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令和3年度老健事業「介護経営の大規模化・協働化に関する調査研究事業」 (15 ページ)

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出典情報 介護施設・事業所の協働化・大規模化(9/19)《厚生労働省》
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大規模化に期待したこと、うまくいかなかったこと、苦労したこと

⿟事業を大きくしたことで、評価も広がった。良い面だけとは言えないが、認知度が上がったことにより、建物や場所を
説明すると地域住民にはすぐに理解してもらえる。
⿟事業が広がったことで、職員もいろいろな形態の高齢者サービスを経験することが可能になった。また、管理職等の
ポスト増加にもつながったため、スペシャリストになりたい、管理職になりたいといった志のある職員の希望にも幅
広く応えることが出来るようになった。

質疑応答
Q 本事業の目的はサービスの質の向上、経営の効率化についての知見を得たいというもの。大規

模化にあたってポストづくりの側面というのは興味深い一方で、職員が増えると管理業務も増え

るが、そのあたりはサービスの質にどのような影響があるか。

A 法人内の教育体制が追い付いていないという課題がある。また、最近は介護福祉分野の専門学
校も生徒が少なく、介護士志望の意識などをもっている人が少なくなっている。そのため、技術

面の教育も精神面の定着にも時間がかかる。優しい気持ちの方は多いが、想像以上に仕事がつ
らいということでリタイアする人もいる。職員も多様化しているため、
どういった業務ならできる
かといったことを細かく整理し、
しっかりとワークシェアをしないと対応が難しいのが現状。一
方、メリットとしては、同じ業務が続くことで意欲を失い退職を考えていた職員が、新たに始まる
事業には強い興味を持ち、その事業の担当に回すことで離職を取りやめるというケースなども
ある。

Q 教育体制の構築、ブラッシュアップが大規模化の課題。また、介護報酬が少ないなども問題もあ
るが、事業を拡大していくことでの間接費削減などのメリットはあるか。

A 事業規模が拡大したことで、地域から介護教室の講師派遣や、バスが空いた時間に送迎をして

ほしいといった依頼を受けるようになった。単独の施設だと対応はむずかしいが、大規模化して
いるため対応することが出来ている。費用面だけでなく、地域貢献の面でもメリットになってい

る。

Q 職員が病気になるなどして、人員が不足した際のメリットもあるか。
A 複数事業所があるため、例えばA特養からB特養へ一時的に人員を融通する、といったことが法
人内でできる。有事の際に大勢または長期間にわたって人員の調整が必要という場合も、例え

ば一カ所のデイサービスを一定期間休みにして、そこの職員を特養へ回し、休みになるデイ
サービスの利用者は法人内の別のデイサービスへ、
という対応も可能である。

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大規模化で想定よりも「うまくいかなかったこと」や「苦労したこと」

⿟当初の特別養護老人ホーム1か所のみの頃は、利用者にとっても職員にとってもアットホームな雰囲気で、理事長
や施設長が隅々まで接し、把握することが出来ていたが、大規模化するにつれて、関係者全員としっかり関わるとい
うことが難しくなった。
⿟想定外というわけではなく、予想はしていたことだが、管理者養成が一番の課題。利用者も職員も隅々まで把握す
るという当初の理念まで引き継いでいくのがとても難しい。教育体制を整えていくことが重要だと考えている。
⿟また、職員の離職について、一人が離職すると、何人か後に続けて離職を申し出るケースが過去に何度かあったた

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