よむ、つかう、まなぶ。
11【参考資料1-6】9価HPVワクチンファクトシート (22 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29181.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(第41回 11/18)《厚生労働省》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
1018
ており、相対危険度に換算した結果を表 13 に⽰す。相対危険度は 0.16-0.76 でいずれも 1
1019
を下回り、ワクチン⾮接種者を含めた実世界レベルにおいても、ワクチン導⼊の効果が認め
1020
られている。
1051
表 13. 国内における HPV ワクチンの⼈⼝レベルでの効果(101-103)
指標
ワクチン導⼊前後の
対象
参考⽂献
18-24 歳、101 ⼈
(101)
相対危険度(95%信頼区間)
1021
軽部らは、秋⽥県の 18-24 歳の⼥性で、HPV16,18 陽性率がワクチン導⼊前の群( 1984-
細胞診異常または HPV
1022
1994 年⽣まれ、49 ⼈ )での 36.7 %から、ワクチン導⼊後の群( 1989-1999 年⽣まれ、
DNA 陽性での HPV16,
1023
52 ⼈ )で 5.8 %に低下していることを報告している(101)。この地域での 18-24 歳⼥性の
18 陽性率
1024
ワクチン接種率が 68.2 %( 2,511/3,684 ⼈ )と⾼いことが、顕著なワクチン効果に寄与
ASC-US 以上
1025
していると考えられる。
0.16 (0.05-0.50)
秋⽥県 1 施設
0.52 (0.32-0.84)
20 歳、1,696 ⼈
(102)
愛媛県 1 都市
1026
⼋⽊らは、20 歳時点での⼦宮頸がん検診の結果を、1991-1993 年⽣まれと 1994-1996 年
1027
⽣まれの⼥性の間で⽐較検討している(102)。ワクチン接種率は 1991-1993 年⽣まれで 0 %
1028
( 0/7,872 ⼈ )、1994-1996 年⽣まれで 79 %( 5,837/7389 ⼈ )であり、細胞診異常
1029
( ASC-US 以上 )の発⽣率は前者の 5.7 %に対し、後者では 3.0 %と有意に低下した。
1052
1030
また⾼度病変( HSIL )の発⽣率も、1994-1996 年⽣まれの群で有意に低下していた。
1053
ASC-US 以上
0.76 (0.61-0.95)
20 歳、11,621 ⼈
LSIL 以上
0.28 (0.12-0.64)
20 歳、3,873 ⼈
(103)
全国 7 都市
(4)安全性の観点
1031
上⽥らも同様に、20 歳時点での⼦宮頸がん検診の結果を、ワクチン導⼊前後のバースコ
1054
1032
ホート間で⽐較している(103)。細胞診異常( ASC-US 以上 )の発⽣率は、ワクチン導⼊
1055
た。
1033
前の世代( 1990-1993 年⽣まれ、8,330 ⼈ )の 3.96 %から、ワクチン導⼊後の世代( 1994-
1056
①
1034
1995 年⽣まれ、3,291 ⼈ )の 3.01 %に有意に低下していた。
1057
1)9価 HPV ワクチンに関する臨床試験結果
本項ではメタアナリシス、介⼊研究、コホート研究、症例対照研究を中⼼に取り上げ
接種部位の症状
1035
松本らは、全国 21 か所の拠点病院で前がん病変及び⼦宮頸がんと診断された 40 歳未満
1058
1036
の⼥性での HPV16,18 検出率を調べることで、⼈⼝レベルでのワクチン効果を検討してい
1059
何らかの接種部位の症状が⾒られた者の割合は 72-95 %であった(90, 94-95, 106-113)(表
1037
る(104)。2012-2017 年の期間中、20-24 歳の年齢層の CIN1 及び CIN2-3/AIS において、
1060
14,15)。報告頻度の⾼かった症状は痛み(55-93 %)、腫れ(9-49 %)、紅斑(9-42 %)で、
1038
HPV16,18 の検出率が減少する傾向が認められた。この傾向は他の年齢層では認められず、
1061
このうち症状のために仕事ができない、または⽇常⽣活が送れない等の重症例は痛みが 0-
1039
2010-2013 年に HPV ワクチンが 14-18 歳の⼥⼦に対して⾼い接種率で接種されたことを反
1062
6 %、腫れ( 5 cm 以上 )が 1-10 %、紅斑( 5 ㎝以上 )が 0-3 %であった(90, 94-95, 106-
1040
映していると考えられる。またワクチンを最初に接種した年齢層別に CIN2-3/AIS での
1063
113)。4 価 HPV ワクチン被接種者を対照とした試験において、9 価 HPV ワクチン被接種
1041
HPV16,18 陽性率を⽐較したところ、13-16 歳で 12.5 %、17-20 歳で 14.3 %、21-25 歳で
1064
者における接種部位の症状発現は 4 価 HPV ワクチン被接種者と⽐較して多かった(90, 106,
1042
35.3 %、26 歳以上で 39.4 %を⽰し、20 歳を境に有意な差が認められており、20 歳までの
1065
108, 113-114)。男児を対照とした試験において、⼥児における接種部位の症状発現は男児
1043
キャッチアップ接種の有効性を⽰すものと考えられる。
1066
と⽐較して多かった(106, 110)。9 価 HPV ワクチン、4 価髄膜炎菌結合体ワクチン、成⼈⽤
9 価 HPV ワクチンの安全性に関する臨床試験において、当該ワクチン被接種者のうち、
1044
最近、我が国の⼥性を対象とした⼤規模な症例対照研究の結果が報告されている(105)。
1067
三種混合ワクチンの同時接種を⾏った群と 9 価 HPV ワクチンの単独接種を⾏った群を⽐
1045
2013 年 4 ⽉から 2017 年 3 ⽉の間に⼦宮頸がん検診を受けた全国の⼥性( 20-24 歳、14,779
1068
較した研究では、同時接種群で単独接種群より 9 価 HPV ワクチン接種部位の腫れを認めた
1046
⼈ )に対して、症例( 2,483 ⼈ )と対照( 12,296 ⼈ )の間で⼦宮頸部病変の発⽣に対
1069
者が多かった(111)( 同時接種;14.4 %、単独接種;9.4 % )
。9 価 HPV ワクチンと 4 種
1047
する HPV ワクチン接種の効果が検討された。細胞診異常に対して 58.5 %、CIN1 以上の発
1070
混合ワクチンの同時接種を⾏った群と 9 価 HPV ワクチンの単独接種を⾏った群を⽐較し
1048
⽣に対して 57.9 %、CIN2 以上の発⽣に対して 74.8 %の予防効果が認められている。また
1071
た研究では、同時接種群で単独接種群より 9 価 HPV ワクチン接種部位の腫れを認めた者が
1049
8 ⼈の⼦宮頸がん症例は、すべてワクチン未接種者であった。
1072
多かった (115)(同時接種;40.6 %、単独接種;31.1 %)
。
1073
2)⽶国における9価 HPV ワクチン承認後の有害事象報告
1050
43
1074
2014 年 12 ⽉から 2017 年 12 ⽉の期間に、⽶国における承認後ワクチンの有害事象報告
1075
制度(Vaccine Adverse Event Reporting System, VAERS )に登録された、9 価 HPV ワクチ
1076
ン接種に関する有害事象は 7,244 例であり( 対象期間の 9 価 HPV ワクチンの出荷本数;
44
ており、相対危険度に換算した結果を表 13 に⽰す。相対危険度は 0.16-0.76 でいずれも 1
1019
を下回り、ワクチン⾮接種者を含めた実世界レベルにおいても、ワクチン導⼊の効果が認め
1020
られている。
1051
表 13. 国内における HPV ワクチンの⼈⼝レベルでの効果(101-103)
指標
ワクチン導⼊前後の
対象
参考⽂献
18-24 歳、101 ⼈
(101)
相対危険度(95%信頼区間)
1021
軽部らは、秋⽥県の 18-24 歳の⼥性で、HPV16,18 陽性率がワクチン導⼊前の群( 1984-
細胞診異常または HPV
1022
1994 年⽣まれ、49 ⼈ )での 36.7 %から、ワクチン導⼊後の群( 1989-1999 年⽣まれ、
DNA 陽性での HPV16,
1023
52 ⼈ )で 5.8 %に低下していることを報告している(101)。この地域での 18-24 歳⼥性の
18 陽性率
1024
ワクチン接種率が 68.2 %( 2,511/3,684 ⼈ )と⾼いことが、顕著なワクチン効果に寄与
ASC-US 以上
1025
していると考えられる。
0.16 (0.05-0.50)
秋⽥県 1 施設
0.52 (0.32-0.84)
20 歳、1,696 ⼈
(102)
愛媛県 1 都市
1026
⼋⽊らは、20 歳時点での⼦宮頸がん検診の結果を、1991-1993 年⽣まれと 1994-1996 年
1027
⽣まれの⼥性の間で⽐較検討している(102)。ワクチン接種率は 1991-1993 年⽣まれで 0 %
1028
( 0/7,872 ⼈ )、1994-1996 年⽣まれで 79 %( 5,837/7389 ⼈ )であり、細胞診異常
1029
( ASC-US 以上 )の発⽣率は前者の 5.7 %に対し、後者では 3.0 %と有意に低下した。
1052
1030
また⾼度病変( HSIL )の発⽣率も、1994-1996 年⽣まれの群で有意に低下していた。
1053
ASC-US 以上
0.76 (0.61-0.95)
20 歳、11,621 ⼈
LSIL 以上
0.28 (0.12-0.64)
20 歳、3,873 ⼈
(103)
全国 7 都市
(4)安全性の観点
1031
上⽥らも同様に、20 歳時点での⼦宮頸がん検診の結果を、ワクチン導⼊前後のバースコ
1054
1032
ホート間で⽐較している(103)。細胞診異常( ASC-US 以上 )の発⽣率は、ワクチン導⼊
1055
た。
1033
前の世代( 1990-1993 年⽣まれ、8,330 ⼈ )の 3.96 %から、ワクチン導⼊後の世代( 1994-
1056
①
1034
1995 年⽣まれ、3,291 ⼈ )の 3.01 %に有意に低下していた。
1057
1)9価 HPV ワクチンに関する臨床試験結果
本項ではメタアナリシス、介⼊研究、コホート研究、症例対照研究を中⼼に取り上げ
接種部位の症状
1035
松本らは、全国 21 か所の拠点病院で前がん病変及び⼦宮頸がんと診断された 40 歳未満
1058
1036
の⼥性での HPV16,18 検出率を調べることで、⼈⼝レベルでのワクチン効果を検討してい
1059
何らかの接種部位の症状が⾒られた者の割合は 72-95 %であった(90, 94-95, 106-113)(表
1037
る(104)。2012-2017 年の期間中、20-24 歳の年齢層の CIN1 及び CIN2-3/AIS において、
1060
14,15)。報告頻度の⾼かった症状は痛み(55-93 %)、腫れ(9-49 %)、紅斑(9-42 %)で、
1038
HPV16,18 の検出率が減少する傾向が認められた。この傾向は他の年齢層では認められず、
1061
このうち症状のために仕事ができない、または⽇常⽣活が送れない等の重症例は痛みが 0-
1039
2010-2013 年に HPV ワクチンが 14-18 歳の⼥⼦に対して⾼い接種率で接種されたことを反
1062
6 %、腫れ( 5 cm 以上 )が 1-10 %、紅斑( 5 ㎝以上 )が 0-3 %であった(90, 94-95, 106-
1040
映していると考えられる。またワクチンを最初に接種した年齢層別に CIN2-3/AIS での
1063
113)。4 価 HPV ワクチン被接種者を対照とした試験において、9 価 HPV ワクチン被接種
1041
HPV16,18 陽性率を⽐較したところ、13-16 歳で 12.5 %、17-20 歳で 14.3 %、21-25 歳で
1064
者における接種部位の症状発現は 4 価 HPV ワクチン被接種者と⽐較して多かった(90, 106,
1042
35.3 %、26 歳以上で 39.4 %を⽰し、20 歳を境に有意な差が認められており、20 歳までの
1065
108, 113-114)。男児を対照とした試験において、⼥児における接種部位の症状発現は男児
1043
キャッチアップ接種の有効性を⽰すものと考えられる。
1066
と⽐較して多かった(106, 110)。9 価 HPV ワクチン、4 価髄膜炎菌結合体ワクチン、成⼈⽤
9 価 HPV ワクチンの安全性に関する臨床試験において、当該ワクチン被接種者のうち、
1044
最近、我が国の⼥性を対象とした⼤規模な症例対照研究の結果が報告されている(105)。
1067
三種混合ワクチンの同時接種を⾏った群と 9 価 HPV ワクチンの単独接種を⾏った群を⽐
1045
2013 年 4 ⽉から 2017 年 3 ⽉の間に⼦宮頸がん検診を受けた全国の⼥性( 20-24 歳、14,779
1068
較した研究では、同時接種群で単独接種群より 9 価 HPV ワクチン接種部位の腫れを認めた
1046
⼈ )に対して、症例( 2,483 ⼈ )と対照( 12,296 ⼈ )の間で⼦宮頸部病変の発⽣に対
1069
者が多かった(111)( 同時接種;14.4 %、単独接種;9.4 % )
。9 価 HPV ワクチンと 4 種
1047
する HPV ワクチン接種の効果が検討された。細胞診異常に対して 58.5 %、CIN1 以上の発
1070
混合ワクチンの同時接種を⾏った群と 9 価 HPV ワクチンの単独接種を⾏った群を⽐較し
1048
⽣に対して 57.9 %、CIN2 以上の発⽣に対して 74.8 %の予防効果が認められている。また
1071
た研究では、同時接種群で単独接種群より 9 価 HPV ワクチン接種部位の腫れを認めた者が
1049
8 ⼈の⼦宮頸がん症例は、すべてワクチン未接種者であった。
1072
多かった (115)(同時接種;40.6 %、単独接種;31.1 %)
。
1073
2)⽶国における9価 HPV ワクチン承認後の有害事象報告
1050
43
1074
2014 年 12 ⽉から 2017 年 12 ⽉の期間に、⽶国における承認後ワクチンの有害事象報告
1075
制度(Vaccine Adverse Event Reporting System, VAERS )に登録された、9 価 HPV ワクチ
1076
ン接種に関する有害事象は 7,244 例であり( 対象期間の 9 価 HPV ワクチンの出荷本数;
44