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資料1 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に向けた検討状況について(報告) (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40616.html
出典情報 社会保障審議会 医療部会(第108回 6/7)《厚生労働省》
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令和6年5月24日「第5回 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会」における主な意見①
【かかりつけ医機能報告の報告内容】
(1号機能 「継続的な医療を要する者に対する発生頻度が高い疾患に係る診療その他の日常的な診療を総合的かつ継続的に行う機能」)
・現在の医療提供体制や外来診療を見ないと、現場に大きな混乱を招く。現在の外来は、自分の専門性をもって開業しているのが一般的で、専門性を維持しつつ、診
療の幅を少しずつ自己研鑽や研修で広げていって診療している。それらの医療機関の外来診療、在宅医療、地域医療への貢献、公衆衛生等があって、それらを組み
合わせて地域の医療提供体制になっている。かかりつけ医機能は、多くの医療機関が参画でき、地域を面で支えて医療が提供できることが重要。患者と医療者の信
頼関係が瓦解する制度設計になると、医療現場に大きな混乱が生じて問題が大きい。
・今後85歳以上の高齢者が増加するので、かかりつけ医機能に参加する医療機関が重要になる。他方、医師の高齢化が進んでおり、多くの医療圏で開業医が減って
いく。1号機能を厳格にしすぎると、結果的にかかりつけ医機能の議論が進まなくなる。かかりつけ医機能に参画する意向のある医療機関はできるだけ全て参画でき
るようにすることが重要。その上で、協議の場で、地域で足りない機能や、自院で担うことができる機能を考えながら、充実させていくことが重要。
・診療領域か症状かについて、診療領域では、患者がどの医療機関にかかればよいか判断できない場合がある。症状なら、自分の症状ならどこの医療機関に診てもら
えるかが理解できるようになるため、対応できる症状を報告することとすべき。症状によっては領域が複数にわたり、レベルによって一次診療が可能かが変わってくる
ので、患者の相談に応じるかどうかが患者視点では一番分かりやすい。
・診療科は標榜されているので、標榜されている診療科以外に、このような症状も診られるということを明らかにした方が、患者にとってプラスになる。
・かかりつけ医機能報告は、患者の適切な医療機関の選択に資することが最大の目的。保険者の立場としては、どの医療機関がどんな症状に対応できるかが明確に
なれば、加入者に分かりやすい情報発信ができ、患者が医療機関を選ぶ際にも効果的。一定以上の症状に対して一次診療を行うことができることを報告する案1が
一番望ましい。症状の報告は難しいという意見もあるが、臨床研修の必修項目で頻度の高い症状の報告は可能ではないか。案2の別案のいずれかの症状だと、総合
的な診療が担保されるのか疑問。案3は、どんな症状に対応するか分からないと、報告の目的が果たせない。
・全世代型社会保障構築会議の報告書にも、日常的に高い頻度で発生する疾患・症状に幅広く対応することが書かれており、案1のように、一定以上の症状に対して
診療を行うことができることを要件とするのが理にかなっている。案3のように診療領域や症状の報告もないのでは、何のためのかかりつけ医機能報告なのか分から
ない。民間のアプリが症状で医療機関検索を行っている。かかりつけ医機能報告で、何らかの形で症状の報告を求めることが必須。

・かかりつけ医機能の役割に期待されるのは、病院や救急車の疲弊軽減と患者のQOLの向上。患者の医療機関の選択のため、報告は患者に分かりやすいことが重要。
診療領域を出すのでは現状と変わらない。患者には、症状の方が分かりやすい。一次診療で全部診てほしいということではなく、実際に診療して難しい場合もある。患
者からは、相談したらきちんと対応してくれて、診療して別の医療機関への引き継ぎも含めて責任感がある、信頼できることが最も大切。患者側の医療教育も重要。
・現場を預かる立場として、症状で区切るのは分かりやすいようで現場ではそうではない。症状は主観的に受診者が訴えるもので、文化的、地域的なものがあり、症状
で話を聞くが、実際は異なることがある。症状よりも、診療科を示す方が分かりやすいのではないか。かかりつけ医は、身近にいて信頼できて相談しやすく知識をもっ
た医師を患者が選ぶもの。1号機能はあまり絞るべきではなく、患者が1号機能の報告によりそれぞれの医療機関のできることを見て、医療機関を選ぶことが重要。
・症状から考えられる疾患は多岐にわたる。症状に対して、どれだけ対応できるか、一次対応でも初期対応でも、どの程度までできるのかは、医療機関にとって非常に
判断が難しく、これによって手挙げがしにくくなることを考えると、将来変えていくことは考えられるが、初期においては、診療領域の報告がよい。

・35の症候を示すことは混乱を招くのではないか。患者が受診する際には複数の症状があり、背景には様々な原疾患があるので、一歩先で混乱していく可能性がある。
どんな専門性をもっているのかや、相談しやすいという部分を明らかにした方がいいのではないか。
・一次診療と患者からの相談対応に分けたのは大変よい。患者がかかりつけ医を選ぶにあたり、幅広さと同時に、医師の専門性で判断されており、一次診療は、診療
領域で示す方が分かりやすいのではないか。患者からの相談対応は、患者が自分の症状で困ったときに検索するということで、症状でよいのではないか。
・案1の症候は医師免許を持つ全員が一定の判断をしなければいけない内容であるところ、特にしっかり診られる症候を挙げていただき、一方で、それ以外の症候を患
者が相談できなくなることを防ぐため、案1と案2をバランスよく混ぜて、両方記載すべき。

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