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資料1-2 調査結果報告書 (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27607.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(令和4年度第10回) |
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ヒト肝細胞を用いた試験で得られたリオシグアトの CLh 比は、CYP1A1 基質の CLh 比
と相関していたが(相関係数 r=0.96、決定係数 r2=0.92)
、CYP3A4 基質とは相関して
いなかった(r=-0.31、r2=0.10)。リオシグアトの代謝には主に CYP1A1 が関与する
ことが確認された。
抗 HIV 薬に含まれる各成分の CYP1A1 及び CYP3A4 に対する阻害作用を検討した in
vitro 試験の結果、リオシグアト単独投与時に対する 18634 試験において検討された
抗 HIV 薬に含まれる各成分併用時のリオシグアトの推定 AUC 比、並びに 18634 試験
におけるリオシグアト単独投与時に対する各抗 HIV 薬併用時の AUC の増加の程度
を踏まえると、
18634 試験における抗 HIV 薬併用時のリオシグアトの曝露量増加は、
以下に示す成分の CYP 阻害作用により説明可能と考えられる。
エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビル併用群:リルピビリン
エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル併用群:コビシ
スタット
アバカビル/ドルテグラビル/ラミブジン併用群:アバカビル
HIV プロテアーゼ阻害剤含有レジメン3併用群:リトナビル
また、P-gp 及び BCRP を介したリオシグアトと抗 HIV 薬との相互作用について、in vitro
試験で検討は行われていないが、リオシグアトの承認取得者は、以下の点より、抗 HIV 薬
の P-gp 及び BCRP 阻害によって、リオシグアトの曝露量が臨床的に意味のある程度に増加
する可能性は低いと説明した。
リオシグアトは P-gp 及び BCRP の基質であるが、尿中への未変化体の排泄(投与量
の 4~19%)は糸球体ろ過によるものであり4、腎排泄における P-gp 及び BCRP を介
した能動分泌の寄与は小さいと考えられる。
リオシグアトの絶対バイオアベイラビリティは約 94%であり、消化管における P-gp
及び BCRP 阻害によるリオシグアトの薬物動態への影響は限定的と考えられる。
2. 安全性
2.1 製造販売後臨床試験(17957 試験)
HIV 患者を対象としたリオシグアトと抗 HIV 薬との薬物相互作用試験(17957 試験)に
おいて、登録症例 47 例のうち、組入れ基準に合致した 41 例にリオシグアトが投与され全
例が安全性解析対象集団とされた。
いずれかの群で 1 例以上に認められた有害事象は表 5 と
おりであった。本試験で認められた有害事象 15 件のうち、エムトリシタビン/リルピビリン
/テノホビル併用群の頭痛 1 件並びに HIV プロテアーゼ阻害剤含有レジメン併用群の頭痛 2
件及び上腹部痛 1 件は、リオシグアトとの関連性ありと試験医師に判断された。
3 リトナビル/ダルナビル/エムトリシタビン/テノホビル併用又はアタザナビル/リトナビル/エムトリシタビン/テノホビ
ル併用(表 1 参照)
4 Clinical Pharmacokinetic and Pharmacodynamic Profile of Riociguat. (Clin Pharmacokinet. 2018; 57: 647-661.)
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ヒト肝細胞を用いた試験で得られたリオシグアトの CLh 比は、CYP1A1 基質の CLh 比
と相関していたが(相関係数 r=0.96、決定係数 r2=0.92)
、CYP3A4 基質とは相関して
いなかった(r=-0.31、r2=0.10)。リオシグアトの代謝には主に CYP1A1 が関与する
ことが確認された。
抗 HIV 薬に含まれる各成分の CYP1A1 及び CYP3A4 に対する阻害作用を検討した in
vitro 試験の結果、リオシグアト単独投与時に対する 18634 試験において検討された
抗 HIV 薬に含まれる各成分併用時のリオシグアトの推定 AUC 比、並びに 18634 試験
におけるリオシグアト単独投与時に対する各抗 HIV 薬併用時の AUC の増加の程度
を踏まえると、
18634 試験における抗 HIV 薬併用時のリオシグアトの曝露量増加は、
以下に示す成分の CYP 阻害作用により説明可能と考えられる。
エムトリシタビン/リルピビリン/テノホビル併用群:リルピビリン
エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビル併用群:コビシ
スタット
アバカビル/ドルテグラビル/ラミブジン併用群:アバカビル
HIV プロテアーゼ阻害剤含有レジメン3併用群:リトナビル
また、P-gp 及び BCRP を介したリオシグアトと抗 HIV 薬との相互作用について、in vitro
試験で検討は行われていないが、リオシグアトの承認取得者は、以下の点より、抗 HIV 薬
の P-gp 及び BCRP 阻害によって、リオシグアトの曝露量が臨床的に意味のある程度に増加
する可能性は低いと説明した。
リオシグアトは P-gp 及び BCRP の基質であるが、尿中への未変化体の排泄(投与量
の 4~19%)は糸球体ろ過によるものであり4、腎排泄における P-gp 及び BCRP を介
した能動分泌の寄与は小さいと考えられる。
リオシグアトの絶対バイオアベイラビリティは約 94%であり、消化管における P-gp
及び BCRP 阻害によるリオシグアトの薬物動態への影響は限定的と考えられる。
2. 安全性
2.1 製造販売後臨床試験(17957 試験)
HIV 患者を対象としたリオシグアトと抗 HIV 薬との薬物相互作用試験(17957 試験)に
おいて、登録症例 47 例のうち、組入れ基準に合致した 41 例にリオシグアトが投与され全
例が安全性解析対象集団とされた。
いずれかの群で 1 例以上に認められた有害事象は表 5 と
おりであった。本試験で認められた有害事象 15 件のうち、エムトリシタビン/リルピビリン
/テノホビル併用群の頭痛 1 件並びに HIV プロテアーゼ阻害剤含有レジメン併用群の頭痛 2
件及び上腹部痛 1 件は、リオシグアトとの関連性ありと試験医師に判断された。
3 リトナビル/ダルナビル/エムトリシタビン/テノホビル併用又はアタザナビル/リトナビル/エムトリシタビン/テノホビ
ル併用(表 1 参照)
4 Clinical Pharmacokinetic and Pharmacodynamic Profile of Riociguat. (Clin Pharmacokinet. 2018; 57: 647-661.)
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