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別紙3○先進医療Bに係る新規技術の科学的評価等について (29 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000205617_00067.html |
出典情報 | 先進医療会議(第130回 3/7)《厚生労働省》 |
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部感染を発症され、敗血症の
リスクになりえることから、
右足趾切断が施行された。
閉塞性動脈硬化症だけではなく、バージャー病や膠原病疾患への血管再生治療を先進医
療 A として実施した経験があり、再生医療等安全確保法に準じた治療として当院を含む共同研究機
関内で多数実施している。血管再生治療に起因する重篤な有害事象や死亡の報告はない。
予定試験期間及び予定症例数の設定根拠:
Morisaki らによると、Global Anatomic Staging System (GLASS) Ⅲの CLTI に対する EVT 後1年間
の膝上または膝下の大切断と再血行再建術の割合は 54.9%と報告されている。本研究で対象となる症例
も GLASS III の血管形態をとる難治性の病態であり、再血行再建術割合は 55%程度であると考える。次
に、Giannopoulos らによると、一般的な CLTI 症例の EVT 後 12 ヶ月間の小切断は 10-15%と報告されて
いる。また、van Haelst STW らによると、重症度の高い症例(WIfI 分類 4)では 6 ヵ月以内の小切断
は 26%と報告されている。本試験では難治性で重症な背景の症例が登録されるため、本試験の小切断を
25%程度と考える。小切断を行う症例には、大切断および再血行再建術が重なることを考慮すると(以下
に示す当院における長期追跡データ解析によると 12 ヵ月以内の「EVT+大切断」と「小切断」の重なり
は 5.3%であった)、本試験の標準治療群における 1 年以内の切断または再 EVT 割合としては 70%以上が
見込まれる。これらより、本試験で期待される標準治療群の 1 年イベント発生確率を 70%とした。
また、京都府立医科大学附属病院にて 2010 年~2019 年に閉塞性動脈硬化症に対して血管再生治療を
行い、長期追跡を行った 65 例のデータを解析した結果、血管再生治療後の 1 年イベント(再 EVT 又は
大・小切断)発生確率は 35.8%であった。以上より、本試験で期待される血管再生治療群の 1 年イベン
ト発生確率を 35%とした。
最後に、これら2群の中で 1 年間に予想される死亡による打ち切りは、血管再生治療後で症例背景が同
等であることが予想される Kondo らによる報告での1年死亡率は約 10%であったことから、10%と設定
した。
以上より、標準治療群(対照群)の 1 年イベント発生確率 70%、再生治療群の 1 年イベント発生確率
35%、ハザード比 0.358、1 年打ち切り確率は両群共に 10%とし、有意水準両側 5%でログランク検定を用
いるとき、検出力を 80%以上とするためには、必要症例数は各群 31 例(両群合計 62 例)となる(Lakatos
の方法に基づき算出した)
。また解析除外例を考慮し、目標症例数を各群 33 例(両群計 66 例)と設定
した。
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リスクになりえることから、
右足趾切断が施行された。
閉塞性動脈硬化症だけではなく、バージャー病や膠原病疾患への血管再生治療を先進医
療 A として実施した経験があり、再生医療等安全確保法に準じた治療として当院を含む共同研究機
関内で多数実施している。血管再生治療に起因する重篤な有害事象や死亡の報告はない。
予定試験期間及び予定症例数の設定根拠:
Morisaki らによると、Global Anatomic Staging System (GLASS) Ⅲの CLTI に対する EVT 後1年間
の膝上または膝下の大切断と再血行再建術の割合は 54.9%と報告されている。本研究で対象となる症例
も GLASS III の血管形態をとる難治性の病態であり、再血行再建術割合は 55%程度であると考える。次
に、Giannopoulos らによると、一般的な CLTI 症例の EVT 後 12 ヶ月間の小切断は 10-15%と報告されて
いる。また、van Haelst STW らによると、重症度の高い症例(WIfI 分類 4)では 6 ヵ月以内の小切断
は 26%と報告されている。本試験では難治性で重症な背景の症例が登録されるため、本試験の小切断を
25%程度と考える。小切断を行う症例には、大切断および再血行再建術が重なることを考慮すると(以下
に示す当院における長期追跡データ解析によると 12 ヵ月以内の「EVT+大切断」と「小切断」の重なり
は 5.3%であった)、本試験の標準治療群における 1 年以内の切断または再 EVT 割合としては 70%以上が
見込まれる。これらより、本試験で期待される標準治療群の 1 年イベント発生確率を 70%とした。
また、京都府立医科大学附属病院にて 2010 年~2019 年に閉塞性動脈硬化症に対して血管再生治療を
行い、長期追跡を行った 65 例のデータを解析した結果、血管再生治療後の 1 年イベント(再 EVT 又は
大・小切断)発生確率は 35.8%であった。以上より、本試験で期待される血管再生治療群の 1 年イベン
ト発生確率を 35%とした。
最後に、これら2群の中で 1 年間に予想される死亡による打ち切りは、血管再生治療後で症例背景が同
等であることが予想される Kondo らによる報告での1年死亡率は約 10%であったことから、10%と設定
した。
以上より、標準治療群(対照群)の 1 年イベント発生確率 70%、再生治療群の 1 年イベント発生確率
35%、ハザード比 0.358、1 年打ち切り確率は両群共に 10%とし、有意水準両側 5%でログランク検定を用
いるとき、検出力を 80%以上とするためには、必要症例数は各群 31 例(両群合計 62 例)となる(Lakatos
の方法に基づき算出した)
。また解析除外例を考慮し、目標症例数を各群 33 例(両群計 66 例)と設定
した。
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