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・資料No.2~2-1_日本薬局方の参考情報の改正(案)について (23 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000174942_00007.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 日本薬局方部会(令和4年度第1回 7/26)《厚生労働省》 |
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8 参考情報
1
せん断セルは,せん断応力を与える運動が並進か回転かによ
2
り,2種類に分類される.
3
2.1.1. 並進せん断セル
4
並進せん断セルでは,上部あるいは下部セルの一方を固定し,
5
他方を直線的に水平移動(並進)させて,二つのセルに充塡した
6
粉体層にせん断応力を負荷する.せん断面は,下部セル中の粉
7
体とリング状の上部セル中の粉体の境界に生じる.並進せん断
8
セルには,円筒型のもの(図2)と試料を上下2枚の平板ではさん
9
だ側壁のないものがあり,前者の代表例としてジェニケセル,
10
11
12
13
後者の代表例として平行平板セルが挙げられる.
図2 並進せん断セルの例
2.1.2. 回転せん断セル
14
回転せん断セルでは,上下一対のセルの一方を固定し,他方
15
を回転運動させて,二つのセルに充塡した粉体層にせん断応力
16
を負荷する.円筒型のものと環状型のもの(図3)がある.いず
17
れの回転せん断セルでも,粉体がセル内壁との界面で滑らない
18
よう,セルの内側に何らかの表面加工を施してある場合が多い.
19
回転セルの試料に接する面には複数の刃を放射状に取り付ける
20
などして,粉体を噛み込む作りにしてある.粉体を充塡した固
21
定セルに回転セルを押し入れて回転させることにより,回転セ
22
ル直下の粉体層にせん断面が形成される.
24
25
図3 回転せん断セルの例
2.2. その他の構成部分
26
ロードセルは,バネや圧電素子などを利用したセンサーで,
27
荷重やトルクを検出し,加えられた力を電気信号に変換する装
28
置である.ロードセル及び試料に垂直応力を負荷するための分
29
銅などは,計量トレーサビリティの保証された標準によって定
30
期的に校正を行う.
31
3. 測定
32
測定環境は,温度20±5℃,相対湿度50±10%が推奨される.
33
試料は,測定ごとに新しいものを用いる.ただし,圧密履歴を
34
経ていないことが明白な試料や希少な試料について,再使用し
35
た旨の記載を残す場合は,この限りではない.スパーテルや試
36
料の最大粒子径より大きい目開きのふるいなどを用いて,静か
37
にせん断セルに試料を充塡する.このとき,粉体層内に空洞が
38
生じないように注意する.充塡した試料の表面は,スパーテル
39
などでならしておく.定荷重法では,1回の測定中は空間率を
40
一定にして試験を行うため,初めに試料の圧密(予圧密)を行う.
41
ジェニケセルなどを用いた定荷重法における測定の手順を,
42
図4に模式図で示す.試験に先立ち,垂直方向の予圧密応力
43
(σ pre)を負荷しながら,せん断応力が定常値(τpre)になるまで
44
予備せん断を行う(図4(a)A).定荷重法では予備せん断中,粉
45
体の容積が減少あるいは場合によっては増加し,定常状態に至
46
ると一定になる.言い換えれば,ある垂直応力の条件下でせん
47
断応力が定常値になった粉体層の空間率は,その粉体の流動特
48
性から一つに決まる.以下の本試験では,この空間率を有する
49
試料についての測定を行う.せん断応力をゼロとした後σpreの
50
垂直応力を取り除き,新たに垂直応力(σsx, x =1, 2, 3 …)を負
51
荷してせん断応力を測定する(図4(a)B).せん断応力を徐々に
52
増加させたとき,粉体層が横滑りし始める直前の最大せん断応
53
力がτsx(x =1, 2, 3 …)である.σpre以下の3~5点のσsxにおい
54
てA-Bの操作を繰り返し,得られた結果から粉体層破壊包絡線
55
(PYL:powder yield locus,図4(b))を描くことができる.
23
56
57
図4 測定中の垂直応力及びせん断応力の時間経過図(a)と粉体層破壊包絡線(b)の例
22
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せん断セルは,せん断応力を与える運動が並進か回転かによ
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り,2種類に分類される.
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2.1.1. 並進せん断セル
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並進せん断セルでは,上部あるいは下部セルの一方を固定し,
5
他方を直線的に水平移動(並進)させて,二つのセルに充塡した
6
粉体層にせん断応力を負荷する.せん断面は,下部セル中の粉
7
体とリング状の上部セル中の粉体の境界に生じる.並進せん断
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セルには,円筒型のもの(図2)と試料を上下2枚の平板ではさん
9
だ側壁のないものがあり,前者の代表例としてジェニケセル,
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後者の代表例として平行平板セルが挙げられる.
図2 並進せん断セルの例
2.1.2. 回転せん断セル
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回転せん断セルでは,上下一対のセルの一方を固定し,他方
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を回転運動させて,二つのセルに充塡した粉体層にせん断応力
16
を負荷する.円筒型のものと環状型のもの(図3)がある.いず
17
れの回転せん断セルでも,粉体がセル内壁との界面で滑らない
18
よう,セルの内側に何らかの表面加工を施してある場合が多い.
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回転セルの試料に接する面には複数の刃を放射状に取り付ける
20
などして,粉体を噛み込む作りにしてある.粉体を充塡した固
21
定セルに回転セルを押し入れて回転させることにより,回転セ
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ル直下の粉体層にせん断面が形成される.
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図3 回転せん断セルの例
2.2. その他の構成部分
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ロードセルは,バネや圧電素子などを利用したセンサーで,
27
荷重やトルクを検出し,加えられた力を電気信号に変換する装
28
置である.ロードセル及び試料に垂直応力を負荷するための分
29
銅などは,計量トレーサビリティの保証された標準によって定
30
期的に校正を行う.
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3. 測定
32
測定環境は,温度20±5℃,相対湿度50±10%が推奨される.
33
試料は,測定ごとに新しいものを用いる.ただし,圧密履歴を
34
経ていないことが明白な試料や希少な試料について,再使用し
35
た旨の記載を残す場合は,この限りではない.スパーテルや試
36
料の最大粒子径より大きい目開きのふるいなどを用いて,静か
37
にせん断セルに試料を充塡する.このとき,粉体層内に空洞が
38
生じないように注意する.充塡した試料の表面は,スパーテル
39
などでならしておく.定荷重法では,1回の測定中は空間率を
40
一定にして試験を行うため,初めに試料の圧密(予圧密)を行う.
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ジェニケセルなどを用いた定荷重法における測定の手順を,
42
図4に模式図で示す.試験に先立ち,垂直方向の予圧密応力
43
(σ pre)を負荷しながら,せん断応力が定常値(τpre)になるまで
44
予備せん断を行う(図4(a)A).定荷重法では予備せん断中,粉
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体の容積が減少あるいは場合によっては増加し,定常状態に至
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ると一定になる.言い換えれば,ある垂直応力の条件下でせん
47
断応力が定常値になった粉体層の空間率は,その粉体の流動特
48
性から一つに決まる.以下の本試験では,この空間率を有する
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試料についての測定を行う.せん断応力をゼロとした後σpreの
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垂直応力を取り除き,新たに垂直応力(σsx, x =1, 2, 3 …)を負
51
荷してせん断応力を測定する(図4(a)B).せん断応力を徐々に
52
増加させたとき,粉体層が横滑りし始める直前の最大せん断応
53
力がτsx(x =1, 2, 3 …)である.σpre以下の3~5点のσsxにおい
54
てA-Bの操作を繰り返し,得られた結果から粉体層破壊包絡線
55
(PYL:powder yield locus,図4(b))を描くことができる.
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図4 測定中の垂直応力及びせん断応力の時間経過図(a)と粉体層破壊包絡線(b)の例
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