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参考資料2:総薬力の向上により国民に最新の医薬品を迅速に届けるための構想会議中間とりまとめ (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43236.html
出典情報 厚生科学審議会 臨床研究部会(第36回 9/4)《厚生労働省》
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各論
1.創薬力の強化
(創薬力とは何か)
○ 創薬力は、基礎研究、応用研究から非臨床試験 4、臨床研究に至るまで、その国
の幅広い研究開発能力が試される。また、特に新規モダリティについては研究開
発実施の際の候補物質や治験薬の製造能力も重要となってくる。これらのみなら
ず、ある程度経済力があり、公的医療保障制度が整備された国でなければ新薬
が使われにくいし、高い能力の審査機関が必要、という意味で社会制度や規制の
影響も無視できない。国全体として複数の専門性にまたがる人材が必要であるし、
民間も、研究初期から上市まで支援・実施できる幅広い関連産業の存在も不可
欠。いわば、創薬力は国としての総合力が試される分野である。 5, 6
(創薬力強化の課題分析の必要性)
○ このように、創薬力にはこれらの要素すべてが揃う必要があり、これが世界の中
でわずかな国でしか創薬ができていない理由と考えられる。研究は世界で幅広く
行われているが、開発拠点は世界に多くは存在していない。 7日本の優位性が低
下している現状に鑑み、今、日本の創薬力強化のために、どこに課題があり、どう
対応すべきか、各要素に分解した上でそれを再構築する議論が必要である。
(創薬のパラダイムシフトにより起きてきた課題)
○ 今起きている問題は、遺伝子レベルの研究を基礎として、バイオ医薬品、再生・細
胞医療・遺伝子治療や AI 創薬・ゲノム創薬や計算科学等の他分野との融合など
の従来の医薬品開発と全く異なる技術(新規モダリティ)による開発が主流になっ
てきたことが強く影響している。これを踏まえ、創薬の長いプロセスのどこで目詰
まりが生じ、なぜ患者に恩恵が届かないのか、当構想会議として議論を重ねた。

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人における臨床研究の前に安全性を確保するために行われるため前臨床試験と呼ばれてきたが、現在で
は非臨床試験と呼ぶことが一般的であり、以後本報告書においても非臨床試験と表記する。
5
人に投与するためには、まず安全性を確認するための非臨床研究(動物等を使った安全性試験等)
、最
初の人への投与(First In Human=FIH)
、その後の実際の患者への大規模臨床試験、などのステップを踏
み、かつそのデータで国の審査を受ける。
6
米国は公的医療保障制度が全国民を対象としていない例外的な国だが、民間保険が発達しており、それ
ゆえに高額の薬剤も研究を進めやすい環境にある。
7
◎成功している各国の創薬エコシステムには、1)世界的水準のアカデミアの集約、2)高度な臨床開
発を支援する医療機関・制度、3)豊富なリスクマネー、4)人材・知見の集積交流コミュニティ、5)
海外リソースの活用の5つの共通項が存在し、我が国においても領域特化や優秀人材の派遣・招聘といっ
た他国の取る戦略から学ぶべき。
(柳本参考人)

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