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11【参考資料1-6】9価HPVワクチンファクトシート (21 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29181.html
出典情報 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(第41回 11/18)《厚生労働省》
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969

表 10. HPV ワクチン導⼊による尖圭コンジローマの予防効果(37)

989

2)国内でのインパクト
⼦宮頸部病変の罹患率または HPV16,18 陽性率を、ワクチン接種者とワクチン⾮接種者

ワクチン導⼊後 1‐4 年

ワクチン導⼊後 5‐8 年

990

15‐19 歳、⼥性

0.60 (0.46‐0.76)

0.33 (0.24‐0.46)

991

の間で⽐較した有効性評価に関して、幾つかの論⽂が発表されている。それらを予防効果に

20‐24 歳、⼥性

0.76 (0.67‐0.86)

0.46 (0.36‐0.60)

992

換算して、まとめたものを表 12 に⽰す。様々な指標において、概ね 70-90 %の予防効果が

25‐29 歳、⼥性

0.89 (0.80‐0.98)

0.69 (0.53‐0.89)

993

認められている。

0.88 (0.67‐1.16)

994

⼯藤らは、新潟県の⼦宮頸がん検診受診者( 1,814 ⼈ )を対象として、HPV ワクチン接
種による HPV 感染の減少効果を検討している(96)。HPV16,18 の感染率は、2 価 HPV ワ

30‐39 歳、⼥性

1.02 (0.92‐1.13)

15‐19 歳、男性

0.80 (0.62‐1.04)

0.52 (0.37‐0.75)

995

20‐24 歳、男性

0.93 (0.82‐1.06)

0.68 (0.47‐0.98)

996

クチンの接種者( 1,355 ⼈ )で 0.2 %、⾮接種者( 459 ⼈ )で 2.2 %を⽰し、89.8 %の

25‐29 歳、男性

1.05 (0.93‐1.17)

0.94 (0.66‐1.33)

997

予防効果が認められた。初交前にワクチン接種した群での HPV16,18 感染率は、接種者

1.04 (0.76‐1.43)

998

( 1,000 ⼈ )で 0.1 %であり、⾮接種者( 454 ⼈ )の 2.2 %に対して、さらに⾼い 95.5 %

999

の予防効果が認められた。最終的に性交渉パートナー数と⽣まれ年で補正した HPV16,18

30‐39 歳、男性

1.08 (0.98‐1.19)

970

(注)4 価 HPV ワクチン、接種は⼥性のみ

971

オーストラリア、デンマーク、⽶国、イタリア、ベルギー、カナダ、イングランド、スウェーデン、ドイ

1000

972

ツ、ニュージーランド、英国、オランダでの 18 スタディ

1001

⽥中らは、秋⽥県の⼦宮頸がん検診を受診した 20-24 歳の⼥性( 2,425 ⼈ )の、細胞診

973

ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度( 95 %信頼区間 )

1002

異常の頻度について検討している(97)。ASC-US 以上の発⽣頻度は、ワクチン接種群( 413

974

1003

⼈ )で 0.24 %、⾮接種群( 2,012 ⼈ )で 2.04 %を⽰し、88.1 %の予防効果が認められ

975

1004

ている。

表 11. HPV ワクチン導⼊による CIN2 以上の病変の予防効果(37)
ワクチン導⼊後 1‐4 年

ワクチン導⼊後 5‐8 年

15‐19 歳、⼥性

0.73 (0.67‐0.79)

0.49 (0.42‐0.58)

20‐24 歳、⼥性

0.94 (0.82‐1.08)

0.69 (0.57‐0.84)

25‐29 歳、⼥性

1.12 (1.05‐1.20)

1.19 (1.06‐1.32)

30‐39 歳、⼥性

1.07 (1.00‐1.14)

1.23 (1.13‐1.34)

976

(注)デンマーク、⽶国、オーストラリア、ノルウェー、カナダ、スコットランドでの 9 スタディ

977

ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度(95%信頼区間)

978
979

最近、スウェーデンで 4 価 HPV ワクチン導⼊後の国⺠データベースを⽤いて、4 価 HPV

980

ワクチンの⼦宮頸がんに対する予防効果が調査された(26)。2006 年以降 10 歳以上の⼥性

981

( 1,672,983 ⼈ )を 2017 年あるいは 30 歳まで追跡した。⼦宮頸がんと診断されたのはワ

982

クチン接種者 527,871 ⼈中 19 ⼈、ワクチン⾮接種者 1,145,112 ⼈中 538 ⼈であった。診断

983

時の年齢に基づくモデルでは予防効果( 相対危険度 )は 0.51 ( 95 %信頼区間 0.32-0.82 )

984

であった。さらに暦年、居住地⽅、親の学歴・収⼊、⺟親の出⾝国・がん罹患歴を加味した

985

1005

⼩沢らは、宮城県で⼦宮頸がん検診を受診した 20-24 歳の⼥性( 5,924 ⼈ )の細胞診異

1006

常の結果について、ワクチン接種群と⾮接種群で⽐較解析している(98)。HSIL 以上の細胞

1007

診異常は、接種群( 1,002 ⼈ )で 0.2 %、⾮接種群( 4,922 ⼈ )で 1.1 %を⽰し、82.5 %

1008

の予防効果が⽰された。

1009

今野らの短報では、全国 16 ヶ所⽇本対がん協会提携団体からの⼦宮頸がん検診データ

1010

( 20-29 歳、22,743 ⼈ )を⽤いて、CIN2 以上の組織診異常に対する 69.4 %の予防効果

1011

が⽰されている(99)。また本研究の最新のアップデートでは、20-29 歳の⼥性( 34,281 ⼈ )

1012

の検診データを⽤いて、HPV ワクチン接種者において CIN2 以上に対して 76 %、CIN3 以

1013

上に対して 91 %の予防効果が報告されている(100)。

1014
1015

モデルでは予防効果は 0.37 ( 0.21-0.57 )、これをワクチン接種開始年齢で分けると 17 歳未

986

満の場合 0.12 ( 0.00-0.34 )、それ以降の場合 0.47 ( 0.27-0.75 )であった。性交渉開始前の⼥

987

⼦に HPV ワクチンを接種することが、⼦宮頸がんの予防に重要であることが⽰唆される。

感染の予防効果として 93.9 %が⽰されている。

988

表 12. 国内における HPV ワクチンの有効性評価

(96-100)

指標

予防効果(95%信頼区間)

対象

参考⽂献

HPV16, 18 感染

89.8 % (63.9-97.2)

20-22 歳、1,814 ⼈ 新潟県 6 都市

(96)

ASC-US 以上

88.1 % (13.9-98.4)

20-24 歳、2,425 ⼈ 秋⽥県

(97)

HSIL 以上

82.5 % (28.2-95.7)

20-24 歳、5,924 ⼈ 宮城県

(98)

CIN2 以上

69.4 % (17.4-88.7)

20-29 歳、22,743 ⼈

(99)

CIN2 以上

76 % (40-90)

20-29 歳、34,281 ⼈

(100)

CIN3 以上

91 % (58-100)

全国 16 ヶ所⽇本対がん協会提携団体

1016
1017
41

またワクチン導⼊前後の世代の⽐較による、⼈⼝レベルの効果を調べた論⽂が報告され
42