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資料6 薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (6 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/45/giji_list/mext_00001.html
出典情報 医薬・生活衛生局が実施する検討会 新薬剤師養成問題懇談会(第22回 3/15)《文部科学省》
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薬学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方

1 基本理念と背景
○キャッチフレーズ「未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる医療人の
養成」
今回の改訂は、変化し続ける未来の社会や地域を見据え、多様な場や人をつなぎ活躍できる
医療人の養成を目指して医学・歯学・薬学教育の3領域で統一したキャッチフレーズを採用した。
近年、人口構造の変化、多疾患併存、多死社会、健康格差、増大する医療費、新興・再興感
染症や災害リスクなど様々な問題に直面し、これらの社会構造の変化は、年を経るにつれ更な
る激化が見込まれている。このように社会に多大な影響を与える出来事を的確に見据え、多様
な時代の変化や予測困難な出来事に柔軟に対応し、生涯にわたって活躍し、社会のニーズに応
える医療人の養成が必須である。
そのためには、医療者としての根幹となる資質・能力を培い、多職種で複合的な協力を行い、
多様かつ発展する社会の変化の中で活躍することが求められる。また、患者や家族の価値観に
配慮する観点や利他的な態度が重要である。更には、ビッグデータや人工知能(AI)を含めた医
療分野で扱う情報は質も量も拡大・拡張しており、これらを適切に活用した社会への貢献も求
められる。
これらを教育面から具現化するため、新たな「薬剤師として求められる基本的な資質・能力」
の提示、各大学の創意・工夫に基づいたカリキュラム作成、課題の発見と解決を科学的に探究
する人材の育成、医学・歯学・薬学の教育内容の一部共通化を行うこととした。
また、今回の改訂では、生涯にわたって目標とする「薬剤師として求められる基本的な資
質・能力」を掲げた学修成果基盤型教育(OBE)を柱とし、薬学教育モデル・コアカリキュラム
(平成25年度改訂版)(以下「平成25年度改訂版」という。)の深化を図り、薬学教育の質保証の
観点から改革を進めることを企図した。
○2040年以降の社会も想定した医学・歯学・薬学において共通して求められる資質・能力
さん

薬剤師養成には、6年間の卒前教育に加えて、卒後の研鑽を含め時間を要する。このため、学
生が医療人として活躍する2040年以降の社会も想定し、モデル・コア・カリキュラムを改訂す
る必要がある。2040年頃、日本の高齢人口はピークを迎えるが、それ以降も高齢化率は上昇を
続けると予測されている。これに伴い、多疾患の併存や、また様々な社会的背景を有する患者
等の割合の増大が見込まれる。これらの患者・生活者を総合的にみる姿勢が、医療人として求
められる。さらに、生産年齢人口の減少と相まって、今後日本においては、生産年齢人口負担
がますます増加することが予測されるとともに、地理的にみると、全国の居住地域の約半数で
人口が半減すると予測されており、この急激な人口構造の変化に応じて、大幅な医療需要の変
化に対応できる医療人の養成が、社会的に重要である。加えて、将来医療現場において活用さ
れうる新規科学技術について、先んじて全てを卒前教育にモデル・コア・カリキュラムとして
盛り込むことには限界があるものの、倫理を含めて基盤となる情報・科学技術を活かす能力に
ついて、その素養を身に付ける必要がある。
また、医療人として求められる基本的な資質・能力は、専門分野に関わらず共通している。
そこで、今回の改訂では「求められる基本的な資質・能力」に関して原則として医学・歯学・
薬学の3領域で共通化した。多職種の卒前段階の教育の水平的な協調を進め、医療人として価値
観を共有することは重要である。
こうした状況を踏まえ、平成25年度改訂版を基本に医学・歯学教育モデル・コア・カリキュ
ラムとの連携を検討した上で、新たな資質・能力として、「総合的に患者・生活者をみる姿
勢」、「情報・科学技術を活かす能力」の2つを加えた。

2 大学教育における位置づけ
○モデル・コア・カリキュラムの整理
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