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【資料1】被用者保険の適用拡大及びいわゆる「年収の壁」への対応について (25 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46880.html
出典情報 社会保障審議会 医療保険部会(第189回 12/12)《厚生労働省》
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第20回年金部会における保険料負担割合を変更できる特例に対するご意見 1/2

令和6年12月10日
第23回社会保障審議会
年金部会

資料1

【労使折半の原則との関係について】
・ 現在の労使折半の仕組みから外れる特例であることから、その範囲等については限定的に考える必要がある。労働者の
保険料は自らの年金受給権を積み上げるための拠出であり、直接的な対価関係がある一方、使用者は保険料拠出による受
益は間接的であることや、財源負担の比率は労使が厚生年金において対等な立場で貢献していることを示す意味もあるた
め、使用者の負担割合を当事者の合意のみによって自由に変更できる仕組みについては、年金受給権の意味や保険運営の
在り方に変異をもたらすおそれがあることに留意する必要がある。
・ 「年収の壁」の問題による就労調整が労働力不足を招く事態があるとすれば、就労調整の生じる可能性の高い収入層に
限り、労使合意による使用者の負担割合の増加を許容することは特例措置としてあり得る。一方、この特例措置が先例と
なり、年金制度において一般化していく布石とならぬように、目的を明確にした上で、時限措置で対象者も限定し、労働
者負担が当事者の合意のみで形骸化しないように、負担割合の変更限度を示す必要がある。
・ 一番古い社会保険の仕組みである健康保険組合において、労働政策と社会保障政策が重なる部分で、社会保険の負担割
合や運営は労使自治の原則で行われていたことから、労使が社会保険料負担を交渉で調整するのは、健康保険組合同様に
本来の社会保険制度であってもいいはずではないか。
・ 労働の需要弾力性が弱く、労働供給弾力性が強い現行の経済においては、企業への社会保険料の転嫁が大きくなっても
問題が無い。将来の年金の減額や、税で補塡するといった案と比して、やや課題も残っているが、ベターな案ではないか。
・ 外国でも使用者負担分が労働者負担分よりも多い例があり、必ずしも労使折半でなければならないわけではない。ただ、
一部のみ調整が許されることには説明が必要だが、今回の仕組みは任意であり、労使折半を維持することも可能。昨今の
深刻な人材不足に対する対応として、優秀な人材を確保するために、社会保険料を多く負担してでもいいから働いてほし
いと考える事業者の背中を押すことを可能にする環境にしておく必要性は認められるのではないか。

【制度継続等のデメリットについて】
・ 壁の中で就業調整することが得だという考えに寄り添う形になり、誤ったメッセージになってしまう。この特例ができ
てしまった場合、今度は特例の維持や上限額の引上げにつながり新たな壁となる。その中で就業調整すると男女の賃金格
差が改善されないのではないか。

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