よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


(6)認知症介護基礎研修受講義務付けの効果に関する調査研究事業(報告書)(案)[7.7MB] (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38545.html
出典情報 社会保障審議会 介護給付費分科会(第240回 3/18)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。



調査結果のまとめ

本事業は、令和3年度介護報酬改定において、医療・福祉関係の資格を有さない介護職員
に認知症介護基礎研修を受講させるための措置を講じることが介護サービス事業者に義務付
けられたことを受け、介護に従事する職員の認知症介護基礎研修の修了状況などの現状を把
握するとともに、研修の受講義務付けに伴う効果(知識・意識・行動への反映状況等)を検証
することを目的として実施した。
本調査は、認知症介護研究・研修仙台センターの運営する e ラーニングシステムを修了し
た場合の認知症介護基礎研修の受講効果を確認したものであるという限界はあるものの、全
国で最も受講者が多い研修内容についての調査であり、対象としては十分と考えられる。
アンケート調査より把握された認知症介護基礎研修の受講者の属性について、研修修了者
の介護業界での経験年数は、新任職員にあたる「1~2年目」は合計で 26.5%であり、3年
目以上の者が大半を占めていた。調査対象者は令和4年度の修了者であったが、令和4年度
は研修義務付けの経過措置期間であったため、経験年数の長い無資格職員が多く受講してい
た実態が確認された。また、修了者がこれまでに受講した認知症に関する研修については、
「受講したことがない」が 68.4%と最も多く、認知症についての基礎的な研修内容の受講が
初めてである者が多くを占めた。受講した時間に関する設問においては、
「すべて業務時間内
に受講」45.7%、
「すべて業務時間外に受講」39.5%、
「業務時間内外の受講」14.3%であった。
受講場所については「職場のみ」55.1%、
「自宅のみ」33.4%であった。また、施設・事業所
が研修の際に行う支援については「研修費用を全額補助している」71.0%、
「オンラインでの
受講ができるように、パソコンやインターネット環境等を整備している」64.1%となってい
た。
次に、認知症介護基礎研修の受講効果について、本調査では「ケアに関する知識の習得」
「ケアに関する考え方の変化」
「ケアの方法の変化」の3指標について、全体と個別項目(シ
ラバスに沿った小項目)に分けてそれぞれ尋ねた。修了者が感じる研修受講の効果は「そう
思う」
「ややそう思う」を合算すると、ほぼすべての項目で9割超であった。
「そう思う」に限
定すると、全体としては、
「ケアに関する知識の習得」45.9%、
「ケアに関する考え方の変化」
44.7%、
「ケアの方法の変化」40.0%となっていた。個別項目では、
「そう思う」と回答した割
合は、例えばケアに関する考え方について、研修内で重点的に触れられている「一人ひとり
を尊重することが大事だと思うようになった」
「認知症の方本人の声や気持ち・思いを確認す
ることが大事だと思うようになった」で約7割、ケアの方法の変化について、
「本人の話をよ
く聴くようになった」

「適切な表情や態度を意識しながら行うようになった」
「利用者への言
葉づかいを変えるようになった」で5~6割などの結果であった。また、管理者が感じる研
修受講の効果は「そう思う」
「ややそう思う」を合算すると、全体的には、
「ケアに関する知識
の習得」8割、
「ケアの方法の変化」7割となっていた。
認知症介護基礎研修義務付けに伴い、過去に研修を受講したことのない職員に対する研修
受講の機会となったこと、認知症の方本人に寄り添った考え方やケアの方法の変化が一定程
度確認できた。

37