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11【参考資料1-6】9価HPVワクチンファクトシート (20 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29181.html |
出典情報 | 厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会(第41回 11/18)《厚生労働省》 |
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919
945
導⼊後 5-8 年の時点で 83 %の減少が⽰された(表 9)。HPV16,18 感染の予防効果は、年齢
920
2)国内での臨床試験
上記の国際臨床試験において、⽇本⼈⼥性集団( 16-26 歳、127 ⼈ )のサブグループ解
946
層が上がると低下する傾向が認められ、すでに HPV16,18 に感染している⼥性に対しては
921
析が⾏なわれている(94)。0, 2 及び 6 か⽉の 3 回接種により、4 価 HPV ワクチンの接種群
947
効果が低いことがうかがわれる。また HPV16,18 以外の⾼リスク型 HPV については、
922
と較べて 9 価 HPV ワクチンの接種群で、HPV31,33,45,52,58 の持続感染の 90.4 %(95 %
948
HPV31,33,45 感染に対して、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点で 13-19 歳の⼥性で、54 %の減
923
信頼区間 62.4-98.4 )が抑制された。1 回⽬の接種から 7 か⽉後の HPV6, 11, 16, 18 に対す
949
少が⽰されており、これらの HPV 型に対するクロスプロテクションによるものと考えられ
924
る⾎清抗体価は 4 価 HPV ワクチンと同等であった。またワクチン被接種者の 100 %がワ
950
る。⼀⽅でワクチンに含まれない⾼リスク型 HPV 全体に対しては、ワクチンによる有意な
925
クチンに含まれる HPV 型に対する抗体陽転を⽰した。これらの有効性・免疫原性は、アジ
951
感染予防効果は認められないことから、全体としてクロスプロテクションは限定的と考え
926
アの他の国・地域( インド、⾹港、韓国、台湾、タイ )と⽐較して、有意な差は認められ
952
られる。
927
なかった。
953
尖圭コンジローマに関しては、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点で 15-19 歳の⼥性で、67 %
928
9-15 歳の⽇本⼈⼥性( 100 ⼈ )を対象とした、9 価 HPV ワクチンに対する免疫原性の
954
の予防効果が⽰されている(表 10)。⼀⽅、男性においては、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点
929
試験が報告されている(95)。0, 2 及び 6 か⽉の計 3 回のワクチン接種により、初回接種から
955
で、15-19 歳で 48 %の減少が認められた。男性はワクチンを接種していないことから、⼥
930
7 か⽉後に被接種者の 100 %がワクチン HPV 型に対する抗体陽性を⽰した。HPV6, 11, 16,
956
性の接種を介した集団免疫の成⽴が⽰唆される。
931
18, 31, 33, 45, 52, 58 に対する⾎清抗体価のレベルは、16-26 歳の⽇本⼈⼥性を対象とした
957
932
試験と同等であった(表 8)。また 3 回⽬のワクチン接種から 2 年間、ワクチン HPV 型に対
958
51 %の予防効果が⽰されている(表 11)。この予防効果は 20-24 歳の⼥性では 31 %に低
933
する抗体応答の持続性が⽰された。
959
下することから、性交渉開始前の⼥⼦に HPV ワクチンを接種することが、CIN2 以上の病
960
変の予防に重要であることが⽰唆される。
934
935
表 8. 接種年齢による抗体価の⽐較(⽇本⼈⼥性の場合)(95)
抗体
936
9-15歳(N=100)
961
16-26歳 (N=127)
962
表 9. HPV ワクチン導⼊による HPV 感染の予防効果(37)
963
HPV16,18 感染
HPV6
1,836.5
839.7
HPV11
1,331.3
611.1
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
HPV16
6,823.6
2,672.7
13‐19 歳、⼥性
0.30 (0.21‐0.43)
0.17 (0.11‐0.25)
HPV18
2,159.9
688.7
20‐24 歳、⼥性
0.63 (0.53‐0.76)
0.34 (0.23‐0.49)
HPV31
2,052.5
672.3
25‐29 歳、⼥性
0.86 (0.69‐1.07)
0.63 (0.41‐0.97)
HPV33
994.8
398.3
HPV45
811.0
258.5
HPV52
1,069.1
306.3
HPV58
1,488.2
459.6
964
値は3回⽬のワクチン接種から4週間後のGMT(mMU/mL)
937
938
CIN2 以上の病変の発⽣に対しては、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点で 15-19 歳の⼥性で、
965
HPV31,33,45 感染
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
13‐19 歳、⼥性
0.89 (0.78‐1.01)
0.46 (0.33‐0.66)
20‐24 歳、⼥性
0.99 (0.84‐1.16)
0.72 (0.47‐1.10)
25‐29 歳、⼥性
1.02 (0.79‐1.32)
0.93 (0.71‐1.22)
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
13‐19 歳、⼥性
1.13 (0.99‐1.29)
1.12 (0.82‐1.53)
20‐24 歳、⼥性
1.11 (1.00‐1.24)
1.16 (0.93‐1.46)
25‐29 歳、⼥性
1.00 (0.92‐1.10)
1.17 (0.80‐1.72)
その他の⾼リスク型 HPV 感染
③ HPV ワクチン導⼊後の⼈⼝レベルの効果
939
1)海外でのインパクト
940
定期接種として HPV ワクチンを導⼊した欧⽶の国々で、ワクチン⾮接種者を含む⼈⼝レ
941
ベルでのワクチン導⼊効果が調べられている。2019 年に、これら欧⽶諸国からの論⽂の⼤
942
規模なメタ解析が⾏われ、各種指標( HPV16,18 感染、尖圭コンジローマ発症、CIN2 以上
943
病変の発⽣ )における、ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度が報告されている(37)。
944
HPV16,18 感染に関して、最も顕著な効果が認められたのは 13-19 歳の⼥性で、ワクチン
39
966
オーストラリア、⽶国、北欧(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)
、スコットランド、イングランド、
967
スペイン、英国での 14 スタディ
ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度(95%信頼区間)
968
40
945
導⼊後 5-8 年の時点で 83 %の減少が⽰された(表 9)。HPV16,18 感染の予防効果は、年齢
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2)国内での臨床試験
上記の国際臨床試験において、⽇本⼈⼥性集団( 16-26 歳、127 ⼈ )のサブグループ解
946
層が上がると低下する傾向が認められ、すでに HPV16,18 に感染している⼥性に対しては
921
析が⾏なわれている(94)。0, 2 及び 6 か⽉の 3 回接種により、4 価 HPV ワクチンの接種群
947
効果が低いことがうかがわれる。また HPV16,18 以外の⾼リスク型 HPV については、
922
と較べて 9 価 HPV ワクチンの接種群で、HPV31,33,45,52,58 の持続感染の 90.4 %(95 %
948
HPV31,33,45 感染に対して、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点で 13-19 歳の⼥性で、54 %の減
923
信頼区間 62.4-98.4 )が抑制された。1 回⽬の接種から 7 か⽉後の HPV6, 11, 16, 18 に対す
949
少が⽰されており、これらの HPV 型に対するクロスプロテクションによるものと考えられ
924
る⾎清抗体価は 4 価 HPV ワクチンと同等であった。またワクチン被接種者の 100 %がワ
950
る。⼀⽅でワクチンに含まれない⾼リスク型 HPV 全体に対しては、ワクチンによる有意な
925
クチンに含まれる HPV 型に対する抗体陽転を⽰した。これらの有効性・免疫原性は、アジ
951
感染予防効果は認められないことから、全体としてクロスプロテクションは限定的と考え
926
アの他の国・地域( インド、⾹港、韓国、台湾、タイ )と⽐較して、有意な差は認められ
952
られる。
927
なかった。
953
尖圭コンジローマに関しては、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点で 15-19 歳の⼥性で、67 %
928
9-15 歳の⽇本⼈⼥性( 100 ⼈ )を対象とした、9 価 HPV ワクチンに対する免疫原性の
954
の予防効果が⽰されている(表 10)。⼀⽅、男性においては、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点
929
試験が報告されている(95)。0, 2 及び 6 か⽉の計 3 回のワクチン接種により、初回接種から
955
で、15-19 歳で 48 %の減少が認められた。男性はワクチンを接種していないことから、⼥
930
7 か⽉後に被接種者の 100 %がワクチン HPV 型に対する抗体陽性を⽰した。HPV6, 11, 16,
956
性の接種を介した集団免疫の成⽴が⽰唆される。
931
18, 31, 33, 45, 52, 58 に対する⾎清抗体価のレベルは、16-26 歳の⽇本⼈⼥性を対象とした
957
932
試験と同等であった(表 8)。また 3 回⽬のワクチン接種から 2 年間、ワクチン HPV 型に対
958
51 %の予防効果が⽰されている(表 11)。この予防効果は 20-24 歳の⼥性では 31 %に低
933
する抗体応答の持続性が⽰された。
959
下することから、性交渉開始前の⼥⼦に HPV ワクチンを接種することが、CIN2 以上の病
960
変の予防に重要であることが⽰唆される。
934
935
表 8. 接種年齢による抗体価の⽐較(⽇本⼈⼥性の場合)(95)
抗体
936
9-15歳(N=100)
961
16-26歳 (N=127)
962
表 9. HPV ワクチン導⼊による HPV 感染の予防効果(37)
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HPV16,18 感染
HPV6
1,836.5
839.7
HPV11
1,331.3
611.1
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
HPV16
6,823.6
2,672.7
13‐19 歳、⼥性
0.30 (0.21‐0.43)
0.17 (0.11‐0.25)
HPV18
2,159.9
688.7
20‐24 歳、⼥性
0.63 (0.53‐0.76)
0.34 (0.23‐0.49)
HPV31
2,052.5
672.3
25‐29 歳、⼥性
0.86 (0.69‐1.07)
0.63 (0.41‐0.97)
HPV33
994.8
398.3
HPV45
811.0
258.5
HPV52
1,069.1
306.3
HPV58
1,488.2
459.6
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値は3回⽬のワクチン接種から4週間後のGMT(mMU/mL)
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CIN2 以上の病変の発⽣に対しては、ワクチン導⼊後 5-8 年の時点で 15-19 歳の⼥性で、
965
HPV31,33,45 感染
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
13‐19 歳、⼥性
0.89 (0.78‐1.01)
0.46 (0.33‐0.66)
20‐24 歳、⼥性
0.99 (0.84‐1.16)
0.72 (0.47‐1.10)
25‐29 歳、⼥性
1.02 (0.79‐1.32)
0.93 (0.71‐1.22)
ワクチン導⼊後 1‐4 年
ワクチン導⼊後 5‐8 年
13‐19 歳、⼥性
1.13 (0.99‐1.29)
1.12 (0.82‐1.53)
20‐24 歳、⼥性
1.11 (1.00‐1.24)
1.16 (0.93‐1.46)
25‐29 歳、⼥性
1.00 (0.92‐1.10)
1.17 (0.80‐1.72)
その他の⾼リスク型 HPV 感染
③ HPV ワクチン導⼊後の⼈⼝レベルの効果
939
1)海外でのインパクト
940
定期接種として HPV ワクチンを導⼊した欧⽶の国々で、ワクチン⾮接種者を含む⼈⼝レ
941
ベルでのワクチン導⼊効果が調べられている。2019 年に、これら欧⽶諸国からの論⽂の⼤
942
規模なメタ解析が⾏われ、各種指標( HPV16,18 感染、尖圭コンジローマ発症、CIN2 以上
943
病変の発⽣ )における、ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度が報告されている(37)。
944
HPV16,18 感染に関して、最も顕著な効果が認められたのは 13-19 歳の⼥性で、ワクチン
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オーストラリア、⽶国、北欧(デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)
、スコットランド、イングランド、
967
スペイン、英国での 14 スタディ
ワクチン導⼊前に対する導⼊後の相対危険度(95%信頼区間)
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