議題3 参考資料 (85 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41117.html |
出典情報 | 先進医療会議(第133回 7/4)《厚生労働省》 |
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<先進医療告示24>
子宮内細菌叢検査1
適応症
慢性子宮内膜炎疑い
内容
(先進性)
子宮内膜マイクロバイオーム検査(Endometrial Microbiome Metagenomic Analysis;以下EMMA)や感染性慢性子
宮内膜炎検査(Analysis of Infectious Chronic Endometritis;以下ALICE)が検査法は、採取された子宮内膜の検体
からDNA を抽出した後に増幅し、次世代シークエンサー(new generation sequencer:NGS)を用い細菌の目印とな
る16S リボソームRNA遺伝子の遺伝子配列を同定する検査である。子宮内に存在する菌は腟よりも菌量が大変少な
く、20~60%の細菌は培養では検出できないと言われているが、この技術を用いることで、細菌Data Bankに登録さ
れている全ての菌種を同定することができ、子宮内膜細菌叢を分析し、培養不可能な細菌も検出することが可能と
なる。EMMA は子宮内に存在する各細菌の分類および相対的定量化も行い、存在する細菌の菌生バランスや存
在量などを総合的に判断する。ALICE 検査が陽性である患者は現在CE の状態である、またはCE となるリスクが
高率であると判断される。ALICE を行う意義としては、CE の原因となるうる細菌を早期に検出し、診断されずに放
置される子宮内膜炎発症のハイリスク患者を見つけ出し、かつ個別化された治療を提案することである。該当する細
菌は、Enterobacteriaceae 属のEsherichiaとKlebsiella、Enterococcus、Chlamydia、Mycoplasma、Neiseria、
Ureaplasma、Staphylococcus、Streptococus の9種が対象となっている。
これまでの報告では慢性子宮内膜炎(Chronic Endometritis;以下CE)や子宮内膜細菌叢の異常は生殖補助医療
を受けている患者では約30%、さらに、反復着床不全(RIF)および不育症(RPL)患者での有病率は60%に達すると
言われている。現時点におけるCE の診断は、病理検査・子宮鏡・細菌培養検査などにより総合的に判断がされて
おり、CE の症例に対し子宮内膜掻爬術などの外科的治療や抗菌薬投与等が治療として行われている。子宮内膜
掻破術は複数回行うと子宮内膜の菲薄化や癒着のリスクが上昇する。抗菌薬の長期投与の問題点としては耐性菌
の出現や常在菌であるLactobacillus 属の消滅が懸念される。EMMA/ALICE ではNGS 技術を利用し、これまで無
菌と考えられていたほど少ない量の細菌について詳細に子宮内膜細菌を測定し、子宮内が妊娠に適している状態
かどうか細菌叢を検査する手段である。さらには細菌の特定により広域抗菌薬の不必要な投与を避けることができ、
患者への身体的・経済的負担の軽減、さらには菌交代現象の予防にも繋がる。適正な環境であるかどうかを判断し
妊娠に向かうことは着床率、妊娠継続率の向上と、流産率の低下が期待される。
<EMMA/ALICE の結果パターン>
検査のパターン
EMMA の結果
ALICE の結果
1
NORMAL
NEGATIVE
2
ABNORMAL
NEGATIVE
3
ABNORMAL
POSITIVE
4
MILD DYSBIOTIC
NEGATIVE
85