい新薬である類似薬効比較方式(Ⅱ)については、後発品上市後に改めて高値の新薬が収載されることは適切ではなく、「類似薬の薬価」と比較して薬価を定める際に、類
似薬に後発品が上市されている場合はその価格を勘案して定めることとすべきである。
〇 原価計算方式における営業利益については、製造業平均の営業利益が3%台(法人企業統計)にとどまる中、上場製薬企業の平成29年~令和元年(2017年~2019年)の平
均営業利益率である15.5%と高い水準を上乗せする仕組みとなっている。当該営業利益には過去の補正加算により引き上げられた利益も含まれていることを踏まえると、重畳的な加算に
なっているとも言え、薬価に反映する営業利益の水準について適正化すべきである。補正加算について、そもそも新規性が認められる医薬品である以上は満たしているべきと考えられる要件に
ついて、要件を充足すれば加算が認められる仕組みになっている。このことを踏まえ、有用性加算(Ⅱ)における「製剤における工夫」などによる加算を除外するなど要件の重点化を行うべきで
ある。同時に、類似薬がない場合の原価計算方式において、新規性が認められる要件を充足しない場合は減算するなどの仕組みを導入すべきである。
◆類似薬効比較方式Ⅱの説明(薬価算定の基準について令和3年2月10日中医協)
第1章 定義 21 類似薬効比較方式(Ⅱ)
類似薬効比較方式(Ⅱ)とは、新規性に乏しい新薬の主たる効能及び効果に係る薬理作用類似
薬を比較薬とし、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に規定する額を新薬の薬価とする算定方
式をいう。
※薬理作用類似薬からは後発医薬品は除かれる。
◆類似薬効比較方式Ⅱの適用例
(プロトンポンプ阻害薬の主な医薬品)
◆原価計算方式における営業利益と補正加算の関係
薬価算定時には、過去の平均的な営業利益による上乗せに加え、
5~120%の範囲で補正加算がなされる。概念上、加算された薬価に
よる売上は上昇し、営業利益が過去の水準より上昇することとなる。
1992年収載 A錠 90.8円
薬価
1997年収載 B錠 72.7円
補正加算
後発品が収載
×5~120%
2009年収載 C錠 40.2円 等
(A錠の後発品)
2010年収載 D錠 39.8円
E錠 26.8円 等
(B錠の後発品)
後発品のない先発品として
類似薬効比較方式Ⅱで収載
2011年収載 F錠 108.9円
(B錠を類似薬とする新薬)
2015年収載 G錠 187.5円
※価格は2021年度、胃潰瘍の通常1日あたりの薬価
売上
営業利益
費用
営業利益
(15.5%)
製品
製造原価
研究開発費等
(一般管理販売費)
流通経費
消費税
◆新規医薬品の補正加算の内容
画期性加算(70~120%)
次の要件を全て満たす新規収載品
イ 臨床上有用な新規の作用機序を有すること。
ロ 類似薬又は既存治療に比して、高い有効性又は安全性を有する
ことが、客観的に示されていること。
ハ 当該新規収載品により、当該新規収載品の対象となる疾病又は
負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること。
有用性加算(Ⅰ)(35~60%)
画期性加算の3要件のうち2つの要件を満たす新規収載品
有用性加算(Ⅱ)(5~30%)
次のいずれかの要件を満たす新規収載品
臨床上有用な新規の作用機序を有すること。
類似薬又は既存治療に比して、高い有効性又は安全性を有する
ことが、客観的に示されていること。
ハ 当該新規収載品により、当該新規収載品の対象となる疾病又は
負傷の治療方法の改善が客観的に示されていること。
ニ 製剤における工夫により、類似薬又は既存治療に比して、高い
医療上の有用性を有することが、客観的に示されていること。
イ
ロ
a 投与時の侵襲性が著しく軽減される
b 投与の簡便性が著しく向上する
c 特に安定した血中薬物濃度が得られる
d 上記のほか、特に高い医療上の有用性があると薬価算定組織が認める
※それぞれ5%の加算
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