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議題3 参考資料 (140 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41117.html
出典情報 先進医療会議(第133回 7/4)《厚生労働省》
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先進医療の名称

<先進医療告示B⑦>
自家骨髄単核球移植による下肢血管再生治療

適応症
バージャー病(従来の治療法に抵抗性を有するものであって、フォンタン分類Ⅲ度又はⅣ度のものに限る。)
内容
(先進性)
閉塞性血栓血管炎(バージャー病)は四肢の末梢血管に閉塞をきたし、主に下肢に虚血症状を引き起こす疾患
である。男性に圧倒的に多く(男女比 9:1)、発症や増悪には喫煙の関与が知られているが、明らかな原因は不明で
難病指定されている。発症年齢は30~40 代の青壮年期に多く、下肢切断等の合併症でQOL やADL が低下する
ことは大きな問題である。
この疾患に対する一般的な治療法は、まず禁煙・食事療法を含めた生活環境の改善を指導したうえで、血管を拡
張させる薬物、血栓の形成を抑制する(血を固まりにくくする)薬物、側副血行(組織への血流を保つために生じる迂
回血行路)を発達させる薬物の投与を行う。また虚血骨格筋への血流を増やし痛みや潰瘍といった虚血に伴う症状
や状態の軽減・治癒を目指し、静脈や人工血管を使いバイパスを作製する手術による血行再建術を行う。しかしな
がら、動脈硬化による血管閉塞と異なり末梢ほど病変が強いために、血行再建手術が可能な症例は20%以下と少な
く、またバイパスの開存率も十分には期待できず、症状の再発を繰り返すことが多いのが現状である。これらの治療
法でも虚血による疼痛・潰瘍・感染管理が困難な症例は患肢切断が免れない。
血管再生療法とは自家の骨髄液中から単核球細胞分画を取り出し、虚血症状のある骨格筋内へ移植することに
より血管の再生を促す治療法である。2008 年に発表された『自家骨髄単核球細胞移植による末梢閉塞性動脈疾患
患者の血管新生治療に関する多施設臨床試験』(TACT 研究)においては、閉塞性血栓血管炎(バージャー病)患
者で80%以上の治療効果を有することが発表された。本治療はこれまでに評価療養である先進医療Aとして行わ
れ、従来の標準治療に抵抗性のバージャー病患者に対する有用性が示唆されており、さらなる安全性・有効性の検
討が必要と考えられる。

(概要)
本技術は閉塞性血栓血管炎(バージャー病)を対象とし、自家骨髄単核球細胞を、虚血患側肢の膝下以遠の骨
格筋内に移植することで血管の再生を促す治療法である。本技術の有効性および安全性について単群試験で検
証する。

・対象患者:保険収載された標準治療で回復がない、Fontaine III-IV、患側皮膚組織灌流圧(SPP)が30mmHg 未満
のバージャー病患者

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