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09 研究振興局主要事項 -令和7年度科学技術関係概算要求- (14 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/a_menu/yosan/r01/1420668_00002.html
出典情報 令和7年度文部科学省 概算要求等の発表資料一覧(8/29)《文部科学省》
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Fundamental Quantum Science Program
- 量子論の深化で紡ぐ物質・生命・宇宙の動態 -

令和7年度要求・要望額

22億円
(新規)
※運営費交付金中の推計額

背景・課題
世界中で量子技術を活用した研究開発が激化する一方、量子の基礎的理解が圧倒的に不足し、将来の研究開発の停滞が懸念されている。
量子物理学は、素粒子・原子・天体・宇宙に至るまで各階層に適用され、それぞれの階層での理解は進んだが、現状では量子は短時間、少数、
限られた環境でしか扱えないなど課題も多く、量子コンピュータの実用化等に向けて、量子を能動的に制御するための基礎学理の探究が必要。
原子核物理学は、広い分野と現代物理学の基本概念が集約された学問であり、量子物理学を広い階層で活用するために重要な役割を果たす。
【量子産業の創出・発展に向けた推進方策(令和6年4月量子技術イノベーション会議決定)】 量子科学技術を幅広く応用するためには、未解明な学理に対する理解を深め、量子系の
能動的制御を可能にすることが必要であり、広い意味での核物理、光・レーザ、情報学、数学等の科学の理解が極めて重要。

事業概要
理化学研究所が、世界に先駆けて量子の基礎学理を探求し、2030年代に日本が量子技術で世界をリードすることを目指す。
階層を超える量子ダイナミクスの普遍的法則の解明のため、原子核物理学を起点とし物性科学、生命科学等の分野で理論・実験・計算・データ
科学を融合し、量子を研究する「マルチスケール量子ダイナミクス研究」を創出する。
文部科学省有識者会議(※)の中間報告を踏まえ、米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)に大型原子核研究プロジェクト(EIC計画)に
参画する拠点を整備し、EIC計画を推進するとともに、EIC計画を活用してFQSPの成果最大化を目指す。

※ EIC計画及びこれに関連する原子核物理学の新たな展開に関する有識者会議(令和6年5月1日研究振興局長決定)

【実施内容】 ヘッドクォーターの指揮の下、EIC計画を活用して4つのテーマを実施する。
ヘッドクォーター(各テーマの連携、統合、マネジメント)

階層や分野が異なるテーマを理論研究でつなぎ事業全体を統括。国際頭脳循環ハブを構築

① 量子強靱化研究(時間制御)

量子もつれ状態を保持する「強靱な量子性」発現の基本原理解明に向けた研究を実施

Fundamental Quantum Science Program(FQSP) 全体像

TRIPの枠組活用(データ、数理AI、計算資源開発等)
②量子多体系の創発
ダイナミクス(多数化)
実験

② 量子多体系の創発ダイナミクス研究(多数化)

量子が多数集まった時に初めて発現する現象や機能の基本原理解明に向けた研究を実施

③ 量子開放系の非平衡現象研究(多様な環境)

多様な環境下にある量子ダイナミクスの解明に向けた研究を実施

④ 量子極限計測研究(精密測定)

精密な測定に資する量子極限計測の原理構築

⑤ EIC計画の推進

米国BNLにEIC拠点を整備し、EIC日本グループ支援や測定器整備などを実施

③量子開放
系の非平
衡現象
(多様な
環境)

実験

理論

①量子強靭化
(時間制御)

ヘッドクォーター

理論

テーマを統括しテーマ
間の連携を図る
国際頭脳循環
理論
ハブの構築

理論

4つの研究テーマ

米国BNL
EIC計画

実験

④量子極限計測
(精密測定)
実験

異なる階層を俯瞰し、共通の原理と差異を
見渡すことで新しい視点で研究を展開
量子技術開発を支える基礎学理を探求する

・EIC計画の推進
(EIC拠点の整備)
・理論と実験の両面
で双方向連携・協力

(担当:研究振興局基礎・基盤研究課素粒子・原子核研究推進室)
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