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オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集(令和6年4月版) (27 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/index_0024_00004.html
出典情報 オンライン診療その他の遠隔医療に関する事例集(令和6年4月版)(4/19)《厚生労働省》
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対象患者
当院では、かかりつけの患者以外の初診患者を対象とした診療は難しいと判断したため、オンライン診療は
あくまでかかりつけの患者の再診に限定している。
すべての診療科でオンライン診療を受け付けているが、対面診療でなければ診療が難しい診療科もある。現
状では、最も多い診療科は皮膚科、次いで内科である。

3 オンライン診療の実施の流れ
⚫ オンライン診療の対象となりうる患者に対しては、外来での対面診療の際、オンライン
予約

診療について説明・案内。
⚫ 次回の定期受診日に、病院にて予約。病院側が指定する形で予約。
⚫ オンライン診療は対面診療の合間に実施。

診療

⚫ 診察はタブレット越しに実施。
⚫ 医師が診察に時間を割くことができるよう、患者との接続確立は医療秘書が対応。

支払い
処方箋・処方薬の
受け渡し

⚫ オンライン診療システム上でクレジットカード決済または次回対面診療時に窓口で支払い。

⚫ 事務スタッフが患者の希望する薬局に処方箋をFAX送付するとともに原本を送付。

4 オンライン診療を実施する際の課題と工夫点等
患者の端末でビデオ通話を実施することができるよう、病院側が設定をサポートする必要が生じたケースが
あった。オンライン診療のサービスの利用にあたってはメールアドレスの登録が必要になるが、患者の中に

は自身のメールアドレスが分からず、設定に苦労する方もいた。こうした課題に対しては、外来での対面診
療の際にオンライン診療について説明する際、医療スタッフや事務スタッフがその場で一緒に設定し、オン
ラインで実際に繋いでみるなどの練習を行った。在宅診療を行っている患者の場合は、訪問看護師が訪問の
際に設定をサポートした。
対面診療では患者は待ち時間に慣れているが、オンライン診療の場合、予約時間を5分でも過ぎると病院に
電話がかかってくることがある。そのため、予約の際は、「〇時〇分開始」ではなく、「〇時~〇時の間に
実施」とするなど、ある程度幅を持たせて案内している。

5 オンライン診療の効果と今後の展望
把握した効果等
オンライン診療を実施しても、検査のために来院を求める場合がある。症状によっても対面診療に切り替え
る場合がある。このように、オンライン診療ですべてを完結することはできないが、患者としては、オンラ
イン診療を利用することで待ち時間を短縮できることはメリットの1つとなっている様子である。対面診療
との使い分けが重要である。

オンライン診療開始後は、毎月、実施件数や患者の満足度を調査していた。「安心できるか」「続けたいか
」などの項目について 5 段階で尋ねたところ、いずれの項目も 平 均 4.5点と高い評価であった。特に、患者
の付き添い等で同行する家族からはとても評判が良かった。施設に入所している高齢者においては、感染の
不安がなく、安心して医療を受けられるとの声が聞かれた。また、オンライン診療では施設の職員による付
き添いの時間が短縮された。
なお、当院での取組を地域の医師会に共有している。

今後の展望
職員のICTへの対応能力の向上を図り、オンライン診療を引き続き活用していきたい。

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