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令和3年度老健事業「介護経営の大規模化・協働化に関する調査研究事業」 (8 ページ)

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出典情報 介護施設・事業所の協働化・大規模化(9/19)《厚生労働省》
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大規模化

社会福祉法人
お話をうかがった方

1

小田原福祉会

理事長

時田 佳代子 様 (インタビュー実施日:2021年10月22日)

事 業 展 開に至った経 緯や契機

⿟事業展開は自治体の介護保険事業計画に沿って計画を策定している。地域内社会資源の整備状況や、今後の高齢
者の暮らしを支える手段として保険外事業等も視野に入れて対応をしている。
⿟用地取得については前理事長の人脈・ネットワークにより、地元の不動産業者からの用地活用の提案がある時に、事
業計画を練ったうえで対応している。
⿟地域特性として、特養を設置している法人は特養の経営、特養内にデイサービスやショートステイを設置し、それら
の経営に注力している所が多い。当法人は自治体との協働体制や地域とのつながりを作っていったのが大きい。一
方、地域内の他の法人との協働化や合併ということはなく、基本的には新規で広げていくというスタンスである。

2

事 業 展 開 の 取 組とその成果

⿟自治体介護保険事業計画の公募にエントリー、採択され小多機、地域密着型特養を設置、さらに地域包括支援セン
ター開設の依頼があり設置を行った。自治体(市)
によって開設に至るまでの進め方が異なり、戸惑うことがあった。
⿟小多機は、複合型施設として在宅支援クリニック、サ付き、郵便局を併設整備した。同時期に市内の別の地域で用
地活用の提案があり、特養に併設されていた通所介護事業所を外に移転する案を検討、併せて地域包括支援セン
ターの分割案にも応じることとし、こちらも複合型施設として通所介護事業、地域包括支援センター、在宅支援クリ
ニック、サ付きを併設整備した。複合的に展開するのはリスクが分散されて経営的に安定すると考えているためで
ある。
⿟これら事業展開は、圏域の社会資源の充足状況や生活の利便性が乏しいことから地域内高齢者への支援拡充は必
須であると判断したこと、自治体から公的施設の跡地を活用した施設整備が提案されたこと等から整備に至った。
⿟南足柄市に整備した事業所は、地域社会との密接な関係作りが出来上がっており、災害時の連携協定や、地域行事
への積極的な関わりなどを通じて、地域内にその存在が広く周知されている。昨年度は近隣の公衆トイレ撤収を契
機に、施設内の「みんなのトイレ」が公衆トイレとして位置づけられ、地域住民に利用されている。
⿟小多機と地域密着型特養を併設したことのメリットは非常に大きかった。特養は大規模化の方が一般的には経営の
効率性が高く、県内でも地域密着型特養は少ない。しかしながら、地域密着型特養は当方の広域型特養とは比較に
ならないくらいご家族の訪問頻度が多い。
1日三回食事介助、毎日のように面会や外出に連れ出す人等、家族と利
用者の関係性が途切れず、地域密着型サービスはこうあるべきと感じた。小多機で利用者の在宅生活を出来る限り
サポートし、あるタイミングで特養に移っていただく、複合的であることに非常にメリットを感じている。建物の構造
としても、入り口が広いホールになっており、自治体がそこで健康体操を開催する等、地域の中の社会資源として住
民の暮らしに溶け込んでいかれる場であるのは理想的な形だと思う。

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2022/04/13

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