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【資料1-2-1】情報収集・分析に関するガイドライン[806KB] (30 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41225.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第87回 7/17)《厚生労働省》
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参考

方、ブレイクスルー感染も認められ、感染予防効果については完全ではなく、
現状では接種後も引き続き基本的な感染対策を継続することが必要である。施
設や医療機関における感染伝播においては、陽性者を含む集団における「幅広
の検査」を中心とした陽性者の検出と全体のリスク評価、適切な感染管理上の
指導による段階的封じ込め、ワクチン接種歴等の情報に基づく未接種者の早期
検出と隔離が対応の中心となる。新型コロナ
ワクチンの接種が完了している者についても、原則として、現時点では、従
来どおりの対応(例:濃厚接触者となった場合の外出自粛要請)とする。
○新型コロナウイルス感染症におけるクラスター対策の概念
新型コロナウイルス感染症が国内で確認されて以降、実際に各地で行われて
きたクラスター対策は、感染源の推定(後ろ向き積極的疫学調査)及び感染者
の濃厚接触者の把握(前向き積極的疫学調査)並びに濃厚接触者の適切な管理
(行動制限等)という、これまでにわが国の感染症対策の中で確立されている
接触者調査を中心としている。クラスターの発端が明確で、かつ濃厚接触者の
リストアップが適切であれば、既に囲い込まれた範囲で次の感染が発生するた
め、それ以上のクラスターの連鎖には至らないとされている。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症を引き起こす SARS-CoV-2 は、若
年の年齢層においては特に、無症状や軽症の感染を多く引き起こすことが分か
ってきた。このことは、見えにくいクラスターの発生が潜在的かつ広範に起こ
りやすいこと、また、それらの見えにくい感染の伝播が、高齢者などの高リス
ク群へと移行した時には、同時期かつ大規模に集団発生が起こり、かつ重症者
が多発する危険性を秘めている点で、公衆衛生そして医療への大きな脅威にな
りうると考えられている。このような、大規模かつ重症者が多発しかねない集
団発生は、地域レベル、都市レベルで発生することから、地域や都市の保健所
~自治体単位で常より準備し、この感染症の動向を良く分析し、対峙していく
ことが重要である。
一方で、患者発生(特に重症者)が地域の医療体制を揺るがすほどの規模で
発生する、あるいは発生が予期される場合には、強力に地域の社会活動を停止
させ、ヒトーヒト感染の経路を絶つ、すなわち Social distancing を実施する
施策が社会全体で行われることがある。そのような施策を実施している状況下
では、感染経路を大きく絶つ対策が行われているため、個々の対応を丁寧に行
うクラスター対策は大きな効果を発揮しなくなる場合がある。こうした状況下
では、対象の優先度を考慮し、いわゆる重点化など、効率的に積極的疫学調査
を行うことが多い。
なお、ワクチン接種が進む状況下において、クラスター化、特に地域や、ひ
いては国全体に脅威となるクラスターを形成する可能性を強く警戒しなけれ

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