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岡部先生資料(レポート) (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/10/4041102.html |
出典情報 | ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第4回 11/2)《文部科学省》 |
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覚醒・調整)についての解析をベースとして疾患横断的な生物学的指標を探索することが提
唱された。ヒト研究において従来の疾患分類の問題点が認識されつつある一方で、精神疾患
のモデル動物に関する基礎脳科学研究でも、特定の遺伝子の変異を導入することで、その遺
伝子変異動物を例えば「統合失調症モデル動物」とまずラベルし、「統合失調症らしさ」を
反映する脳機能および行動テストを用いてモデルを評価することが多い。
ヒト研究と動物研究の双方で脳の状態を連続的なスペクトラムとして捉え、精神疾患をそ
のスペクトラムの中の一つの状態として捉える視点が必要である。疾患横断的なアプロー
チをより重視して、脳の機能ドメイン別にモデル動物の評価を行い、そのデータを複数の動
物モデルにおいて横断的に比較すること、その成果をヒト患者における疾患横断的な臨床
データと連結することが次世代の研究アプローチとしては重要になる。更に生物学的・社
会・心理的要因の中で常にその状態を遷移させる脳の生理と病態を統合的に解析する方法
論(dynamic brain)も取り入れることで、病態把握・診断・治療に活用可能な豊富な情報を
得ることが可能となる。
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唱された。ヒト研究において従来の疾患分類の問題点が認識されつつある一方で、精神疾患
のモデル動物に関する基礎脳科学研究でも、特定の遺伝子の変異を導入することで、その遺
伝子変異動物を例えば「統合失調症モデル動物」とまずラベルし、「統合失調症らしさ」を
反映する脳機能および行動テストを用いてモデルを評価することが多い。
ヒト研究と動物研究の双方で脳の状態を連続的なスペクトラムとして捉え、精神疾患をそ
のスペクトラムの中の一つの状態として捉える視点が必要である。疾患横断的なアプロー
チをより重視して、脳の機能ドメイン別にモデル動物の評価を行い、そのデータを複数の動
物モデルにおいて横断的に比較すること、その成果をヒト患者における疾患横断的な臨床
データと連結することが次世代の研究アプローチとしては重要になる。更に生物学的・社
会・心理的要因の中で常にその状態を遷移させる脳の生理と病態を統合的に解析する方法
論(dynamic brain)も取り入れることで、病態把握・診断・治療に活用可能な豊富な情報を
得ることが可能となる。
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