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岡部先生資料(レポート) (9 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/10/4041102.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第4回 11/2)《文部科学省》
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3.革新的技術による脳機能ネットワークの全容解明プロジェクト(通称革新脳)事業の成
果を踏まえた今後の脳科学推進戦略
第2章において議論した内容を踏まえて、革新脳事業で達成できたこと、未だ達成できてい
ないことを整理し、今後 10 年程度の時間枠における国内の戦略的脳研究において重視すべ
き点を本章では抽出したい。

3-1. 非ヒト霊長類モデル研究基盤の推進と活用
革新脳事業開始時のゴール「ヒトの精神活動にとって重要な神経回路に対応するマーモセ
ット神経回路機能のニューロンレベルでの全容解明」は、10 年後の 2024 年においてもその
重要性は明確である。ヒト特有の脳機能である、
「複雑な社会を構築するための他者との相
互作用」
「長期の予測に基づいた意思決定」
「長期的な経験の蓄積と活用」などを支える基盤
となるのは発達した大脳皮質、特に前頭葉の神経回路であり、対応する脳構造を有するのは
マーモセットなどの非ヒト霊長類のみである。従ってこのようなヒト特有の脳機能を理解
し、その障害と関連する精神・神経疾患の克服を目標として設定するのであれば、今後も非
ヒト霊長類モデルによるヒト脳機能解明を更に推進する必要がある。革新脳事業において
達成された「マーモセット脳の構造・活動マップ」
「精神・神経疾患モデルの樹立」
「マクロ
とミクロレベルを橋渡しする革新的技術の開発」の3項目については今後の戦略的脳研究
における活用が求められる。幸い、国内の関連研究開発の国際的競争力は高く、その活用に
より国際的な競争に勝ち抜くことも期待できる。

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