議題3 参考資料 (49 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41117.html |
出典情報 | 先進医療会議(第133回 7/4)《厚生労働省》 |
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<先進医療告示16>
細胞診検体を用いた遺伝子検査
適応症
肺癌
内容
(先進性)
MINtS は細胞診検体を対象とした多遺伝子変異検査システムであり、EGFR、ALK、 ROS1、BRAF に対するコン
パニオン診断薬を目指して開発されている。細胞診検体を対象とした多遺伝子変異検査システムで実用化されてい
るものはない。細胞診検体を多遺伝子変異検査に利用し、全進行肺がん患者で遺伝子変異検査に基づく治療方
針決定を可能とすることが MINtS の先進性である。
以下にその理由を解説する。
悪性疾患か否かの診断能力は組織診検体に匹敵する。肺がんが画像で疑われ、その部位から採取した細胞診
検体でがん細胞が認められれば、肺がんとして治療が行われる。
肺がん治療用分子標的薬の対象となる異常遺伝子同定のため薬事承認されているコンパ ニオン診断薬のほとん
どは米国製であり、組織診検体を対象としたものである。これは、経皮肺生検が多用され、組織診検体が臨床検体
の主流である米国の臨床事情を反映したものと考えらえる。気管支鏡による低侵襲検査が普及し、細胞診検体が重
要な臨床検体として使用されている日本の現状とは必ずしも合致していない。
細胞診検体は良好な遺伝子変異検査材料である。組織診検体より良質な DNA、RNA が採取できるため、組織診
検体と比較して高精度の検査が可能である。
気管支鏡は日本で開発された医療機器であり、経皮肺生検と比較し、低侵襲で肺がん診断が行える。近年、気
管支鏡に超音波プローブを組み合わせた超音波気管支鏡を用い、より低侵襲の手技が広く肺がんの確定診断に用
いられるようになった。しかし、これら低侵襲検査で採取される検体は主として細胞診検体である。また、病巣の大き
さ、位置、さらに患者全身状態より、細胞診検体しか採取できない患者も少なからず存在する。現在薬事承認されて
いるコンパニオン診断薬は組織診検体を要求するため、遺伝子検査が施行できない。肺がんの診断がついたもの
の遺伝子検査未施行のまま治療を開始せざるを得ない症例が存在する(全症例の 20~30%程度.NEJ021A 試験結
果からの推定値.未発表データ)。
MINtS 開発の目的は、細胞診検体を多遺伝子変異検査に利用し、全進行肺がん患者で遺 伝子変異検査に基
づく治療方針決定を可能とすることである。
(概要)
MINtS は、画像的に肺がんが疑われる患者、画像的に肺がん再発・増悪が疑われる患者 で、肺がん診断のた
め採取した検体の細胞診検体部分、または増悪・転移病変から採取した細胞診検体を用いて、次世代シークエンサ
ーにより、多遺伝子の変異検索を行う。検出対象遺伝子は、現時点で保険収載されている肺がん分子標的薬の効
果を予測可能な変異遺伝子すなわち、変異 EGFR 遺伝子(一部)、変異 BRAF 遺伝子(一部)、変異 ALK 融合
遺伝子(一部)、変異 ROS1 融合遺伝子、変異 NTRK 融合遺伝子である。付属データとして、将来保険収載が期
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