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令和6年版過労死等防止対策白書 全体版 (166 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001314678.pdf
出典情報 令和6年版過労死等防止対策白書(10/11)《厚生労働省》
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(2)職場環境改善に向けた介入研究
介護労働者の交替勤務による負担軽減を目的として開発された AI 勤怠スケジューラーに
よって自動作成されたシフト(介入条件)と、従来どおりシフト管理者によって手動作成さ
れたシフト(統制条件)で働いた際の疲労や睡眠の状態を介入手法によって比較検討した。
AI 勤怠スケジューラーには、調査前の職場の疲労カウンセリングによって対象職場の介護
労働者にヒアリング調査を行い、疲労回復に望ましいシフトの諸条件(勤務間インターバル
の確保や連続勤務の制限等)を抽出し、これらの条件を反映させて交替勤務シフトを自動作
成させた。
本調査に参加した交替勤務に従事する介護労働者 35 名には、4か月間の調査期間中、指輪
型生体デバイスを装着させて睡眠指標を測定した。


AI 勤怠スケジューラーによる睡眠への効果は、深い睡眠指標において条件差が検出され、



介入条件の方が、統制条件に比して有意に深い睡眠が増えていた。レム睡眠、総睡眠時間に




4章

関しても深い睡眠と同様に介入条件で増加する傾向が示されており、いずれの指標も有意傾

過労死等をめぐる調査・分析結果

向であった(第 4-4-2-1 図)










調







第 4-4-2-1 図

AI 勤怠スケジューラーの使用による指輪型生体デバイスで測定さ
れた睡眠への効果
(N=35)

(資料出所)労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センター「令和5年度過労死等の実態解明と防止対策に関する総合的な労
働安全衛生研究」をもとに作成

AI 勤務スケジューラーによる対象職場のニーズに基づいたシフト設計は疲労回復を促進
し、交替勤務介護労働者の働き方を改善する可能性が示された。
ただし、本研究の疲労回復シフト要件は調査対象になった職場の特性を踏まえたものなの
で、他の職場や業種で実施する際には本研究と同様に職場の特性を踏まえるプロセスが重要
であると考察される。

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