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令和3年度老健事業「介護経営の大規模化・協働化に関する調査研究事業」 (11 ページ)

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出典情報 介護施設・事業所の協働化・大規模化(9/19)《厚生労働省》
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大規模化

社会福祉法人
お話をうかがった方

1

九十九里ホーム

理事長

井上 峰夫 様

(インタビュー実施日:2021年12月24日)

大 規 模 化に至った経 緯や契機

⿟事業が始まったのは1935年。結核の保養所から始まり、結核療養所となったが、当時は結核予防法も社会福祉事
業法もなかったため、創始者の私財をあてにして運営していた。その後、結核予防法が施行され、国も結核対策に注
力を開始、同法による補助金などで規模を拡大していった。結核収束後は、結核から一般病院へ転換、創立当初は
法人格無しであったが、財団法人となり、社会福祉事業法施行にあわせ社会福祉法人となった。
⿟当時は、自治体病院も十分に整備されていなかったため、
( 九十九里ホームで)地域医療の広範囲をカバーしてい
た。1977年には特別養護老人ホーム
(以下「特養」という。)
を設立。設立時は措置制度ということもあり、病院から
特養へ移りたいという希望も多かったが、手続きが簡単ではなくスムーズな移行は難しかった。
⿟老健施設も設立しリハビリを開始すると、さらに利用者が増加した。また、高齢者については老健施設で対応できる
が、若い人の受け皿がなかったため、障害者施設も設立することとなった。
⿟そのほか、隣町にサービス事業所がなく、土地を提供するという条件で施設の運営を依頼され新たな施設を設立、
その話を聞いた別の町からも依頼を受け特別養護老人ホームを設立、老健施設を運営していた医療法人からの依
頼により施設運営を引き受けるなど、外部から話を受けて開始したものもある。また、法人の隣にあった幼稚園から
少子化の影響で運営が難しいという話を受け、行政に相談したところ、こども園という形であれば認定するとのこと
で、
こども園を設立した。
⿟いずれも、事業計画に基づいて規模拡大を進めていたのではなく、時々の地域ニーズに応じて様々取り組むこと
で、結果的に施設規模の拡大につながっていたという形である。
⿟近年は市のCCRC事業(Continuing Care Retirement Community:高齢者が健康なうちから居住し、必要に
応じて介護や医療を受け、人生の最後までを過ごせる生活共同体)
として、駅そばの地域交流センターなども含め
一体的な取り組みを進めている。

2

大 規 模 化 の 取 組とその成果

⿟最初からこのような事業拡大を想定していたのではなく、病院の運営を考えるとベッドの回転を高めることが必要
だが退院の行先がない、そのために誰もが困らないように受け入れ先もつくろう、
という流れ。その時ごとに、どうす
れば誰も困らないようにできるかという問題を解決していった結果、現状につながった。
⿟大規模化にあたっては、役員(弁護士、司法書士、税理士など)
と普段から相談しつつ、アドバイスを受けて進めている。
⿟行政からの新規特養設立の依頼があった際は、行政側が建築上の手続きについてもしっかりフォローしてくれた。
また、地元自治体がバックについていたこともあって、地元住民の理解も得られ、設立まで非常にスムーズに進ん
だ。
⿟なによりも、利用者にも職員にも混乱を与えず引き受けられたことが良かったと思う。

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