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・資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (17 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00007.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和4年度第1回 7/26)《厚生労働省》
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2 参考情報

1

ータに加え,製造が安定した後の商業生産時のロットの不純物

55

開発段階で得られた不純物のプロファイルと異なる不純物プロ

2

の分析データが評価の対象となる.安全性の評価は,承認時に

56

ファイルが得られることがあり,製造段階における不純物プロ

3

実施されていることから,日局収載時に改めて実施されること

57

ファイルの変化については,必要に応じて考慮されるべきであ

4

はない.

58

るとされている.この考えに従い,日局収載時に規格設定の対

5

ICH Q3A及びQ3Bガイドラインでは,化学的合成法で製造

59

象となる不純物については,開発段階で得られる情報のほか,

6

される原薬及びこの原薬を用いて製造される製剤中の不純物を

60

製造段階における不純物プロファイルの変化がある場合にはそ

7

対象としており,日局においても同様に,生物薬品(バイオテ

61

の情報,更に製品製造が安定生産に至った後の段階(以下「安

8

クノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品),ペプチド,オ

62

定製造段階」という)での情報も考慮される.

9

リゴヌクレオチド,放射性医薬品,醗酵生成物,醗酵生成物を

63

しかしながら,安定製造段階で十分に低いレベルとなった,

10

原料とした半合成医薬品,生薬及び動植物由来の医薬品は対象

64

若しくは検出されなくなった不純物について,個別規格設定の

11

としない.

65

候補化合物リストからむやみに外すことは望ましくない.日局

12

ICH Q3A及びQ3Bガイドラインの原則に従って評価された

66

収載医薬品については,医薬品各条の規格に適合することで医

13

有機不純物を日局純度試験として収載する際に,日局の運用上

67

薬品として認められることになるが,原案作成会社の原薬とは

14

の合理性を考慮し,独自の修正がなされている.①例外的な場

68

製造方法が同一ではない後発医薬品などの場合,不純物のプロ

15

合を除き不純物標準品は設定されず,不純物を液体クロマトグ

69

ファイルが異なり,それらの不純物を含有することも想定され

16

ラフィーで同定する場合には,原薬に対する不純物の相対保持

70

るからである.日局収載時に開発段階で検出された結果に基づ

17

時間により行われる.②高純度の医薬品で特定されない不純物

71

き情報を提供することは,日局医薬品として流通する原薬及び

18

(0.1%以下)のみが設定されている場合,不純物総量の設定は

72

製剤に含まれる不純物を網羅することにつながる可能性がある.

19

通例免除される.③規格値を実測値ベースのみで設定すると,

73

したがって,安定製造段階で十分に低いレベルとなった,若

20

多数の不純物が少しずつ異なる規格値を有することになる場合

74

しくは検出されなくなった不純物について,日局の個別規格設

21

は,代表的な少数の規格値から構成されるように考慮する.④

75

定リストから外す際には,ICH Q3A及びQ3Bガイドラインの

22

不純物の化学構造情報や化学名は開示しない.これらの措置に

76

考え方に基づき安全性の観点から十分に設定の必要性が検討さ

23

より,不純物標準品を使用することなく不純物の管理が可能で

77

れる.

24

あり,高純度の医薬品に関しては,システム適合性試験を簡略

78

また,不純物標準物質を用いて不純物を特定する方法で承認

25

化することを可能としている.

79

された原薬については,日局各条においても,原則として,特

26

一方,相対保持時間を利用して不純物を同定する方法は,カ

80

定された不純物が同定可能となるように適切に規格及び試験方

27

ラム依存的であり,適切なカラムが入手できないと分析が困難

81

法を設定することが望ましい.なお,製造時における不純物の

28

になることから,日局17では,原薬の純度試験の設定に際し

82

管理に関しては,出荷試験,工程内試験及び工程パラメーター

29

て,不純物標準品を用いる分析方法も並行して認めることとし

83

の管理を含め適切な管理戦略を設定し,不純物を管理すること

30

た.さらに,原則として光学対掌体を含め,不純物の情報とし

84

が可能である.

31

て化学名及び構造式を日局においても開示する方針とされた.

85

4. 参考資料

32

なお,ICH Q3Aガイドラインでも言及されているように,

86

1)

33

不純物の構造決定は不完全な場合も存在する.そのため,各条

87

34

中のその他の項で開示する化学構造は,NMRなどにより確定

88

35

されている構造の他,合成経路などから推定される化学的に妥

89

36

当な構造を含めて示している.その際,立体化学が確定してい

37

ない場合には,当該部分の構造は波線を用いて表記し,当該炭

38

素に結合している水素は記載せず(構造を示すうえで必須であ

90

39

る場合を除く),化学名にはR 体とS 体,E 体とZ 体の別を記載

91

ように改める.

40

しないこととする.
92

システム適合性〈G1-2-181〉

ICH: Guideline for Q3A, Impurities in New Drug
Substances.

2)

ICH: Guideline for Q3B, Impurities in New Drug
Products.

参考情報

G1.

理化学試験関連

システム適合性

を次の

41

製剤の有機不純物に対する純度試験に関しても日局に収載さ

42

れる際に独自の配慮がなされる場合がある.日局においても,

43

製剤中の不純物として,原薬と添加剤若しくは一次包装との反

93

試験結果の信頼性を確保するためには,日本薬局方などに収

44

応による生成物に由来する不純物が規定される.これら不純物

94

載されている試験法を含め,既存の試験法を医薬品の品質試験

45

は,処方依存的であり,異なる処方では,生成してこない場合

95

に適用する際に,試験を行う施設の分析システムを使って当該

46

もある.多様な処方を許容する公定書である日局においては,

96

試験法が目的に適う試験結果を与えることをあらかじめ検証す

47

一律に各条において規定することが適当でない場合には,「別

97

ることが肝要であり,そうした検証を行った上で分析システム

48

に規定する」として承認の際の規定に委ねられる場合がある.

98

の稼働状態を日常的に確認する試験としてシステム適合性の試

49

新たに日局各条に医薬品を収載する際に不純物の規格を見直

99

験を行う必要がある.

50

す場合には,以下の考え方に従って不純物の規格値が再検討さ

100

51

れる場合がある.すなわち,ICH Q6Aガイドラインは,製造

101

「システム適合性」とは,試験法の適用時に目的に適う試験

52

販売承認申請時に得られているデータには限りがあり,それが

102

結果を与えることが検証された分析システムが,実際に品質試

53

判定基準を設定するのに影響を及ぼし得ることを考慮する必要

103

験を行う際にも適切な状態を維持していることを確認するため

54

があることを指摘している.不純物に関しても,製造段階では,

16

1. システム適合性の意義