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岡部先生資料(レポート) (6 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/10/4041102.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第4回 11/2)《文部科学省》
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〇マクロとミクロレベルでの神経回路研究を橋渡しする革新的技術の開発が進んだこと
中核拠点において世界最大の広視野 2 光子顕微鏡の開発が成功し、このシステムをげっ歯
類のみならず課題遂行中のマーモセットの大脳皮質の脳活動のイメージングにも応用した
実験が進行している。革新脳の 10 年目の到達目標は「ヒトの精神活動にとって重要な神経
回路に対応するマーモセット神経回路機能のニューロンレベルでの全容解明」であり、現在
進行しているマーモセット大脳皮質の脳活動の大規模記録はまさにこの目標を実現するも
のである。具体的にはヒトの統合失調症において障害が認められる視線制御の中枢である
大脳皮質の領野を対象として広視野 2 光子顕微鏡技術によるイメージングを行い、眼球運
動課題中の大規模神経活動計測を実施している。このような方法論は次世代型の脳研究と
して今後は更にその重要性が高まることが期待される。また新規多色カルシウムイオンセ
ンサー、生体内高解像度イメージング技術などの他の個別技術開発課題で達成された革新
的技術を組み合わせることで、日本独自の霊長類脳の生理学研究が他国の追随を許さない
形で進展することが予想できる。

以上の 3 点は国外の研究動向と比較しても国内の研究が質量ともに優れており、国際競争
力が極めて高い部分であると評価できる。
次に革新脳事業において当初重要なゴールとして設定された課題の中で、今後国際的な卓
越性が期待される部分について、現状と今後の見通しを解説する。これらの課題については
そのゴールの重要性・必要性は明確であることを考慮し、今後の脳科学研究においてどのよ
うな方針に基づいて研究を発展させるのかを検討すべきであろう。

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