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11【参考資料1-6】9価HPVワクチンファクトシート (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29181.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(第41回 11/18)《厚生労働省》 |
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9価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン
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ファクトシート
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令和3(2021)年1⽉31⽇
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国⽴感染症研究所
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9 価ヒトパピローマウイルス( HPV )ワクチン
ファクトシートの要約
(疾患の特性)
⼦宮頸がんはウイルス感染が原因の疾患であり、ヒトパピローマウイルス( human
papillomavirus: HPV )の⼦宮頸部での持続的な感染が、⼦宮頸部浸潤がん(扁平上⽪がん、
腺がん)及びその前駆病変である⼦宮頸部上⽪内腫瘍( cervical intraepithelial neoplasia:
CIN )と上⽪内腺がん( adenocarcinoma in situ: AIS )を引き起こす。これらの疾患の原
因となるのは約 15 種の⾼リスク型 HPV( HPV16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59,
68, 73, 82 )である。HPV は性⾏為を介して感染し、⼀⽣涯に 80-90 %の⼥性が何らかの
HPV に感染すると推定されている。CIN1 などの軽度病変は宿主の免疫系により⾃然治癒
することが多いが、⼀部の⼥性で HPV が排除されずに持続感染すると、通常 5-10 年以内
に CIN2/3 や AIS などの前がん病変が⽣じる。さらに前がん病変患者の⼀部から、10 年以
上の感染期間を経て、細胞遺伝⼦に変異が蓄積することで、浸潤性の⼦宮頸がんに進⾏する
と考えられている。
⼦宮頸がん予防のために国内では、⼦宮頸がん検診での⼦宮頸部擦過細胞診が 20 歳以上
の⼥性を対象に実施されている。HPV 検査を細胞診に追加的あるいは代替的に⽤いる試み
が欧⽶では導⼊されており、⽇本でも HPV 検査・細胞診の併⽤による⼦宮頸がん検診の有
効性が検討されている。
⼦宮頸がんの治療は⼿術療法と放射線療法が主体であり、それらに化学療法が組み合わ
される。⼀⽅、CIN3/AIS などの前がん病変に対しては通常、⼦宮頸部円錐切除術が⾏われ
る。
(疫学の状況(国内及び海外))
全世界で年間約 57 万⼈が⼦宮頸がんに罹患し、約 31 万⼈が死亡していると推計されて
いる(2018 年)。⼦宮頸がんの罹患率は、開発途上国で⾼く先進国で低い。北⽶、北欧、⻄
欧、オーストラリアなどでは、⼦宮頸がん検診の普及により⼦宮頸がんの罹患率は低く抑え
られている。2007 年ごろから HPV ワクチンが導⼊された北⽶、北欧、オーストラリアな
どでは、ワクチン接種世代において⼦宮頸部前がん病変の減少が⼀致して観察され、⼦宮頸
がんの減少も観察され始めている。東アジアでも罹患率・死亡率が⾼かった韓国ではここ数
⼗年で⼤きく減少している。⼀⽅、⽇本では罹患率・死亡率ともに増加しており、特に若年
⼥性での増加が顕著である。最近では⽇本の罹患率、死亡率は先進国で最も⾼い⽔準となり、
韓国よりも⾼くなりつつある。⽇本の⼦宮頸がん検診の受診率は 40%程度にとどまり、欧
⽶諸国や韓国と⽐較して低い。
5 類感染症定点把握疾患である尖圭コンジローマの年齢別報告数は男⼥ともに 25-29 歳
が最も多く、最近は男⼥ともに報告数は横ばいである。海外では HPV ワクチン接種後 5-8
年の追跡が実施された結果、肛⾨性器の疣贅は男⼥ともに減少した。⽶国では、2006 年に
HPV ワクチンが導⼊された後、HPV ワクチンを受ける可能性が最も⾼い年齢層で肛⾨性器
疣贅の患者数が減少し、4 価 HPV ワクチンを⽤いたランダム化⽐較試験において、男性の
⽣殖器疣贅、肛⾨がんの前がん病変に対して⾼い有効性が報告された。ドイツでも HPV に
関連する可能性のある肛⾨性器疾患の負担の減少が観察された。
予防接種法に基づく感染症流⾏予測調査では HPV16 に対する ELISA 抗体価が 20 歳以上
の⼥性を対象に毎年度調査されている。2011 年度から始まった⼦宮頸がん等ワクチン接種
緊急促進事業で接種した⼥性(接種対象年齢 12-16 歳になる年度)が抗体調査の対象に含
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ファクトシートの要約
(疾患の特性)
⼦宮頸がんはウイルス感染が原因の疾患であり、ヒトパピローマウイルス( human
papillomavirus: HPV )の⼦宮頸部での持続的な感染が、⼦宮頸部浸潤がん(扁平上⽪がん、
腺がん)及びその前駆病変である⼦宮頸部上⽪内腫瘍( cervical intraepithelial neoplasia:
CIN )と上⽪内腺がん( adenocarcinoma in situ: AIS )を引き起こす。これらの疾患の原
因となるのは約 15 種の⾼リスク型 HPV( HPV16, 18, 31, 33, 35, 39, 45, 51, 52, 56, 58, 59,
68, 73, 82 )である。HPV は性⾏為を介して感染し、⼀⽣涯に 80-90 %の⼥性が何らかの
HPV に感染すると推定されている。CIN1 などの軽度病変は宿主の免疫系により⾃然治癒
することが多いが、⼀部の⼥性で HPV が排除されずに持続感染すると、通常 5-10 年以内
に CIN2/3 や AIS などの前がん病変が⽣じる。さらに前がん病変患者の⼀部から、10 年以
上の感染期間を経て、細胞遺伝⼦に変異が蓄積することで、浸潤性の⼦宮頸がんに進⾏する
と考えられている。
⼦宮頸がん予防のために国内では、⼦宮頸がん検診での⼦宮頸部擦過細胞診が 20 歳以上
の⼥性を対象に実施されている。HPV 検査を細胞診に追加的あるいは代替的に⽤いる試み
が欧⽶では導⼊されており、⽇本でも HPV 検査・細胞診の併⽤による⼦宮頸がん検診の有
効性が検討されている。
⼦宮頸がんの治療は⼿術療法と放射線療法が主体であり、それらに化学療法が組み合わ
される。⼀⽅、CIN3/AIS などの前がん病変に対しては通常、⼦宮頸部円錐切除術が⾏われ
る。
(疫学の状況(国内及び海外))
全世界で年間約 57 万⼈が⼦宮頸がんに罹患し、約 31 万⼈が死亡していると推計されて
いる(2018 年)。⼦宮頸がんの罹患率は、開発途上国で⾼く先進国で低い。北⽶、北欧、⻄
欧、オーストラリアなどでは、⼦宮頸がん検診の普及により⼦宮頸がんの罹患率は低く抑え
られている。2007 年ごろから HPV ワクチンが導⼊された北⽶、北欧、オーストラリアな
どでは、ワクチン接種世代において⼦宮頸部前がん病変の減少が⼀致して観察され、⼦宮頸
がんの減少も観察され始めている。東アジアでも罹患率・死亡率が⾼かった韓国ではここ数
⼗年で⼤きく減少している。⼀⽅、⽇本では罹患率・死亡率ともに増加しており、特に若年
⼥性での増加が顕著である。最近では⽇本の罹患率、死亡率は先進国で最も⾼い⽔準となり、
韓国よりも⾼くなりつつある。⽇本の⼦宮頸がん検診の受診率は 40%程度にとどまり、欧
⽶諸国や韓国と⽐較して低い。
5 類感染症定点把握疾患である尖圭コンジローマの年齢別報告数は男⼥ともに 25-29 歳
が最も多く、最近は男⼥ともに報告数は横ばいである。海外では HPV ワクチン接種後 5-8
年の追跡が実施された結果、肛⾨性器の疣贅は男⼥ともに減少した。⽶国では、2006 年に
HPV ワクチンが導⼊された後、HPV ワクチンを受ける可能性が最も⾼い年齢層で肛⾨性器
疣贅の患者数が減少し、4 価 HPV ワクチンを⽤いたランダム化⽐較試験において、男性の
⽣殖器疣贅、肛⾨がんの前がん病変に対して⾼い有効性が報告された。ドイツでも HPV に
関連する可能性のある肛⾨性器疾患の負担の減少が観察された。
予防接種法に基づく感染症流⾏予測調査では HPV16 に対する ELISA 抗体価が 20 歳以上
の⼥性を対象に毎年度調査されている。2011 年度から始まった⼦宮頸がん等ワクチン接種
緊急促進事業で接種した⼥性(接種対象年齢 12-16 歳になる年度)が抗体調査の対象に含
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