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参考資料4 新型コロナワクチン「コミナティ筋注6ヵ月~4歳用」(ファイザー株式会社)審査報告書 (15 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000208910_00053.html |
出典情報 | 第87回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)《厚生労働省》 |
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認に係る報告書(令和 3 年 2 月 8 日付け)
)。
小児開発においては、免疫ブリッジングの手法を用い、臨床試験で有効性が確認されている集団と開
発対象の集団との免疫原性が同程度であることに基づき、臨床的有効性を評価することとした。当該手
法は他の感染症予防ワクチンの評価でも用いられ、薬事承認された実例があることから、これまでに、
12~15 歳の小児及び 5~11 歳の小児について、
各年齢層の免疫原性が発症予防効果を検証した C4591001
試験の 16~25 歳の集団と同程度であること、各年齢層に対する安全性に特段の懸念が認められないこ
とに基づき、接種対象の年齢引下げ(令和 3 年 5 月 31 日付け添付文書改訂)及びコミナティ筋注 5~11
歳用の製造販売承認が認められている(コミナティ筋注 特例承認に係る報告書(令和 4 年 1 月 20 日付
け)
)
。今般の 6 カ月~4 歳の小児に対する本剤の開発に際しても、他の年齢層での開発と同様に免疫ブ
リッジングの手法を用いて臨床的有効性を評価することとした。
6 カ月~4 歳の小児に対する本剤の開発においては、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の小児のそれぞれにお
ける免疫原性及び安全性を検討する海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験(C4591007 試験)を実施した。第Ⅰ相パート
では用量検討を行い、本剤の 2 回目接種後の安全性及び免疫原性の結果(7.1.1 参照)から、いずれの年
齢層においても 3 μg を選択した。その後、続く第Ⅱ/Ⅲ相パートにおいて、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の
小児と C4591001 試験の 16~25 歳の集団で得られた免疫原性データを比較評価する計画とした。免疫ブ
リッジングに係る成功基準(中和抗体価の GMR の両側 95%CI の下限値が 0.67 を上回り、点推定値は
0.8 以上、及び抗体応答率の差の両側 95%CI の下限値が-10%を上回る)は、感染症予防ワクチンの臨
床評価に関するガイドライン(Guidelines on clinical evaluation of vaccines: regulatory expectations, WHO
Technical Report Series 1004, Annex 9, 20179))や、他の感染症予防ワクチンの多くの臨床試験における非
劣性マージンの設定(Vaccine 2015; 33: 1426-32)に加えて、追加免疫の開発(コミナティ筋注 特例承認
に係る報告書(令和 3 年 11 月 2 日付け)
)における臨床試験で設定した免疫原性に係る成功基準も参考
に設定した。第Ⅱ/Ⅲ相パートの結果、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳のいずれの年齢層においても免疫ブリ
ッジングの成功基準が達成されたことから、6 カ月~4 歳の小児における本剤の有効性は期待できると
考えた(7.R.2 参照)
。また、本剤接種時の安全性プロファイルに重大な懸念は認められず、忍容性は確
認された(7.R.3 参照)
。
以上より、C4591007 試験の 6 カ月~4 歳の小児の集団における免疫原性及び安全性の成績を根拠とし
て、本剤の製造販売承認申請を行った。
機構は、以下のように考える。
FDA の「Licensure and Emergency Use Authorization of Vaccines to Prevent COVID-19 for Use in Pediatric
Populations」において、一般的に小児は COVID-19 発症や重症化の頻度が低く、小児集団で SARS-CoV2 ワクチンの有効性を検証するための検出力を確保した臨床試験の実施が困難な可能性があること、中
和抗体価が SARS-CoV-2 ワクチンの有効性を推測するバイオマーカーとなり得る知見が得られているこ
と(Nat Med 2021; 27: 1205-11)を踏まえて、成人等の別の集団でワクチンの有効性が検証されている場
合、中和抗体価の GMT 及び抗体応答率による免疫ブリッジングの手法を用いて小児の有効性を推測可
能であることが示されている。本邦においては、機構は「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン
の評価に関する考え方(補遺 3)免疫原性に基づく新型コロナウイルスワクチンの評価の考え方」
(令和
3 年 10 月 22 日独立行政法人医薬品医療機器総合機構ワクチン等審査部)の中で、SARS-CoV-2 ワクチン
9)https://www.who.int/publications/m/item/clinical-evaluation-of-vaccines-annex-9-trs-no-1004(最終確認日:2022
年 8 月 9 日)
11
コミナティ筋注 6 ヵ月~4 歳用_ファイザー株式会社_特例承認に係る報告書
)。
小児開発においては、免疫ブリッジングの手法を用い、臨床試験で有効性が確認されている集団と開
発対象の集団との免疫原性が同程度であることに基づき、臨床的有効性を評価することとした。当該手
法は他の感染症予防ワクチンの評価でも用いられ、薬事承認された実例があることから、これまでに、
12~15 歳の小児及び 5~11 歳の小児について、
各年齢層の免疫原性が発症予防効果を検証した C4591001
試験の 16~25 歳の集団と同程度であること、各年齢層に対する安全性に特段の懸念が認められないこ
とに基づき、接種対象の年齢引下げ(令和 3 年 5 月 31 日付け添付文書改訂)及びコミナティ筋注 5~11
歳用の製造販売承認が認められている(コミナティ筋注 特例承認に係る報告書(令和 4 年 1 月 20 日付
け)
)
。今般の 6 カ月~4 歳の小児に対する本剤の開発に際しても、他の年齢層での開発と同様に免疫ブ
リッジングの手法を用いて臨床的有効性を評価することとした。
6 カ月~4 歳の小児に対する本剤の開発においては、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の小児のそれぞれにお
ける免疫原性及び安全性を検討する海外第Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ相試験(C4591007 試験)を実施した。第Ⅰ相パート
では用量検討を行い、本剤の 2 回目接種後の安全性及び免疫原性の結果(7.1.1 参照)から、いずれの年
齢層においても 3 μg を選択した。その後、続く第Ⅱ/Ⅲ相パートにおいて、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳の
小児と C4591001 試験の 16~25 歳の集団で得られた免疫原性データを比較評価する計画とした。免疫ブ
リッジングに係る成功基準(中和抗体価の GMR の両側 95%CI の下限値が 0.67 を上回り、点推定値は
0.8 以上、及び抗体応答率の差の両側 95%CI の下限値が-10%を上回る)は、感染症予防ワクチンの臨
床評価に関するガイドライン(Guidelines on clinical evaluation of vaccines: regulatory expectations, WHO
Technical Report Series 1004, Annex 9, 20179))や、他の感染症予防ワクチンの多くの臨床試験における非
劣性マージンの設定(Vaccine 2015; 33: 1426-32)に加えて、追加免疫の開発(コミナティ筋注 特例承認
に係る報告書(令和 3 年 11 月 2 日付け)
)における臨床試験で設定した免疫原性に係る成功基準も参考
に設定した。第Ⅱ/Ⅲ相パートの結果、6 カ月~1 歳及び 2~4 歳のいずれの年齢層においても免疫ブリ
ッジングの成功基準が達成されたことから、6 カ月~4 歳の小児における本剤の有効性は期待できると
考えた(7.R.2 参照)
。また、本剤接種時の安全性プロファイルに重大な懸念は認められず、忍容性は確
認された(7.R.3 参照)
。
以上より、C4591007 試験の 6 カ月~4 歳の小児の集団における免疫原性及び安全性の成績を根拠とし
て、本剤の製造販売承認申請を行った。
機構は、以下のように考える。
FDA の「Licensure and Emergency Use Authorization of Vaccines to Prevent COVID-19 for Use in Pediatric
Populations」において、一般的に小児は COVID-19 発症や重症化の頻度が低く、小児集団で SARS-CoV2 ワクチンの有効性を検証するための検出力を確保した臨床試験の実施が困難な可能性があること、中
和抗体価が SARS-CoV-2 ワクチンの有効性を推測するバイオマーカーとなり得る知見が得られているこ
と(Nat Med 2021; 27: 1205-11)を踏まえて、成人等の別の集団でワクチンの有効性が検証されている場
合、中和抗体価の GMT 及び抗体応答率による免疫ブリッジングの手法を用いて小児の有効性を推測可
能であることが示されている。本邦においては、機構は「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン
の評価に関する考え方(補遺 3)免疫原性に基づく新型コロナウイルスワクチンの評価の考え方」
(令和
3 年 10 月 22 日独立行政法人医薬品医療機器総合機構ワクチン等審査部)の中で、SARS-CoV-2 ワクチン
9)https://www.who.int/publications/m/item/clinical-evaluation-of-vaccines-annex-9-trs-no-1004(最終確認日:2022
年 8 月 9 日)
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コミナティ筋注 6 ヵ月~4 歳用_ファイザー株式会社_特例承認に係る報告書