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資料3-1   中期目標期間実績評価説明資料 (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42034.html
出典情報 独立行政法人評価に関する有識者会議 労働WG(第56回 8/1)《厚生労働省》
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評定の根拠








「アスベスト」テーマにおけるアスベス
ト疾患の鑑別診断に有効な診断マーカー
の開発

労災補償の対象疾患である良性石綿胸水(BAPE)は診断基準が確立されておらず、他疾患との区別、診
断が困難な症例がある。今回の研究により、他の疾患の胸水と比較し、BAPEの胸水にSLPIが有意に低い
という結果が得られた。これにより、特に重要とされてきたBAPEと初期MPMの鑑別が容易となり、その
後の迅速な治療及び労災認定に係る時間短縮に繋がる可能性がある。

「じん肺」テーマにおけるじん肺合併症
(続発性気管支炎)の判定に係る新たな
測定方法の開発

じん肺の合併症である続発性気管支炎の労災認定基準において、痰の量、性状等が一つの基準とされ
ているところであるが、膿性であるかについては目視による定性検査であり、客観性に乏しく、定量性
に欠けると学会などで長年に渡り指摘されていた。この点、労災病院において長年蓄積してきたじん肺
診断等の実績を活かし、数値として判断ができないか研究を実施。その結果、「痰に含まれる好中球エ
ラスターゼが、膿性痰の鑑別に当たり客観的指標となる可能性」を明らかにした。

「勤労世代肝疾患」テーマにおけるC型
慢性肝炎に対するIFNフリー治療の意義と
治療後の肝発がんや関連因子の検討

勤労世代でもIFNフリー治療が従来治療と同等に有効であること、また注意すべき発癌のリスク因子
を明らかにした。IFNフリー治療は勤労者のQOLを改善するものであり、C型肝炎患者の療養・就労両立
支援の更なる促進が期待される。

「メンタルヘルス」テーマにおける職場
におけるメンタルヘルス不調の予測因子
の検討

日本において初めて一般労働者における客観的認知機能と労働生産性の関係を調査した研究であり、
ICTを活用した調査により客観的認知機能評価と労働生産性(プレゼンティーズム)の関連を確認した。
今後、客観的認知機能評価の活用により、職場復帰支援や労働者のメンタルヘルス状況の把握の促進が
期待される。

「メタボローム」テーマにおける研究成
果及び普及活動

「血漿メタボローム解析による過労死等関連生化学的指標の確立」においては、研究成果として過労
による心血管疾患リスクの上昇を検出するためバイオマーカーに関する論文がInternational Journal
of Molecular Sciences(2024, 25, 6674.)に掲載された。また、「早期慢性膵炎の疾患概念の研究と
新規診断法の開発」においては、研究成果として早期慢性膵炎の疾患概念の確立及び早期慢性膵炎の診
断用バイオマーカーの発見があり論文投稿準備中であり、いずれも労災病院グループだけでなく複数の
大学との多施設共同研究を行い社会的意義の高い結果が得られている。

令和5年度における新規4テーマ研究開
発計画書作成及び研究開始

職業性疾病等の原因と診断・治療領域として「脊柱靭帯骨化症」、労働者の健康支援領域として「妊
娠時の食・生活習慣」、労災保険給付に係る決定等の迅速・適正化領域として「アスベスト」及び「じ
ん肺」の4テーマについて、業績評価委員会医学研究評価部会において研究開発計画書の事前評価を受
け承認された。労災病院グループだけでなく、大阪大学、広島大学、神戸大学、川崎医科大学、北海道
大学等による多施設共同研究であり、その他労災指定医療機関等とも連携体制の構築を図り研究を開始
した。

研究成果の普及等

これまでの研究で得られた知見について、令和元年度から令和5年度までに英文論文11件を発表し、
産業医学、臨床医学分野の学術雑誌に掲載されるとともに、メディア等へ49件掲載されるなど積極的な
普及に取り組んだ。