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参考資料1:臨床研究中核病院概要表 (20 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34378.html
出典情報 厚生科学審議会 臨床研究部会(第33回 8/23)《厚生労働省》
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令和4年度以降に、拠点の支援を活用し、顕著な成果・実績に結びついた事例
腹膜透析患者向け内視鏡の開発と承認取得について
背景と課題:日本では成人人口の約13%、1,330万人がCKD(慢性腎臓病)患者といわれ、このうち約35万人が透析患者である。透析には、透析の
手法の違いにより「血液透析」と「腹膜透析」がある。「血液透析」は、週に2~3日程度、1回4時間程度病院で透析を受けるため、特に高齢
の患者は通院の困難に直面する。また、若年層は、就労等、社会生活の継続の困難に直面する。一方で、「腹膜透析」は、月に1回程度、病院へ
の通院が必要となるが、日常は透析を在宅で行うことが可能であるため、社会生活の継続など、血液透析に比べて患者にとって優位性が高いと言
われる。しかし、腹膜透析は、透析液が生体膜である腹膜に暴露されるため、腹膜が硬化して腸閉塞など重篤な合併症を引き起こす可能性がある。
また、医師が重篤な合併症を早期に診断する手段を持たないことにより、優位性が高いとされる「腹膜透析」を選択する医師、患者は1万人レベ
ルにとどまっている。
開発シーズの内容と社会実装への取組:腎臓内科医のグループは、患者の腹膜を経時的に観察することにより、重篤な合併症を発症する前に医師
が早期に診断し、適切な処置を行うことができると考え、研究を重ねてきた。しかし、そのためにカギとなる継時的な腹膜の観察を行うための機
器が存在しなかった。そこで、腹膜透析治療のために患者の腹腔にすでに直接留置されている(透析液の注排液用の)「腹膜透析用カテーテル」
の内腔に内視鏡を挿入することで、腹膜の形態(状態)を「低侵襲・継時的・直視下」で観察するための「腹膜透析専用 極細径内視鏡」の開発
に着手した。当該内視鏡は、順天堂を研究代表機関として多施設医師主導治験を完遂し、医療機器メーカーへの導出を経て、令和4年に医療機器
承認取得(承認番号 30400BZX00294000 一般名称 軟性腹腔鏡 販売名「経カテーテル腹腔鏡 PD VIEW」)に至った。
支援内容等:医療機器として承認を取得したが、広く臨床医が「腹膜透析専用 極細径内視鏡」を使用し、腹膜透析を選択するという可能性を広
げるためには、腹腔形態の観察データ蓄積やそれらの評価を取りまとめる過程が必要である。令和3年度までに実施してきた①医師主導治験、➁
規制(PMDA)対応、③企業導出に対する支援に加えて、令和4年度は、④承認取得(製品化)、⑤製品化後、臨床への導入に向けた臨床研究計
画策定および⑥研究費獲得など、製品化から普及に向けたシームレスな臨床導入を念頭に置き、支援を実施した。(下図 ①~⑥)
承認取得を契機として、日本腹膜透析医学会からのバックアップ体制を確立することとなり、①安心・安全な腹膜透析治療の実現に資する新たな
診断法の確立、➁新たな診断法の学会ガイドライン化・保険収載という大きな一歩を着実に積み重ねている。
コンセプ
ト設計

非臨床試験
(ブタ、その他)

RS
相談

①医師主導治験

➁RS
相談

③企業
導出

④承認

⑤臨床計画策定
⑥研究費獲得

臨床への
導入