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岡部先生資料(レポート) (18 ページ)

公開元URL https://www.lifescience.mext.go.jp/2022/10/4041102.html
出典情報 ライフサイエンス委員会 脳科学作業部会(第4回 11/2)《文部科学省》
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A 大規模神経回路データを活用した情報処理モデルの構築(大規模回路データ)
前頭葉を中心とした大規模神経回路の活動計測による情報解読
B 新しい技術の導入に対応した「階層をつなぐ研究」の実現 (多階層統合技術)
革新脳のリソース・技術を超えた階層を統合する技術やアプローチの導入
項目 A と B は相補的な課題であり、項目 A は「複雑な社会を支えるコミュニケーション」
「長期の予測に基づいた意思決定」
「経験の蓄積と活用」などの「ヒトに特有の行動」の基
盤となる前頭葉を中心とした大規模ネットワークにおける神経活動が表現する情報を解読
すること、その情報処理過程をモデル化すること、更に霊長類に特有の神経回路の構造・機
能と他の動物にも共通の要素を切り分けることを目的とする。
B の目的は A で実現すべき大規模回路データの集積とそれを活用した脳の情報処理モデル
の構築に資する技術開発にある。
項目 A の到達目標は以下の 4 点である。
A-1: 特定の行動タスク(ヒトで発達した前頭葉の機能を反映するタスクが望ましい)の下
で、前頭葉を中心とした神経回路の活動を単一細胞レベルで複数の脳領域を含む形で網羅
的に測定、データを集積(前頭葉-基底核、前頭葉-聴覚皮質、前頭葉-辺縁系などの回路
も含む)
A-2: マウスなどの霊長類とは異なる脳構造を持つモデルでの回路機能-行動連関の測定、デ
ータ集積
A-3: データサイエンスと数理科学を活用することで、得られた神経活動データが含む情報
表現を解読、種間比較による霊長類特有の回路機能の抽出
A-4: 各脳領域が担う情報のダイナミクスと局所回路の関係を示し、最終的には単一細胞レ
ベルでのコネクトーム情報と関連付ける
項目 A で用いるモデルは非ヒト霊長類に限らず、マウスなどの小型動物も積極的に活用す
る。大規模な神経回路活動のデータを活用することで、大域的な脳情報のダイナミクスを知
るのみでなく、更に局所回路レベル、単一細胞レベルでの情報処理との関係性を明らかにす
ることが出来れば、欧米の大型脳研究とは異なった、我が国独自の方向性を示すことになる。
項目 B は項目 A のゴール達成に合わせた多階層統合技術を開発することを目標とする。
B-1: 行動タスクと大規模脳活動を連結するための脳情報の読み出し技術の開発(光イメー
ジングの大規模化、MRI の解像度向上、電極技術の大規模化など)
B-2: 脳の情報表現の解読に資するデータサイエンス関連技術と数理モデルの開発(異なる
モダリティー・解像度のデータを統合する技術、因果関係・情報の流れを推定する技術、リ
アルタイムでの解読情報のフィードバック技術など)
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